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素直クール短編」(2006/10/30 (月) 20:40:28) の最新版変更点

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───私は、幸せなのだろうか? ふと、頭によぎる疑問 誰しもが感じる疑問 私、幸せなのだろうか 本当に、幸せなのだろうか たくさんの友達に囲まれて 愛している人の傍に寄り添っていられる そうだ、幸せなのだろう きっと、幸せなのだろう ───じゃあ、今私が感じている不安は何? 私は、幸せなのだろう 暖かなもので囲まれているから でも、なぜだろう 胸の奥に差し込む、わずかな影は ああ、そうか   私は、脇役なのだ   決して、主役にはなれはしないのだ 頬を伝う、涙 なぜ? そんなことはわかっている 悲しいからだ イヤだ、イヤだイヤだイヤだ 私は、これからもずっと、男の傍にいるだろう でも、男が私を見てくれることはあるのだろうか 寂しい 暖かなものに囲まれているのに 愛する人と共にいられるのに 友達がたくさん笑っているのに 私は、幸せなのに それでも、寂しいのは、なんで? 皆は、皆、頑張っている 男の気を引くため、そして笑っていられるため じゃあ、私は? 私はただ傍にいるだけ 私はただ愛をささやくだけ 私は、ほかに何もできない 空っぽだ、空っぽな、ただの入れ物だ 物語をいろどる無数の脇役に、過ぎないんだ ヤダ 誰か、私を見て 私は、本当は寂しいの 壊れてしまう 私の 心が 「……ー」 誰? 「ク……ろ」 私を呼ぶのは、誰? 「クー、起きろ」 ───おとこ? 夕日に染まる教室、私は寝ていたらしい 枕にしていた腕が少ししびれる 「放課後だぞ?」 男が私を覗き込む 周りを見渡すと、誰もいない ただ、男と私 「クー?」 「……んで?」 「は?」 「なんで、私を待っていたんだ?」 男は首をかしげる まるで私が変なことを言ったかのように 「私は脇役だ」 私の口から言葉があふれる 押しとどめていた感情が、言葉という形を成す 「私なんて置いて先に帰ってしまってもよかったのに」 それは、あふれて、あふれて、止まらない もういやだ、私は結局、わがままなだけなんだ 言葉と共に、あふれ出る涙 昔から感情を表に出さないと言われていた、私の、涙 「私にとって、男は大切なピースだ   だけど私は男にとっての大切なピースじゃないだろう」 いやだ、私はなんで、こんなことを         「そんなわけないだろ」 男は急に口を開く 「そうなんだ!」 言葉がつまる 言いたいことが多すぎて、つまってしまった 「クー……」 「聞きたくない!聞きたくない!」 目を瞑る 耳をふさぐ 世界を、拒絶する 「私は!私は!」 私を暖かな腕が包む 「ぁ……」 男が私を抱きしめていた 突然のことに、思考が停止する 「確かに、お前は脇役なのかもしれない」 「……」 「だけど、誰だってそうだろう」 「…………」 「だから、あがくんだ」 「………………」 「笑うんだ」 「……………………」 男は私を抱く手を離した 「寂しいのは、当たり前だ、皆そうなんだから」 私の目を見据える男 「だから、一緒にいるんだろ?」 それは、とても透き通っていて 「俺にとっては、誰しもが大切なピースだ」 そして、とてもまっすぐな瞳だった 「……うん」 そうだ そうなんだ それは当たり前の感情 誰しもが不安と対峙している それはとてもありふれていて でも、大切な感情 「さあ、帰るか」 「……」コクッ 不安でもいいじゃないか 苦しくてもいいじゃないか そうだ、いいじゃないか だって、だって        ………私は、幸せなのだから          「男」          「………なんだ?」          「愛してるぞ」          「ばーか」          「……」          「やっぱお前」          「え?」          「笑顔のが似合うぞ」 -end of little fantazy-
───私は、幸せなのだろうか? ふと、頭によぎる疑問 誰しもが感じる疑問 私、幸せなのだろうか 本当に、幸せなのだろうか たくさんの友達に囲まれて 愛している人の傍に寄り添っていられる そうだ、幸せなのだろう きっと、幸せなのだろう ───じゃあ、今私が感じている不安は何? 私は、幸せなのだろう 暖かなもので囲まれているから でも、なぜだろう 胸の奥に差し込む、わずかな影は ああ、そうか   私は、脇役なのだ   決して、主役にはなれはしないのだ 頬を伝う、涙 なぜ? そんなことはわかっている 悲しいからだ イヤだ、イヤだイヤだイヤだ 私は、これからもずっと、男の傍にいるだろう でも、男が私を見てくれることはあるのだろうか 寂しい 暖かなものに囲まれているのに 愛する人と共にいられるのに 友達がたくさん笑っているのに 私は、幸せなのに それでも、寂しいのは、なんで? 皆は、皆、頑張っている 男の気を引くため、そして笑っていられるため じゃあ、私は? 私はただ傍にいるだけ 私はただ愛をささやくだけ 私は、ほかに何もできない 空っぽだ、空っぽな、ただの入れ物だ 物語をいろどる無数の脇役に、過ぎないんだ ヤダ 誰か、私を見て 私は、本当は寂しいの 壊れてしまう 私の 心が 「……ー」 誰? 「ク……ろ」 私を呼ぶのは、誰? 「クー、起きろ」 ───おとこ? 夕日に染まる教室、私は寝ていたらしい 枕にしていた腕が少ししびれる 「放課後だぞ?」 男が私を覗き込む 周りを見渡すと、誰もいない ただ、男と私 「クー?」 「……んで?」 「は?」 「なんで、私を待っていたんだ?」 男は首をかしげる まるで私が変なことを言ったかのように 「私は脇役だ」 私の口から言葉があふれる 押しとどめていた感情が、言葉という形を成す 「私なんて置いて先に帰ってしまってもよかったのに」 それは、あふれて、あふれて、止まらない もういやだ、私は結局、わがままなだけなんだ 言葉と共に、あふれ出る涙 昔から感情を表に出さないと言われていた、私の、涙 「私にとって、男は大切なピースだ   だけど私は男にとっての大切なピースじゃないだろう」 いやだ、私はなんで、こんなことを         「そんなわけないだろ」 男は急に口を開く 「そうなんだ!」 言葉がつまる 言いたいことが多すぎて、つまってしまった 「クー……」 「聞きたくない!聞きたくない!」 目を瞑る 耳をふさぐ 世界を、拒絶する 「私は!私は!」 私を暖かな腕が包む 「ぁ……」 男が私を抱きしめていた 突然のことに、思考が停止する 「確かに、お前は脇役なのかもしれない」 「……」 「だけど、誰だってそうだろう」 「…………」 「だから、あがくんだ」 「………………」 「笑うんだ」 「……………………」 男は私を抱く手を離した 「寂しいのは、当たり前だ、皆そうなんだから」 私の目を見据える男 「だから、一緒にいるんだろ?」 それは、とても透き通っていて 「俺にとっては、誰しもが大切なピースだ」 そして、とてもまっすぐな瞳だった 「……うん」 そうだ そうなんだ それは当たり前の感情 誰しもが不安と対峙している それはとてもありふれていて でも、大切な感情 「さあ、帰るか」 「……」コクッ 不安でもいいじゃないか 苦しくてもいいじゃないか そうだ、いいじゃないか だって、だって        ………私は、幸せなのだから          「男」          「………なんだ?」          「愛してるぞ」          「ばーか」          「……」          「やっぱお前」          「え?」          「笑顔のが似合うぞ」  -end of little fantazy-

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