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プロローグ 「ロンリー」


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            ───痛い───




ズキン

──痛いよ

ズキン

──心が痛いよぉ

ズキンズキン

──助けて、やだ、やだ、やだ、やだ

ずきん

──ダレカタスケテ






                      - オーヴァーヒート -






────悪夢を感じて、飛び起きる

心臓の鼓動が早い
額に滲む汗が気持ち悪い
夜の闇の中、一人
息が荒いのは、悪夢のせい

頭がボーとしてうまく動かない

ふと時計に目を移す
──深夜3:30
安堵の溜息を吐く

「夢……」

そう、ただの夢
なんてことはない悪夢

ただ、不安を拭うことはできない

私は一人
両親は幼い頃に火事で亡くなったから
大丈夫、私は大丈夫

………
……

「おっはよう!ぎんちゃん(ぎぜんしゃ)!」

翌朝、登校し教室へと足を踏み入れた瞬間に、勢いよく抱きつかれた
いつも元気のいいその声
幼馴染のがっちゃん(がしっ子)だ

「おはよ、がっちゃん」

私も挨拶を返す
私はがっちゃんのコトが好きだ
私が一人で心細い時、彼女のおかげでいつも乗り越えてこれた
昔から、ずっと昔から

まるで姉妹のように

「うっす」
「おはよっ」
「ちーっす」
「おっは」

さまざまな挨拶が飛び交う、朝の教室
がっちゃんはつきあっているタケルのところに行った
私はそのまま自分の席へと移動する

窓際、前から3列目

荷物を机の横にかける
ほおづえをついて外を眺める
雲もまばらな快晴の青空
それを見てると悪夢を見て感じた不安が吹き飛ぶようだ
太陽の光が暖かい

いつもと同じような日常が流れる

一時間目 現国
心地よい、まるで子守唄のような教科書の朗読と教師の説明

二時間目 数学Ⅲ
頭を抱えそうな記号の羅列
予習をしてなければついていけはしなかっただろう

三時間目───

そうやって時は流れていく
自分が世界に一人だけしかいないなんて悪夢が嘘のようだ

そう、私は一人じゃない
世界の一部なんだ

自然と微笑んでしまう

ずっとこんな日常が繰り返されるんだと思っていた
何事もなく、ただみんなの傍らで笑ってたたずむ
そんな日常が好きだった
大好きだったんだ


──でも、そんな当たり前の日常が崩れるのはあっというまだった


プロローグ 「ロンリー」 完