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そしてそれから 同窓会会場、鮫子の隣の佐藤がそっとA4サイズの封書を 鮫子の目の前に差し出す 佐藤「お望みのものよ、こちらの主張は殆どOKね」 鮫子「ありがと。感謝してるわ」 佐藤「…本当の勝負はこれからだろう、それに難儀をするのも鮫子のほうだ」 鮫子「ついでよ、あの件に関しては」 佐藤「だろうな」 鮫子はその封書を大事そうにかばんに詰める そして佐藤さんのグラスに酒を注ぎ、グラスを軽く乾杯させる 鮫子「…本当にありがと」 佐藤「正直言って最初は信じられなかったがな…」 鮫子「あそこを無くす…訳にはいかないもの」 そう呟きながら鮫子は自分のグラスを空にする 佐藤「そんなに飲んで大丈夫?」 鮫子「酒は残らないのよね、体質かしら」 佐藤「じゃあ勝負してみたらどう?」 渡辺「あれれ~私のスピリタスが空っぽだよ~?」 鮫子「あれは酒じゃないわ、毒って言うのよ」 回想 渡辺「優ちゃ~ん!心配したんだよー!」 優 「あははーごめんなさいだよー」 佐藤「ゆ、優さん…その」 優はすっと言葉を遮る、そして表情はそのままに二人に抱きつく 優 「ごめんなさいだよ…今、時間無いから…」 佐藤「あ…」 その瞬間世界が一瞬光る、気が付いたら同じホテルの違う風景 渡辺「あ、あれれ~な、何があったんだよ~?」 佐藤「こ、これは一体…って?」 鮫子「え…ゆ、優さんに二人とも!」 不良「んあ?こりゃびっくりだな…」 渡辺「ふえぇ!?さ、鮫子ちゃんが知らない男の人と抱き合って…」 佐藤「男君!つ、ツン子…さ、ん?」 渡辺「ふえぇ…お、男君、つ、ツン子ちゃ…」 血だらけの男とツン子二人を見つけた渡辺さん佐藤さんは駆け寄る その時一人の男が二人の前に立ちふさがる 不良「すまない、このままに…してやってくれ」 佐藤「な、何いってるのよ!血だらけで…今にも死にそうなのよ!」 渡辺「どいてっ!!」 渡辺さんが握りこぶしを不良の顔面に叩きつける 何度も何度も、それでも不良は微動だにしない 不良「もう、間に合わない…既に二人とも事切れる寸前なんだ…」 佐藤「み、認めないわよ!どきなさい!!!!」 佐藤の蹴りが不良の顔面にめり込む、それでも不良はそこを動かない 不良「二人きりに…してやってくれ」 渡辺「うるさいっー!うるさいぃぃぃー!どいてよぉ!どいて…よぉ」 鮫子が二人をそっと抱きしめる、その肩はふるふると震えていた 優 「…不良君ごめんなさいだよ…」 不良「…残されるものを目の前にするってのは、悲しいな」 優 「…」 優は悲しそうに自分の赤い目の瞼をゆっくりとなでていた 優 「不良君…行くの?」 不良「…」 無言で頷きながら、不良は鮫子の所に歩いていく 鮫子「…行くの?」 不良「ああ、借りを返しにな」 鮫子は少し俯き加減に、そしてふわっと顔を上げる 鮫子「あの日に髪切ったの、似合う?」 不良「ああ、凄く似合ってる…凄く綺麗…だ」 鮫子「…ありがとう」 そう微笑みながら呟くと鮫子はくるりと背を向け、呟く 鮫子「また…ね」 不良「…応」 すっと背を向けた瞬間に一陣の風 既にそこには不良の姿は無かった 佐藤「あ、さ、鮫子…今のもしかし、て?」 鮫子「…いい男よね、ふふ」 宇宙船内 シオン「これは…一体なんだ…」 カレン「すぐ分析に入るわ!シオン!ぼさっとしないで!」 金星 「機械損傷…メインブース30%破損…重力調整20%破損」 シオン「予備システム接続可能!直接アクセス!」 船内の機器が青く光る、その時船内に一つの影を見つける 太田父「あ…あぁぁ…」 シオン「お前は、さっき下の階から…上がってきた男、か」 太田父の全身に薄暗い影が纏わりついている カレン「駄目!もう一度アクセス!」 金星 「何で…何で予備システムにアクセスできないの!?」 異様な光を放ちながら 太田父「がふるるるるる…がっふるるるるっる」 シオン「…おそらくはこいつだ…この男が…」 カレン「何、この黒い…ものは」 金星 「来ますっ!!!」 その瞬間、その黒い影のようなものが三人に襲い掛かる

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