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シューと荒鷹さん


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 私の名前は学、学習型クールとも呼ばれる。
 正確には 以下略

 ~あらすじ~
 素直シュールを学習しようと必死な私。
 昼休みをカロリーメイトで過ごしながら観察を続ける私の目の前で不可思議なダンスを踊りながら手品をやるシュー。
シュー「ありがとう、ありがとう諸君、ありがとう」
学「……とりあえず、たこさんウィンナー頂戴」
日下「え、ごめん、もう食べちゃった……」

よくわかった所で続きをどうぞ。



 とうとうまったくシューの行動パターンの目処が立たないまま放課後になってしまった。
 しかも今まで完璧と思っていた立ち居振舞いも、よく見ると以前と微妙に変わっているという問題まで出てきてしまった。
 1日目からこんな不調だなんて今まで無かったことだわ……、流石は素直シュール。
 ここまで来ると逆に意地になって絶対に覚えてやろうという気になってくる。
学「ふふふ、見てなさいよシュー……!」
ヒー「おぉ!? 何かよくわからないけどその意気だ学ぁぁぁぁ!!!!!」


 HRが終わり、皆が部活に直行したり帰り支度をしたりする中、私は何もせずじっと座ったままでいる。
普段ならば部活に入ってない私(※)は放課後になればさっさと下校するところだが、今日は違う。
もちろんシューを徹底的に観察するのだ。
 正直家までストーキングしかねない勢いだ、今の私。いや、しないけど。

 ……で、当のシューはというと、彼女も確か部活には入っていなかったはず(※)だが、ぼんやりと窓際の席で外を眺めている。
シュ「豆知識、大豆は枝豆やねんでー……」

 それは豆知識やのうて豆の知識やー……じゃなくて。
 ……一人でぼんやりとしているときになんだかよくワカラナイことを呟く、という行動パターンは既に学習済みだ。
 できれば他のことをやってほしい。

…………

学「…………」
シュ「一羽でチュン……」
 30分ほど経っただろうか。
シューは先ほどからまったく動いていない。

学「…………」
シュ「二羽でチュチュン……」
 どうでもいいがこれは根競べなのだろうか? ひょっとしてシューは私を試してないか?
 そんな疑問が頭をよぎる。

学「…………」
シュ「三羽揃えば……」
 ちなみにクラスには私とシュー以外にも、暇なのか荒鷹さんやツン、クーが残って談笑している。

学「…………」
シュ「|^o^|<私です」
 く、くだらん……。
 ……と、私は思ったのだが。
荒鷹「プ……ッ! アハハハハハッ!!」
 どうやら今のボケは荒鷹さんのツボにはまったらしい。

シュ「面白かったか……?」
荒鷹「アハハハ! う、うん……フフフ、何ていうのかな、不覚にも、ってこんな感じかな」
 笑いながら目じりの涙を拭う荒鷹さん。
 ……しかも荒ぶる鷹のポーズをしながら。

シュ「……そのポーズ、面白くても出るんだ」
荒鷹「あ、これ? なんかもう癖みたいなもんだから」
シュ「相変わらず荒鷹さんのそのポーズは素晴らしい」
荒鷹「そ、そうかな……」


 ……荒鷹さん。
 何かがあるとすぐに荒ぶる鷹のポーズを取ってしまうという妙な癖を持った女の子。
 彼女のそのポーズはもはや芸術といっても過言ではない。

 両腕を直角に曲げ、片足を上げる……と、言うだけならば簡単なのだが、これがなかなか難しい。特に足の高さだ。
 私達は学生であるからすべからく制服を着用している。
もちろん、女子の制服はスカートである。しかも、誰の趣味だかは知らないが割りと短い。
そのせいで件のポーズを取る際、足が低すぎると不恰好であり、高すぎると下着が見えてしまうという問題が発生する。
それを彼女、荒鷹さんは高すぎず、低すぎず、見えそうで見えない、あ、今少しだけ、ほんの少しだけ見えた!……ような気がする、マジで?何色だった? ピンク……いや白だったかも……。
といった絶妙な高さを毎回キープするのだ。
あれを学習するのは苦労した……。鏡の前で何度もポーズを取った。
それだけ苦労したにもかかわらず、今でも5回に2回は見えてしまうのでなるべくやらないようにしている禁断のポーズである。

 ……そのせいかどうかは知らないが、所謂お色気ポーズなんかよりもよほど色っぽいポーズのようにも思える。
 ただでさえ荒鷹さんは、ちょっと幼い感じの可愛らしい顔をしており。
 ボディーラインはなだらかな曲線――決して起伏が貧相というわけでもなく、俗に言うボンキュッボンというわけでもなく、だからといって普通というには美しすぎる体型――をえがき。
 短いスカートからは眩しいふとももが覗き。
 軽い生地で出来た布はチラチラと見るものを誘う。
 ……女の私でも力いっぱい抱きしめたくなるのだ、男子の懊悩は推して知るべし。

クー「鼻血……出てるぞ」
学「…………ハッ!?」
 ……いけない、つい妄想に耽ってしまった。

学「荒鷹さんがあまりにも可愛すぎるからつい……」
ツン「いや、それには同意するけど……」
 幸いシューはまだ教室にいた。
 どうやら荒鷹さんと会話をしているらしい……。
荒鷹「荒ぶる鷹のポーズ!」
シュ「荒ぶる鷹のポーズ!」
 うおぉぉぉぉぉぉ!!! もふもふさせろおぉぉぉぉ!!! と荒鷹さんに突進して行きたい衝動を堪えながら、さり気なく完璧にポーズを取ってるシューに嫉妬する。
 むぅ、二人して荒ぶる鷹のポーズはなかなか絵になっているじゃないか。
そこに私も混ざれたら……と、また勝手に妄想を展開してしまいそうになる最近暴走しがちな脳の手綱を必死に握り締め、シューの観察に専念する。

 ―――――それは唐突だった。

シュ「荒鷹さん」
荒鷹「なぁに?」
シュ「荒ぶる米のポーズ、やってみて」
荒鷹「……え?」
 シューが荒鷹さんに対して無理難題を押し付けた。
 もちろん荒鷹さんは困っている。
 それでも必死になってポーズを取ろうとしている荒鷹さんはちょっと可愛いと言えなくもないな……、とか思ってないぞ、全然思ってないぞ。
 というか「荒ぶる米」というのも「米のポーズ」というのもまったく見当がつかない。
 農家ではたまに「荒ぶる米」というのが取れるのだろうか? それとも品種? 専門用語か?
 シューの実家では「米のポーズ」という伝統的なポーズが伝わっているのだろうか? 伝統的な踊りだったりするのだろうか? 豊作願い?
 わからない、まったくわからない。
なんだかもう「わからない」というのにも疲れてきた……。

シュ「ほら、早く早く」
荒鷹「えっ……と、ど、どうやるんですか?」
シュ「しょうがない、手本を見せてやろう」
 と、言うとシューはくねくねが一時停止したような不気味なポーズをとった。
荒鷹「ひ……っ!」
 荒鷹さんが可愛らしい悲鳴を上げる。
 ……無理も無い。もしあのまま踊りだしたりしたら本当に気が狂ってしまいかねないような、実に形容しがたい、生理的に受け付けないポーズである。
 そんなポーズを間近で見ている荒鷹さんの心境はいかほどであろうか? あぁ、涙目になってるし、可愛いなコンチクショウ。

シュ「さぁ、やって」
 あ、死刑宣告。

荒鷹「むむむむむむむむ無理ですよぅっ!!!」
 確かにあれは見た目が云々という問題もあるけれど、どう考えても人体の構造的に不可能な格好である。
 ……関節が明らかに逆に曲がってたりね。
 そんなポーズをさらっととれるシューにそろそろ畏怖を通り越して尊敬の念を抱きかけてる。

シュ「大丈夫、人間やってできないことはない」
 いや、無理なものは無理なんだって。
荒鷹「無理ですーっ!!できません!!」
 至極まっとうな意見だ、荒鷹さん。
クー「そろそろ許してやったらどうだ」
ツン「そうよ、荒鷹さんも困ってるわよ」
 ようやくその場にいた二人から助け舟が出た。
学「私もやめてあげたほうがいいと思うけど?」
 一応私も言ってやる。
シュ「うーん、そこまで言うならやめてもいいけど……」
 ようやく諦めたようだ。
荒鷹「よ、良かったぁ……」
 安堵の息をつく荒鷹さん。
 だが、彼女の幸せはそう長く続かなかった。

シュ「じゃ、脱いで?」
 ………………。
 ……素直シュール語録に追加しなきゃね、『じゃ、脱いで?』を。
 っていうか何でそんなに理解不能なことばっかり言うんだよぅ。
 嗚呼、観察対象を間違えたかもしれない、こんなに疲れる相手は本当に初めてだ。
 あ、冷静に考えるから疲れるのね、訳わかんないことを言ったら聞き流せばいいんだわ。
 ワカラナイワカラナイ言っててもしょうがないものね、ふふふふふ。

荒鷹「な、何故えええぇぇぇぇ!!??」
 やはり至極まっとうな意見だ、荒鷹さん。
シュ「私が見てみたいから」
 あ、その意見には少し同意。
荒鷹「た、助けて下さぁーいっ!!!」
 今度は自ら助けを求める荒鷹さん。
 だが、現実は非情である。

クー「私も確かに少し、いや大いに興味がある」
ツン「べ、別に荒鷹さんがいじめてオーラを出してるからついいじめたくなったわけじゃ無いんだからね」
学「………………ゴクリ」
 教室の中には既に荒鷹さんの味方はいなかった。
 いるのは得物を見つけた獣の群れ。
 ぎらぎらと光る瞳。
 荒い息遣い。

荒鷹「へ? みみ、皆さん? じょ、冗談ですよね? は、ははは、はは……」
シュ「 シ ョ ウ タ イ ム 」

荒鷹「ひ……、い、嫌ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


※もちろん作者の勝手な都合のいい設定です。