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第九話」(2006/08/16 (水) 16:15:32) の最新版変更点

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そこは闇の中だった。 一人の男はパソコンの画面を眺め、満足そうに微笑んでいた。 確実に生存者は減っている。この調子ならば目的の達成まであと一歩だ…… 私の居場所がバレることは決してない。いかに残存勢力が奮戦しようとも消耗戦に持ち込み―― 必ず全員、消してやる。 ―――廊下 男たちは放送室へと向かっていた。 学校の外に脱出できない以上、『ゲームマスター』を捕えるしかないのだ。 走りながらも俺は考える―― 『ゲームマスター』の目的はなんだ? 明らかに普通の人間の仕業ではない。バルキリーさんや魔幼たちのレベルだ。 化け物で俺たちを殺す。 もしも自分が捕まったら化け物で殺した連中を生き返らせる。 とても意味のある行動とは…思えない。 ――今は考えていても仕方ないか。 俺はループする思考を一度止めて、前方に立ち塞がる化け物に集中することにした。 シュール「ここは私に任せてくれないか」 ……はあ? 俺たちの頭上に浮かんだ疑問符を無視し、シュールは化け物に接近していく。 プロセス「駄目ですシュールさん!武器もなしに…」 シュール「いいから任せろ。大丈夫。うん」 根拠の見えない自信に満ちたシュールめがけて、無造作に化け物の腕が襲いかかる! 男「危な――」 シュッ! シュール「貴様の攻撃はお見通しさ…」 なんとシュールは化け物の攻撃をかわして背後に回っていた。そして… シュール「ふふ…これぞ、『変わり身の術』!」 化け物が貫いたのは―― キン消し(悪魔将軍)だった。 男「いやそれ変わり身の意味ないだろ?!」 …しまった、思わず突っ込みを入れてしまった。 しかし化け物にはこの一連の流れの意味が分からないようで(俺にも分からんが)、 普通にシュールに振り返り突きを繰り出す。 紙一重でかわしたシュールは化け物に連撃を叩き込む――。 シュール「米米米米米米米米米米米米米米米米米米っ!!KOMEEEEEE!」 もはや俺たちにはついていけない世界に、シュールは達していたようだ…。 化け物「…ルルルゥ…」 どうみてもダメージは無いように見えるが、化け物の動きが止まる。 シュール「…お前はもう、死んでいる」 さらにシュールが決めゼリフを吐き、くるりと後ろを向くと… ボンっ!! 化け物が破裂した。 男「す…すげえ…!」 まさかシュールがこんなに強いとは…… 魔幼「シュールさん、大丈夫でしたかぁ?」 …違ったみたいだ。 ふう。小さなため息が自然にもれた。 ――少し前、食堂 渡辺さん「あ~、おいしかったね~♪」 佐藤さん「…ほっぺにクリームついてるわよ(舐めとろっかな…)」 魔少「さて――。どうする?これから」 パンとジュースを勝手にいただいた渡辺さん達は、やっと動き出そうとしていた。 魔幼「はいは―い、私にまかせるです!」 お腹いっぱいになってゴキゲンな魔幼が呪文を唱え始める。 魔幼「νθκ∫Υж…」 魔幼「…よし!わかったです、悪者のけはいをさっちしたですよぉ♪」 渡辺さん「すごぉい、魔幼ちゃん!」 渡辺さんが目をキラキラと輝かせ、佐藤さんは(占いでも覚えようかな…)と思った。 で、その『悪者のけはい』とやらを追って来てみれば―― シュールが化け物に襲われていた、と。 魔幼「シュールさん、危ないところだったですよぉ?」 シュール「…うん」 シュールはなんともいえない顔で頷いた。 一方、魔王幼女も不思議そうにしている。 ――察知したのはゲームマスターの気配だったはず。 なのにそこには化け物と男さんたちしかいなかった… 渡辺さん「ふ、ふええ~?!」 渡辺さんの悲鳴によって魔幼が我にかえった時には、周りを化け物の大群が囲んでいた。 ――さらに場面はかわり、放送室 ランダエタと荒鷹は一進一退の攻防を展開していた。 ランダエタ「シッ…!ハッ!」 ランダエタの拳を荒鷹は最小限の動きで避ける。 荒鷹「………」 ブン!シュッ! 荒鷹のナイフもかすりはするが致命傷は与えられていなかった。 ランダエタは闘いながらも説得を続ける。 ランダエタ「荒鷹さん!どうしたんだ、何が起きたんだ?!」 荒鷹は返事をせず、微笑みながらナイフを振り回す。 ズバッ…! ランダエタ「ぐあっ…」 ついに荒鷹のナイフが左脇腹を裂いた。 ボクシングでは決して有り得ない出血にも、ランダエタは怯まない。もう…負けないと誓ったから。 ランダエタ「……こい!」 死闘は、まだ終わらない。 ―――叩けや叩きやれ叩かずとても、無間地獄はひとつみち♪―――

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