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【マイケル】俺とシュール【洋館】」(2006/09/07 (木) 09:17:48) の最新版変更点

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side 俺 背後から迫る気配を振り切って、俺とシューは光源に辿り着いた。 そこに待ち構えていたのは古びた洋館だった。 門や壁は蔦で覆われて不気味な雰囲気を醸し出している。 シュー「羊羹ね」 俺「洋館だ」 だがあまり悠長に観察している暇は無かった。 俺「鬼が出るか蛇が出るか。ともかく行こう」 シュー「米」 それは返事なのか? 僅かに開いている門の隙間から、身を滑らせて進入。 重く古臭い匂いと雰囲気が庭を支配している。 荒れ放題の庭。 中央には涸れ果てた噴水があった。 シュー「……」 俺「どうした?」 シュー「なんでもないわ」 ならいいけど。 ともかくこんな場所でもたもたしていられない。 館の中に入ってしまえば隠れる場所もあるだろうし、狭い通路などを利用して各個撃破できるだろう。 走って扉まで近づくと、ぎぎぎぎぎと錆びた蝶番の音を高く響かせて勝手に扉が開いた。 ……怪しい。 カモンベイベー!と誘われている気配がぷんぷんする。 シュー「ゲロ以下の臭いってやつだぁ!」 全く持ってその通りだが、虎穴に入らずんば虎子を得ず。 俺「先に行け」 シュー「此処は俺に任せろ?」 俺「レディーファーストを前面に押し出した罠調べ」 シュー「望むところだ!」 本当に望んでいたのか、シューは迷う事無く開いた扉から館に入った。 まあ、俺もすぐに飛び込んだが。 俺が飛び込むと同時に、大きな音を立てて扉が閉まった。 その直後に、がいん!と扉に激突する音がした。 どうやらあの化物でも、この鉄の扉を突き破る事が出来ないらしい。 だが油断は出来ない。 何処かの窓ガラスでも突き破って侵入してくるかもしれない。 俺「まずは状況の整理、だな」 シュー「おなかすいた」 日和の真似か? 俺達は、理由は全く判らないが、気が付けば無人の電車で変な場所を走っていた。 そして辺りが暗くなって、電車が化物に襲われた。 電車から逃げ、走ってこの不気味な洋館に辿り着いた。 ……なんか作為を感じるな。 …………ばたん。 シュー「音がしたわね」 俺「扉が閉まる音だったな」 誰か居る。 もしくはナニかが居る。 シュー「よくゲームだと、こういう時単独行動を取るわよね」 俺「……セオリーに従う?」 シュー「まさか」 同意見だ。 扉が閉まる音が聞こえてきたのは、玄関ホールの左手の扉の奥から。 なるべく音を立てないように歩き、扉に手を掛ける。 俺「……」 シュー「……」 俺「……さっきから何してやがる」 シュー「迷子にならないようにお米を」 そのネタはもういい。 扉を開く。 扉の奥は食堂になっていた。 古い作りのテーブルや椅子が並んでいる。 上手いのかどうか判らない絵画や、高価そうな置物。 大きな時計がかちこちと時を刻んでいる。 天井を見ると、二階部分まで吹き抜けになっている。 シュー「ここまで洋館チックだと、出るものが出るわね」 俺「ゾンビか」 俺とシューは視線を合わせて、一度頷く。 ゾンビなんざ、あの学校にもいたわ。別に出ても怖くねぇ。 よく死体も落っこちてたしな。 ……それってどうよ? シュー「ちょー危険」 シューの言葉を聞きながら、俺は食堂奥の扉に手を掛け、開ける。 番が軋む僅かな音。 隙間から辺りの気配を探っていると……。 …………ばたん。 また、扉が閉まる音。 俺「……誘われてるのか?」 シュー「かもんべいべー」 行くしかないのかもしれない。 手掛かりが、あまりにも少なすぎるから。 果たして俺達は何処に迷い込んでしまったのだろうか……。

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