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火星人エビ探偵甘噛シオン」(2006/10/21 (土) 13:47:55) の最新版変更点

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友「ちくしょー! 中間テスト、見事に数学で赤点をとってしまったッ 嗚呼ッくやしいッ!」 ?「なぜ悲しみに暮れる? 留年すれば学園に留まり、就職しなくともいいのだぞ?」 友「そんなのはいやだ! ・・・・・・っていうか、誰だ!?」 火星人「わたしか? わたしは火星人甘噛シオン。単刀直入に言おうか。エビが欲しい」 友「要は物貰いっすか。帰ってくれ。俺は猛勉強に打ち込むところなんだ」 火星人「勉強? お、そうだ。頭の活動を促進させる薬があるが・・・どうだ?」 友「すごく・・・欲しいです」 火星人「エビと交換だ」 友「お安い御用よ」 火星人「うむ、確かにエビは受け取った。で、これが例の薬だ」 友「おぉ、いい香りだ。まるでコンソメスープのようだぜ。味もしっかりとしている」 火星人「・・・コンソメスープだが?」 友「は?」             (   ドーピングコンソメスープ   ) 火星人「正式名称、脳内麻薬物質増幅作用コンソメスープ。頭の活動が促進されると言ったが・・・すまない、あれはウソだった」 友「フゥ~フゥ~クワッ」 っと、その瞬間! コンソメスープで自我を失った友の拳が襲い掛かる! ゴシカァン! 友「どうだぁ・・・俺の復讐の味はぁ・・・」 火星人「ふむ、配合を間違えたか。まぁいい、次の試作が完成させ、またこいつで試せば・・・」 友「げ・・・・・・・外道がァーッ!!」 火星人「ふん、人以下に成り下がった獣がわたしに喧嘩を売るというのか」 丸太のような太さの腕から高速でパンチが繰り出される。 が、友が本気で殴った床に、彼女はいない。かわりに友の背後に彼女はいた。 火星人「魚偏にブルーと書いて?」 友「鯖ー!! ハッ!?」 刹那、友の体が吹っ飛ぶ。火星人のギターに頭部を思いっきり殴られたためだ。 ガイイイイイィィンというけたたましい音が、少々遅れるように轟く。 火星人「残念だ。魚へんにブルーは字は俗字である」 友「フッ・・・波紋入りの薔薇は痛かろ・・・う・・・」 火星人「DCS(ドーピングコンソメスープ)の副作用、幻覚を見ているのか。これは改良が必要だな」 火星人は冷蔵庫の中のエビをかっぱらい、ついでに生卵に針で穴を開けてから、帰っていった。 「また来るから伊勢海老を用意しておけ」というメモを残して。 友「今日も元気に勉強勉強ー」 男「機嫌いいな。何かあった?」 友「いやねぇ、昨日以来頭が冴えてしょうがないのッ! ああ。世界は俺を中心に公転しているッ」 男「・・・ドラッグに手を出したんじゃないだろうな」 友「さて、昼飯だ。誰と食べようか、と・・・」 ガララッ 火星人「ここにいたか。ちょっとこっちに来い」 友「げえっ! なんでお前が学校に!?」 火星人「わたしがここの生徒でもあるからだ」 友「なんたるちゃー」 火星人「屋上からエビの匂いがするのだ」 友「どうするんだ?」 火星人「快く譲ってもらう」 友「だったらお前1人でやれよ」 火星人「わたしが出て行って、半殺しにでもして奪うのはたやすい。が、わたしはこの学校では普通に暮らしたい。     そこで、お前が乞食のようにねだって来い」 友「は!? お前の思い通りになんかなるか―――」 瞬間、火星人のハイキックが友の横顔を蹴り飛ばす。体勢が崩れたところを狙い、ダメ押しの右ストレートを、 友の腹にお見舞いした。 友「ぬふぅ!」 火星人「さぁ、屋上には3人ほどいるが、全員エビ類のオカズを入れているようだ。せめて1つずつぐらい貰って来い」 友は思った。「ああ、逆らったら死ぬ。でも殴られるのも悔しいけど感じちゃうッ」、と。 友「あの・・・ですね。すいませんッ! そのエビを哀れなわたくしめにお恵みくださいッ」 優「お弁当忘れたのー? 半分分けてあげるよー」 友「あああありがとう! おっ、銀もくれるのか!?」 銀「・・・可哀想なだけ」 友「こんなに上手くいくとはおもわなんだ。さて、あいつに・・・」 帰ろうと思った矢先、ガガガガ、と何かが断続的に発射される音がする。銃声だ。それに続いて、壁が破壊されるような轟音。 友「な、何やってんだ火星人!?」 火星人「わたしに対して発砲してきた命知らずがいた。一発でしとめようと思ったが逃げられたようだな。     ところで、“火星人”と呼ぶのは種族名のため、よろしくないな」 友「じゃあ、なんて呼べばいいんだ?」 火星人「某魔人探偵も名前で呼ばれているだろう」 友「ん、じゃあシオン、でいいのか」 火星人「うむ」 この時の俺は忘れていた。せっかく恵んでもらったエビをその場で食してしまったことを。 この後、原型がなくなるまで殴られたのは言うまでも無い。 友「なぁ、見せよがしに伊勢海老をオカズにエビピラフ喰うのやめてくれよ」 火星人「悪いか? 広島では牡蠣をおかずに牡蠣を、大阪ではたこ焼きをおかずにお好み焼きを食べると・・・」 友「ねーよ! 何なんだよその特産品と特産品な組み合わせは!」 ついさっきこの家に来てから、ずっとこの調子だ。帰れといっても帰らないし、勉強さえも教えてくれない。 友「あ、そういえばお前別の場所に住んでるんじゃないのか?」 火星人「住んでいるが、そこの同居人に“ぐうたらせずに働け糞ニート”と言われたのでここにいる」 友「理解不能です」 火星人「つまり、働いてるという名目の上で、食べ歩きを楽しんでいるのだ」 友「ニートに就ける仕事が無いというのはまさにこれだ」 あくまで我が道を突き進む火星人。そんな火星人の言いようになっている友。 そういえばなぜ肩書きが「探偵」となっているのか。それだけは謎である。 火星人「今から友人の所へ赴き、情報を買いに行く。付いて来い」 友「友達っすか」 ああ、こんな破人格者でも友達は出来るんだ、と友は本心から思った。 火星人「ここだな」 友「薄暗い駐車場・・・。情報売買にはおあつらえ向きだな」 火星人「あー、確かこのテレビからだったか・・・」 火星人は、不法投棄のように捨てられていたテレビを両手で抱え、こちらへ持ってきた。 友「このテレビが一体?」 火星人「気になるなら見ていろ。・・・出てくるぞ」 そういわれたので友は2つの目をパチクリさせ、点きもしないはずのテレビに視線をやった。 するとあろうことか、プチ、とテレビが点く様な音がどこかでした。電源からの電気供給など無いはずだ。 友「うおっ!? ひ、人か!」 そう、人だ。人と思われる手が湖面から手を出すように、そしてそこから這い出るように。 ・・・その人は途中でつまったのか、手をばたばたさせ、救助を求めるしぐさを見せる。そこは流石友人、といったところか。 火星人が触手で力任せに引っ張っていた。 ?「きゃ~! 切れる、切れるー」 と、確かにテレビから出ようとしている人が喋った。声が高く、なおかつか細い声だ。無論、女性であろう。 次の瞬間にはブチリ、ともバキッ、とも似つかない音がした。友が何事か、と確認すると、テレビの前には女性の上半身。 テレビの画面からはその人のものだと思われる腰が、ちょっぴりだけ覗かせていた。 ?「あー、やっと抜け出せましたー。わたしとしては、もうちょっと優しくしてほしいです」 火星人「ああ、悪かったな。紹介しよう。わたしの友人で、星籍は金星」 友「いや、それより腰が分断された件について」 金星人「腰だけ機械になってて、脱着可能なんですね」 友「嗚呼もういやだ。普通の人間と接したい」 金星人「あ、情報の話なんですけど」 火星人「そうだったな。で、どうだ?」 金星人「この近くでエビの大量密輸がされるそうです」 友「なんでエビの大量密輸なんかを」 火星人「関税がかからないからだろう」 友「そうですか」 友は心底呆れた、といった感じだ。が、数秒後にはそれが恐怖の表情に塗り固められるのだが。 招かざる客の手によって。 ㍉子「動くな。両手を頭の上に置け」 友「え? ・・・㍉子じゃないか。どーしt」 ㍉子は、何も言わずただ友の後頭部に銃口を擦り付ける。おかげで友は黙りこくってしまった。 ㍉子「お前達のような変態どもに、わたし達の計画をつぶされるわけには行かない。    ・・・ここで消えてもらう」 ㍉子は友の後頭部に定めていた銃口を素早く金星人の後頭部に定めなおす。 パァン、と乾いた銃声。そして間髪をいれず、金星人の体が前のめりに倒れた。 いくら異星人でも流石に死は免れられないだろう。 金星人「あ~・・・見事に脳に風穴開けられちゃいましたねぇ」 ㍉子「な・・・何故死なない・・・?」 金星人「坊やだからです」 再び、コピーして張り付けたような銃声。「おうっ」という声とともに、再び金星人の脳天に穴が開く。 金星人「これで2つめですぅー。うふふっふふ・・・」 ㍉子「くそっ! こいつも化け物か・・・!!」 友「ああ、なるほど。“ボケキャラ=不死身”ということだな」 友がそんなことを言い出し、ケタケタ笑い出す異星人2人。そんな光景を目の当たりにした㍉子は、正気の沙汰とは 思えない行動に出る。 友「ちょ、㍉子・・・駐車場で銃撃戦をおっぱじめる気か!?」 ㍉子「黙れ! 危険因子は取り除く! 死にたくなかったら引っ込んでいろ!」 そう叫んでから、手に持っていた機関銃を異星人2人組みに照準を定める。そして、発砲。 先ほどの単発の銃声が、今度は連続して吐き出される。 金星人「いたっ! いたたたたっ!!」 哀れ、反撃に出遅れた金星人は体全体に弾丸を食らっている。しかし傍から見れば銃で撃たれている反応とは思えない。 一方㍉子の背後に回りこんだ火星人は、後頭部を狙い、小さな拳を振り下ろした。 ゴキャッ、と頭蓋骨が砕けたんでは無いかと思わせる位の音がした。 火星人「安心しろ、峰打ちではない」 友「矛盾してるぞ!」 火星人「なに、かえって免疫がつく」 友「だからつかないって」 金星人「脈拍はあるから大丈夫ですよ。かなり微弱ですけどね!」 同時刻、密輸現場 F「・・・ぬ、軍事マニアがやられた」 男「マズイな・・・。やつら、まもなくここを嗅ぎ付けるぞ」 俺「用心棒として雇った㍉子がやられたんだ。俺らで太刀打ちできるのか?」 男「できなくてもするんだよ。このエビを定職屋の親父に届けて・・・」 F「ふむ、エビというのは生でもいけるものだな」 男「そぉい!」 俺「ていうか、俺ら密輸じゃなくて漁師さんに格安で売ってもらったのを運んでるだけなのにな」 男「だよな。なんであいつらは勝手に密輸と勘違いしているのか・・・」 火星人「では、密輸現場に向かうとしよう」 友「ていうかこの駐車場の上だったのか」 金星人「半額サービス今ならお得、といったところですね」 友「わけわからん」 3人は入ってきた道順を反対にたどり、駐車場の上へ出る。運命のいたずらか、3人の目の前には大量のエビを運んでいる 人間3人。 男「あ」 俺「なんという不運」 友「おまえらが主犯だったのか」 男「あ、てめー裏切ったな!」 友「俺だって好きでこっちにいるわけじゃないぞ」 俺「ならこっちサイドに戻ってこーい!」 友「悪い、そっち行ったら俺の命ないと思う」 火星人がポン、と友の方に手を乗せる。そこから殺気がウイルスのように侵入してくるような感覚を覚える。 火星人「では、密輸されるエビをこっちに渡してもらおう。そしてお前はこれを食べろ」 友「怪しいキノコだな・・・。これってベニテングダ・・・アッー!!」 友の抵抗もむなしく、火星人により卑猥なそれを口にねじりこまれる。すると・・・ 友「ベニテングダケうめええぇぇえぇー!!! アヒャキャへヒへキャホヒヒェヒェヒヒ!!」 男「え? ちょ・・・こっちに来るなァァァ」 ベニテングダケの麻薬効果により頭がパ~になった友は暴れだす。その最初の被害者、男は腹2発の拳を受け、 駄目押しにアッパーカットを食らい、失神した。 友「フゥ~フゥ~クワッ どうだぁ毒キノコの効力はぁ・・・」 俺「まずい、あの眼は人を殺す眼だ!」 F「流石にこれは手の打ちようが無い。が、人質をとれば形勢は逆転するッ! この概念!」 Fはそこら辺で腰を外して遊んでいた金星人の背後へ回りこみ、慣れた手つきで羽交い絞めにする。 F「ふははははは!!! ちっとでも動いたらこの女性の顔に原液カルピスを・・・・・・おぉ?」 なんと、金星人の腰が外れていたために、羽交い絞めをされた途端にバランスが崩れてしまった。 Fもそんなことが起きるのは想定の範囲外だったのか、バランスを保てずに後ろに倒れてしまう。 落ち行く過程で、何が起きたのか。仰向けで倒れるFの上に、金星人はうつぶせの状態になる。 そして彼の淫槍の硬化が始まる。 F「こっここここれが全て遠き理想郷か・・・! 我が一片に一生の悔いなし!!」 俺「なんという倒置法・・・。聞いただけで大して強調されて無いとわかってしまった。これは間違いなく死亡フラグ」 友「アアナマアリガトウウゥゥオオァァアアィヒヒヒ!!」 右手を掲げ、恍惚の表情を浮かべるF。その顔面にベニテングパワーを手に入れた友が渾身の一撃を振るった。 が、わずかに狙いが外れた拳はFの耳をかすり、地に叩きつけられた。吃驚したのだろう、Fは気絶した。 俺「く、狂ってる・・・!」 友「ベニテングダうっ・・・」 火星人「・・・臨界点突破か。せいぜいこのキノコではこれ程度の力しか引き出せないな」 友の頬をつねったりひっぱたいたりする火星人。その表情はどこか楽しそうだ。 が、そんなひと時はすぐに終わる。 マイケル「後ろがガラ空きデース!」 火星人「誰の後ろがガラ空きだって?」 マイケル「オゥ、後ろをとられていたのはわたしデーシタ・・・」 瞬間、ゴシャッ、と中身の無い頭を殴りつける音がする。が、マイケルは倒れない。 俺「いいところに来てくれた! そこで時間を稼いでおいてくれ! じゃあな!!」 マイケル「ちょ、ひどいデース」 火星人「ユウコ(金星人)、あいつを追え。わたしはコイツを粉微塵になるまで殺す」 金星人「把握です」 俺「うおああああ!! 追いつかれてたまるかぁ!!   って、遅っ!」 金星人「ちょ・・・腰が外れちゃいますー」」 金星人の宣言どおり、腰がガチャ、という音とともにはずれ、上半身が下半身の前方へ落ちていく。 そして落ちた上半身の上を、金星人の下半身が踏み進もうとするが、やはり眼が無いから上手く走れないのか。 転がっている上半身に足を引っ掛け、これまた前のめりに倒れた。 金星人「うー・・・動けないです・・・」 困っている人を見捨てられない正確なのか、俺はカオスな状態で倒れている金星人のもとへ駆け寄っていく。 俺「・・・大丈夫k」 金星人「捕まえました」 俺「なっ、なにィィィィィィッ!!!」 金星人「さて、シオンちゃんとこに戻r・・・あれ?」 俺「えーと、その状態では自分で動くこともままならいんじゃ・・・」 金星人「盲点でした」 俺「・・・なんだ・・・・・・エクレアでも食べる?」 金星人「あ、ありがとうございます」 マイケル「HAHAHAHA! ガードが遅れてマース!」 火星人「口を聞いてて勝てると思ってるのか!?」 火星人の振り下ろしたギターがマイケルの頭部を砕く。が、まったくと言っていいほど手ごたえが感じられない。 火星人「ちっ、再生が早すぎる・・・」 マイケル「愚痴ってて勝てると思ってるんデスカー? アメリカ本場のメリケンサックを食らえデース」 マイケルの放った右ストレートが火星人のみぞおちにクリーンヒットする。ブチブチと肉が裂ける音がし、 ワイヤーアクションの如く宙に放り出された。火星人が飛んでいく先にはとある喫茶店。 俺「エクレアとお茶って正直合わないなぁ」 金星人「そーですねぇ」 俺「本来の目的忘れてる気がするけど。まぁいいか」 金星人「あの、立ち話でもなんですし、喫茶店に入りません?」 俺「あ、そうしよう。いい喫茶店知ってるんだ。エクレールって言うんだけど」 金星人「・・・それってここじゃないですか?」 俺「うお、本当だ」 俺がドアノブに手をかけようとした時だった。空から飛来したそれは、喫茶店の屋根に突っ込み、店内を散らかしてゆく。 金星人「あー、隕石かと思ったらシオンちゃんですか」 火星人「・・・あのアメリカ人は危険すぎる。地球人の域を通り越しているぞ」 俺「不死身だし」 火星人「ユウコ、地球破壊爆弾があっただろう。出してくれ」 金星人「わたしはD○RAEM○Nですか。ていうか勝手に地球壊しちゃいけませんよ」 火星人「そうか」 金星人が火星人の傷を、ふざけてガムテープで止血しようとし、殴られる。 そんな最中、ついに獣が覚醒する。 看板娘「・・・・・・」 『』=看板文字 カツカツ、と足音がする。その足音の主は手に看板を持ち、火星人一同を凝視している。 どうみても敵視しています。ありがとうございました。 金星人「あ、アイスコーヒーお願いします」 俺「じゃあ俺はエクレア」 火星人「シュリンプアイス」 敵視していることを知った上で注文をしているのかは定かではない。 が、看板娘のいかりのボルテージがあがっていくのは確かである。 看板娘『自分が何をしたかわかります?』 俺「注文しただけだよな」 火星人「他にわたし達が何をしたというんだ」 看板娘『ヒント:屋根』 火星人「そういえば何か落ちてきたような穴があるな。店のデザインか?」 看板娘「・・・・・・」カキカキ 火星人「“あなたが壊したんです”、だと? ああ、そういやそうだった気がする。     が、原因はわたしではない。不死身のアメリカ人だ」 看板娘『言い訳ですか? 訴えますよ』 火星人『異星人は治外法権だ』 俺「なんで火星人まで筆談するんだよ。つーか言い訳が最低だな」 金星人「なんででしょーねー」 数分後 看板娘「・・・!!」ガリッガリッ 火星人「!・・・・・・」ガリガリガリッ 友「筆談であそこまで熱くなれるもんなんだな」 俺「おぉ、生きていたのか」 友「ああ。記憶があやふやだけどな」 ・・・さらに数十分後 看板娘『シュリンプアイス? 随分と物好きなんですね』 火星人『シュリンプアイス、エビフライのトッピングはおすすめする』 看板娘『一般受けしないメニューですね』 友「さりげなく仲良くなってやがる」 看板娘『ありがとうございました』 俺「また来るからなー」 友「あれ、屋根の問題についてはどうなった?」 火星人「修理費を払って謝罪しておいた」 友「ふーん。金あったんだな」 火星人「お前の財布から多少拝借した」 友「まさに外道」 俺「おい、なんかあそこで職務質問されている人がいるぞ」 友「本当だ。警察官で隠れて、質問されてる人は見えないな」 警官「なんで上半身裸なんですか?」 マイケル「破けたんデスヨ」 警官2「じゃあこのメリケンサックは何ですか? 血が付いてますよ。喧嘩ですか」 マイケル「ちょっとした事情があるんデース・・・」 警官「事情が有るにせよ無いにせよ、喧嘩ですね。ちょっと交番で詳しく話を聞かせてもらいましょう」 マイケル「Noooooo!」 俺「あ、俺の家こっちだから。じゃーな、ご両人」 友「え、お前の帰り道はもうちょっと向こう・・・・・・行ってしまわれた」 火星人「これで2人きりになったわけだが」 友「それがどうしたよ。何かたくらんでるんじゃなかろうな」 火星人「特にそういったモノはないが・・・。ああ、いいことを思いついた」 何を思いついたんだろう、火星人は友の髪の毛をわしづかみにし、自分の顔へ無理やり持っていく。 ズギュウウゥゥン。 金星人「や やったッ!」 この状況を傍から見れば本当にキスしているように見えるのだろう。髪を掴んでいる手を気にしなければ。 ・・・友には十分ぐらい時が経ったように感じられたが、実際10秒程度で2人の唇は離れた。 火星人「今、お前は無理やりキスをした。故に、ここに責任問題が発生する」 友「ちょ、俺は被害者なんだが」 火星人「ふむ、お前は口答えはあまりしない畑の住人だと思っていたが・・・。わかってくれるな?」 ポン、と血が通っているのかわからないほど冷たい手が友の肩に乗せられる。そこから憎悪が流れ込んでくるようだった。 友(・・・デジャヴ・・・) 結局、シュリンプアイスを奢らされてしまった俺は、よろよろと家にたどり着いた。 シュリンプアイスは意外と高価なものだった、が、あの唇の感触はまんざらでもなかったのでお相子としよう。 友「さて、勉強でもするか・・・」 俺が勉強机ついたとき、とある紙切れが目に付いた。 そこには几帳面な字で、“飽きた”と書いてあった。恐らく火星人の伝言であると思われる。 友「なんだよ・・・冷蔵庫のエビ、無駄になっちまったよ」 次の日から、一度コースの無いところを通り、またコースに戻っていくピタゴラ装置のビーダマのように、 俺の毎日はいつもの日常へと回帰した。

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