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星の思い出


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  • 現在 PM:19:00 丘の上の木

彼 「ごめん、黙って消えようと思ってたけど・・・たまたまヴァルさんに会って・・・んで」
ヴァル 「懇願されたよ、でないと彼女は・・・いつまでも前に進めな」

鮫子の手が彼の胸倉を掴む、そして彼を引き寄せ叫ぶ

鮫子 「馬鹿にしないで!あの時・・・約束した・・・じゃない。迎えに行くって・・・」

彼 「・・・あ、ああ覚えてる」

鮫子 「じゃあ!」

ヴァルが鮫子の頭を撫でる

ヴァル 「鮫子、それだけじゃない・・・彼にはもう時間が無いんだ」

鮫子 「時間って・・・何よ」

ヴァル 「今、彼の魂の崩壊が既に始まっている・・・彼は君への想いだけでここまで持ったようなものなんだ」

鮫子 「崩壊って・・・」

ヴァル 「感覚も既に殆ど無くなってきている・・・その、今なら鮫子のことも」

彼 「記憶も・・・既に抜けてきているんだ」


  • 現在 PM:19:10 丘の上の木

鮫子 「き・・・おく?」

よく見ると彼の足の部分が少し透けてきている
ヴァル 「全てが消え去ると・・・彼はただの空袋みたいなものになる」
鮫子 「でも・・・約束はまだ・・・覚えてるって・・・」
ヴァル 「彼にとって大切な、強い想いは最後まで残るんだよ、約束は彼にとっても・・・大切なものだったんだ」

彼が下を俯き、歯を食いしばる

ヴァル 「でももし、彼が崩壊し・・・その空の器に悪霊が入り込んだ場合・・・彼もまた悪霊になってしまう」

鮫子 「・・・なんで、もっと早く言わなかったの・・・?」

彼 「えっと・・・その・・・やっぱ鮫子だしなぁ」

鮫子 「この・・・!お馬鹿・・・!」

その時彼が鮫子の手を取る

彼 「最後に・・・お願いがあるんだ・・・学校の屋上へ行かないか?」
鮫子 「え・・・」
彼 「鮫子との・・・思い出にもそろそろかすれてきてる部分があるんだ」
鮫子 「・・・でも時間・・・」
彼 「あの天体観測の記憶も・・・な。失いたくないんだ、」


  • 現在 PM:19:20 校舎屋上

もう既に周りは暗い、空は少し曇っているが、星はあの時と同じまま

彼 「ヴァルさん、さんきゅ」
ヴァル 「まったく・・・神使いが荒いぞ・・・まあここまで付き合ったら、最後まで・・・な」

鮫子 「ねぇ・・・ここは」
彼 「ああ、確かここでお前と星を見てたけど、二人ともさっぱり星の知識ねぇのな」
鮫子 「・・・ふふ、そうね」
彼 「んで・・・えっと」
鮫子 「・・・座って」
彼 「え?ああ・・・」

そう囁くと鮫子は彼の太ももに頭を乗せ、腰に両腕を回した

鮫子 「・・・『結構好きかも』」
彼 「あ、ああ・・・星か?」
鮫子 「『ううん、この体勢』」
彼 「えっと・・・糞っ!記憶が・・・」
鮫子 「はぁ・・・『機嫌いいな』よ」
彼 「へ?ああ!機嫌いいな」
鮫子 「まったく、ふふ・・・『たまにはね』」

ヴァルは・・・少し離れた所から二人を悲しそうに見つめていた


  • 現在 PM:19:30 校舎屋上

彼 「うー・・・夏には・・・無理だ・・・な?」
鮫子 「正解、『かもね』」
彼 「・・・忘れるなよ」
鮫子 「・・・『何を?』」
彼 「今日までの良いこと、悪いこと・・・今日のこの星空」

鮫子はすでに泣いている、崩壊の始まってる彼もまた涙はまだ失ってない

鮫子 「・・・『心に留めておくわ』」

そして彼が鮫子の長い髪を撫でようとした瞬間
彼の動きが止まる

彼 「ぐ・・・ぐうっ・・・」
胸倉を掻き毟るように苦しむ

鮫子 「な・・・何!?」

ヴァル 「糞っ!!意外に早く始まったな・・・早くあの木の所に・・・」

彼 「ぐ・・・ぐあああああああ!!!」


  • 現在 PM:19:40 三年校舎廊下

脇谷 「うう・・・忘れ物取りに来たけど・・・怖いよぅ」

暗い廊下を一人歩く脇谷
携帯電話を教室に忘れてしまった為、後夜祭を一時抜け出し、自分の教室へ

脇谷 「えっと・・・更衣室かなぁ・・・」
更衣室はさらに暗く、足元どころか手元すら見えない

脇谷 「えっと・・・あった!!あったにょろ~・・・パクリはダメだよねぇ・・・」

その時屋上から男の人の叫ぶ声が聞こえた

脇谷 「え・・・ヤダ・・・まさか幽霊とか・・・」

?? 「いや・・・!おね・・・い!!!」
?? 「くそ・・・・いが・・・ところに・・・」

脇谷 「どっかで聞いた声だね・・・女の人?・・・怪我かな?」

脇谷は屋上への足を速める。もし誰か怪我人なら・・・はやく行かないと

屋上のドアを思い切り開けたときに見た光景は、予想すらしえなかった
鮫子の泣き叫ぶ声、そして唸る・・・見たことも無い男性に、ヴァルキリーの姿だった