「エクレアと時間の寓話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「エクレアと時間の寓話」(2006/08/17 (木) 15:28:58) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
-【カオスな】新ジャンル♪スクール【シュール】より
俺「東海道の五十三の宿場を通り……」
友「お前はどうかしたのか最近」
俺「……今日に至る」
友「…………」
俺「Love is over」
友「帰っていいっすか」
俺「エクレアを食われた」
友「ああ」
俺「三つも!」
友「妹か」
俺「うるさい黙れ!」
友「義兄さん」
俺「黙れ黙れ黙れ!お前にはこの苦しみは分からんだろう!?」
友「誰が食べたんだ」
俺「……分からん」
友「妹じゃないのか」
俺「見つけたら………八つ裂きにしてやる………ハラワタを切り裂いて………足の先から少しずつ………許さない………」
----
俺「時に聞くが」
友「ああ」
俺「今日は何日だ」
友「知らん」
俺「携帯見てみろ」
友「知らんな」
俺「ははあ………」
友「どうした幼女」
俺「……今は何年だ?」
友「……知らない」
俺「………とっくに賞味期限は切れた」
友「…………」
俺「見てみろ、夕日がきれいだ。いつまでもこうしていたい」
友「…………」
俺「夕日の次は夜で………月が出る………月は人を狂わせるんだと」
友「………帰っていいっすか」
俺「駄目だ」
----
俺「いつからここにいる?」
友「知らない」
俺「俺はこうして夕日を見つめている。夕日と俺の間に主体と客体の関係がある」
友「………それは嘘だな」
俺「そう、嘘。実際は夕日と俺は渾然一体としていて、主体と客体の関係は曖昧」
友「はいはい……」
俺「さてここで、強烈に自分を意識してみる。自分は、強烈な自己である事を感じる。心臓の鼓動が身体中に血液を送る。夕日を見てなくてもいい。本を読んでる時……テレビを見ている時……」
友「壊れたか」
俺「しかし、この強烈な自己が他人に共有された、情報の固まりであるとしたら?」
友「お前の言ってる話が久しぶりに訳わかんねーから流し聞きだけど、どうなるわけ」
俺「……俺は悲しくなる」
友「あっそ」
俺「胸が張り裂けそうになる」
友「はいはい」
----
俺「本当の自分が認めてもらえないのは誰でも悲しい。情報のみでしか物事を図れないのはとても辛い」
友「あっそ」
俺「どうするべきかな」
友「さあ。もう帰っていいっすか」
俺「今日は何日だ」
友「だから知らない」
俺「今は何年だ」
友「しつこい」
俺「何で知らないんだよ」
友「設定されてないからじゃね?もう帰るわバーイ」
----
俺「久しぶり」
妹友「久しぶりですお兄ちゃん」
俺「何年ぶりかな」
妹友「さあ」
俺「君の笑顔はまるで月のように美しい」
妹友「古典的で新鮮です」
俺「ちょっと肥えた?」
妹友「はい」
俺「なんで」
妹友「まさか」
俺「あれ?」
妹友「これはポーズですよ」
俺「ポーズ?」
妹友「はい」
俺「どこまで?」
妹友「全てが」
俺「あっそ」
妹友「ざ・わーるど・いず・めいど・ふろむ・はったり」
俺「そうかもね………」
----
俺「ポーズで出来た世界か」
妹友「そんなものですよ」
俺「暑い」
妹友「夏ですからね」
俺「あれ?今は夏なのか」
妹友「夏です。それは確実です」
俺「…………」
妹友「どうしました?」
俺「ここって何処だっけ」
妹友「学校ですよ」
俺「学校」
妹友「はい」
俺「学校もポーズかな」
妹友「きっとそうです」
俺「何しに来てたんだっけ」
妹友「さあ」
----
俺「俺何も分かんないんだけど」
妹友「そうなんですか」
俺「ボケが始まったのかな」
妹友「まだ若いのに……」
俺「俺って何才だっけ」
妹友「私の先輩でした」
俺「ああそう……」
妹友「夢を語らった青春の日々」
俺「ああ、あったねぇ」
妹友「本当に?」
俺「きっと」
妹友「今は?」
俺「多分………夢か現実か死んでるか」
妹友「この世は大体その三つですけどね」
俺「ねえ?俺死んだのかな」
妹友「かもしれませんね」
俺「俺確か童貞だった記憶があるんだけど」
妹友「残念でしたね」
俺「やらして」
妹友「屋外はダメです」
俺「残念」
----
妹友「と言うか目的があるんですよきっと」
俺「目的」
妹友「あなたは御仏の力を信じますか」
俺「時々……」
妹友「生まれたことは意味があるんです」
俺「全ての事に意味が………」
妹友「何か目的があるんですよ」
俺「ああ」
妹友「どうしましたお兄ちゃん」
俺「気づいた」
妹友「はい」
俺「ここは、思い出の学校だ」
妹友「正解!」
俺「現実じゃなくて夢じゃなくて死後の世界でも無いんだ」
妹友「大正解ですよお兄ちゃん」
俺「冴えてるでしょ俺」
妹友「触れると切れそうです」
俺「かっこいい?」
妹友「超かっこいいです」
俺「キスして」
妹友「外はダメです」
----
俺「何か分かってきたっぽい」
妹友「その調子です」
俺「いける……これはいける」
妹友「………」
俺「………駄目だ」
妹友「駄目でしたか」
俺「駄目と言うか」
妹友「と言うか」
俺「やり残した事が多すぎるんだな、後悔のしっぱなしだわ」
妹友「人間そんなもんですよ死ぬ時は」
俺「そうかなあ」
妹友「たぶん」
俺「断定しないんだ」
妹友「死んだこと無いですから」
俺「そりゃあね……つうか」
妹友「………」
俺「別にここに居てもいいかな」
妹友「………」
俺「可愛い女の子もいるし。夕日に照らされた学校の屋上で二人っきり。おっきしちゃう」
妹友「夢は醒めるものですよ」
俺「だから覚えておきましょうよ」
妹友「はい」
俺「ねえ」
妹友「はい」
俺「抱き締めるだけ………」
妹友「公衆の面前です」
俺「誰もいないんすけど………」
妹友「お天道様は見てます」
俺「……そうですか」
----
妹友「…………」
俺「全ての事に意味がある、って言ったよね」
妹友「はい」
俺「全てが強烈に存在している」
妹友「はい」
俺「でもさ」
妹友「はい」
俺「あれ?でもさっき『世界の全てはポーズ』って言ってなかったっけ」
妹友「言いましたよ」
俺「それってホコタテしない?」
妹友「突っ込みませんよ」
俺「急に厳しくなるからなあ………」
妹友「考えて下さい」
俺「うーん」
妹友「全てが明示されてるわけじゃありませんよ」
俺「うーんうーん」
妹友「事実を乗り越えた所に真実はあります」
----
俺「………あ」
妹友「分かりましたか」
俺「あの……スゲーしょうもない答えなんだけど……思い付いちゃったんで……」
妹友「構いません」
俺「うーん………色即是空?」
妹友「はい」
俺「つまり………存在するはずなのにない状態………0」
妹友「はい」
俺「……………………………………………………エクレア」
妹友「はい」
俺「君がエクレアを食べたんだね」
妹友「その通りです」
----
俺「夕日が沈んでゆく」
妹友「嫌ですよね」
俺「嫌だ」
妹友「ありがちですよね」
俺「ありがちだね」
妹友「お兄ちゃん」
俺「何?」
妹友「死んだ方がいいですよ」
俺「そう」
妹友「見てると憎たらしいです」
俺「俺もだよ」
妹友「ていうか殺します」
俺「俺も」
妹友「月の光は人を狂わせます」
俺「みたいだね」
妹友「お兄ちゃんの血が見たい」
俺「潰したいか」
妹友「とても」
俺「こっちも凄くリョージョクしたい感じ」
妹友「構いませんよ」
俺「エクレアを食われたからには、殺らなきゃ」
妹友「受けてたちます」
俺「ハラワタを切り裂いて、足の先から少しずつ切り取ってやる」
----
俺「……………月の光」
妹友「お兄ちゃん」
俺「………」
妹友「いーらない」
ザクッ
俺「…………」
妹友「お兄ちゃん」
俺「…………」
妹友「お兄ちゃん」
俺「…………」
妹友「お兄ちゃん」
俺「…………」
妹友「お兄ちゃん」
俺「…………」
妹友「お兄ちゃん」
----
俺「…………」
妹「起きろ」
俺「………起きてる」
妹「顔色悪いぞ」
俺「よく言われる」
妹「起こした代出せよ」
俺「…………」
妹「エクレア」
俺「無い」
妹「は?」
俺「食われた」
妹「冷蔵庫にあったのは何だよ」
俺「………………」
妹「あれもらうぞ」
俺「おい」
妹「何」
俺「今は何年だ」
妹「………分からない」
----
俺「おはよう」
友「今は何年だ」
俺「…………………」
----
俺「…………」
妹友「こんにちは」
俺「…………こんにちは」
妹友「元気無いですね」
俺「…………今は何年だっけ?」
妹友「ここは1575年の長篠です」
俺「…………」
----
妹友「どうしました?」
俺「なんか変な世界に滑り込んだみたいでさ」
妹友「あらあら」
俺「どうしたらいいと思う?」
妹友「知るか」
俺「…………」
妹友「貴様で答えを探せ」
俺「…………」
妹友「甘えるな」
----
俺「甘えるな」
妹友「そうだ」
俺「眠い」
妹友「黙れ」
俺「………許してあげる」
妹友「…………」
俺「ぞんざいに扱った事も、俺を殺した事も、俺の身勝手に対する反抗も」
妹友「…………」
俺「暖かい愛で包んであげる」
妹友「…………」
----
俺「正直後ろめたい」
妹友「…………」
俺「俺死んだのかな」
妹友「…………」
俺「タルトおごるよ」
妹友「…………」
----
俺「……………」
友「何ぼーっとしてるんだ幼女よ」
俺「……………」
友「キスするぞ」
俺「いや、ちょっと妄想してただけ」
友「何の」
俺「いや、死んでたかも」
友「それは大変だな」
俺「いや、夕日が綺麗だなあって思ってただけだよ」
友「たったそれだけで済むはずがないな」
俺「詳しく聞きたいか」
友「遠慮しとくよ」
俺「……今日は何日だっけ」
友「8月6日」
俺「日付が分かるっていい事だよな」
友「いつまでも寝てないで、早く行くぞ」
俺「だるい」
友「いいから」
俺「ああ……夕日が」
友「あれは朝日だ」
俺「あんな学校行きたくないよ……」
終わり
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: