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がしっ子01

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
道を歩く少年と少女
仲良く並んでお買い物

笑って
笑って
また笑って

二人の幸せ、それがずっと続くと思ってた
誰にも
何にも
壊すことのできない日常
少年と、少女の
強い絆


しかしその日常は――――
           ―――突然砕けた

不幸なことに少女はやるべきことをやる人だった
不幸なことに少女はとても優しかった
そしてなにより不幸なことは

少女がその場にいあわせたことだった

少女は気づいた
仔猫が道の真ん中を横切ることを
少女は気づいた
今にもトラックが仔猫を撥ねようとしていることを

一瞬だった
トラックが仔猫をひくその直前―――



    キキーッ




―――鈍い音が響いた

鉄の塊がか弱い少女に激突した
少年はただ見ていただけだった

少女は仔猫を胸に抱えて倒れ伏している

少年はふと我に返り少女に駆け寄る
名を呼ぶ
身体を揺する

されど、彼女は起き上がらない





一組の男女を乗せた救急車が、中央病院に運びこまれた

少年は待っていた
ただ祈るように待っていた

喉がカラカラに乾く
生唾を何度も呑み込む

一つの小さな命を救った少女は今、
緊急治療室にいた

少年には、ただ待つことしかできなかった

緊急治療室の点灯が消える

少年は扉を開き出てきた医師に駆け寄った

「大丈夫です、手術は成功しました」

その言葉に、初めて少年は涙を流した

「まもなく目を覚ますでしょう」




そして少年は今、病室で彼女の細い手を握っていた

………
……

彼女が目をうっすら開ける

オレは安堵した
最愛の人を失わずにすんだ

彼女はゆっくりとオレを見る

「おはよう、がっちゃん」
オレは優しく言葉をかける

しかし、返事はなかった
「………がっちゃん?」
再び声をかける
そして今度は返事をしてくれた――――



     「君は、誰だい?」



――――最悪の形で

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