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第六話


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- 第六話 -


そこは闇の中だった。
ひとりの男が絶えずパソコンのキーボードを叩き続けている。
そしてそのカシャカシャという音のみが響き続ける。

……大体、これぐらいでいいか。
男はキーボードを打つ手をついに止めた。
結局、『影』を心に忍ばせられたのは4人。
特に荒鷹などは日下とツンドロの二人を既に殺し、放送室でさらなる獲物を待っている。
男は口元にかすかな笑みを浮かべると、パソコンの画面を16分割のライブ映像に切り替えた。

――食堂に渡辺、佐藤、魔法少女、魔王幼女。
のんきにパンを食べている。

職員室に友、低血圧、バルキリー。
ついさっき大門とかいうやつが死んだ。

放送室にはツンドロの死体と荒鷹。
内心、荒鷹には期待している。

保健室は修羅場となっている。
シャクヤク、ぎぜん、ユリの三人が化け物に遊ばれている。いい気味だ。

3年D組教室前のカメラは壊れてしまった。
おおかた㍉子が手榴弾でも使ったのだろう。

その他の画面にも苦戦している生徒の姿が映っていたが、男は1つの画面に食い入っていた。

理科室。ツン、クー、シュー、プロセス……男。

男が最要注意人物だ。
こいつが関わったキャラ達が自我に目覚めていくのは分かっている。
早めに、消さねば。

目を血走らせた男がパソコンの電源を落とすと、そこには男が映った。

ぎぜんは立ち尽くしていた。

保健室に化け物が現れ、あっという間に私達を囲んで、ユリくんとシャクヤクちゃんが殺されて……

私は死を覚悟し、目をつぶった。しかしそこに訪れたのは死ではなく――

「あははははっ♪たっのしいなっ♪」
化け物を切り刻む、私の大嫌いなクラスメートだった。
狂う「うふ。シャクヤクちゃんもユリくんも、幸せ者だね♪」
砂になった化け物をもて遊びながら、狂うはとんでもないセリフを吐いた。
かあっ、と頭に血がのぼった私は狂うに詰め寄った。

ぎぜん「なにを言ってるの?狂う…!」
やっぱりこいつは大嫌いだ。かつての狂うの狂行が頭をよぎっては消えた。

狂う「シャクヤクちゃんは、もう病弱な体に苦しまなくていいのよ?」

狂う「ユリくんは、愛しい人と一緒に逝けたのよ?」

狂うは、まるで幼い子に諭すような口調で私に話しかける。
そんなの……
ぎぜん「そんなの、あんたの勝手な思い込みよ…!」
狂う「なにが?どう考えても私の方が正しいじゃない」

狂う「勝手な思い込みはあなたの方よ」
ドシュ!

…熱い。私の首から血がほとばしる。
膝から力が抜けて、私は無様に倒れた。

保健室の天井を見ながら、私は泣いていた。
悔しくて、悲しくて、ふがいなくて。

意識が遠のき、ブラックアウトして―――

ぎぜんは死んだ。

狂う「あなたの瞳、綺麗よ…本当に素敵」

狂うはじっとぎぜんを見つめる。ぎぜんの瞳にはすでになにも映ってはいなかった。

狂う「でも、偽善は所詮偽善、ね」
狂うはそっとぎぜんの隣に座り、
口付けをした。

狂う「……うふふ。おやすみの、キス」
狂うは呟き、妖艶に微笑む。

なんて素晴らしい。男くんと逝ける大チャンスがやって来た。
この極限の状況下では、理性の仮面など容易に剥がれてしまう。

みんなの苦しむ様が見たい。あがく様が見たい。
――死に様が、見たい。

狂うは駆け出した。混沌に、狂気の彩りをもたらすために。