あらすじ
自分の中の想いにケリをつけたのか脇谷
不器用な優しさの上田
そんな班の一時
不器用な優しさの上田
そんな班の一時
そして別の班の様子
やはりここにも恋に悩む乙女の表情
やはりここにも恋に悩む乙女の表情
泣かせるだけの男
お前は一体何をやっているのかと
お前は一体何をやっているのかと
随心院
芝生を歩くヤンデレ・学・プロセス・きちょうめん・貧嬢の五人
小野小町の住居跡として知られるその建物にふわりふわりと舞い降りた五人
小野小町の住居跡として知られるその建物にふわりふわりと舞い降りた五人
紅梅は綺麗に咲き誇っている
ヤン 「しっかし・・・しみったれた建物だなぁ!!」
プロ 「貴方は本当に情緒とかそういうも」
ヤン 「うるせぇ!ペチャパイ」
プロ 「関係ありません!!なんですか大体!!人を馬鹿に出来るほどのサイズでも無いでしでしょう!」
プロ 「貴方は本当に情緒とかそういうも」
ヤン 「うるせぇ!ペチャパイ」
プロ 「関係ありません!!なんですか大体!!人を馬鹿に出来るほどのサイズでも無いでしでしょう!」
きちょうめんはその芝目に感動
ハァハァ言いながらその芝目をじっと見つめている
ハァハァ言いながらその芝目をじっと見つめている
学 「お嬢?何をしているのだ?」
貧 「へ?ああ・・・色々ですわ」
学 「む・・・その物虚ろげな表情はラーニングせねばならん・・・もう一度だ」
貧 「は・・・はい!?」
貧 「へ?ああ・・・色々ですわ」
学 「む・・・その物虚ろげな表情はラーニングせねばならん・・・もう一度だ」
貧 「は・・・はい!?」
何だかかみ合わない五人、別に余った訳じゃなく意外に仲が良い
ヤン 「まったく・・・あの堅物は・・・って何見つめ合ってるんだ?」
貧 「ひゃう!!」
学 「ぬ?まだ早いぞ」
貧 「ひゃう!!」
学 「ぬ?まだ早いぞ」
見つめ合う貧嬢と学に突っ込むヤンデレ、些かガラ悪し
きちょうめんは京都ガイド片手にプロセスと打ち合せ
おそらく分刻みで予定を立てているのだろう
おそらく分刻みで予定を立てているのだろう
ふと梅の花を見上げる三人
見事に咲き誇るその紅梅の花にため息すらついてしまう
見事に咲き誇るその紅梅の花にため息すらついてしまう
貧 「花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに」
わが身世にふる ながめせしまに」
ふと貧嬢がすらすらと短歌を説く
よくわからないヤンデレと学、その表情にくすくすと笑う貧嬢
よくわからないヤンデレと学、その表情にくすくすと笑う貧嬢
貧 「小野小町の短歌ですよ、先ほどのあの小野小町塚のね」
ヤン「あー・・・つまりなんつってんだ?」
貧 「ええと・・・花の色は色あせちゃった、むなしく我が身に降り注ぐ、雨を見ているうちに・・・?」
学 「・・・?」
ヤン「あー・・・つまりなんつってんだ?」
貧 「ええと・・・花の色は色あせちゃった、むなしく我が身に降り注ぐ、雨を見ているうちに・・・?」
学 「・・・?」
貧 「あそこに見える小野小町塚・・・恋愛成就だそうで」
ふっと貧嬢が指さした所に丸い石を積んだ塚がある
ヤン 「お?お願いでもしたのか?んー?このこの!」
学 「このこの!」
学 「このこの!」
ニヤニヤと笑いながら肘で貧嬢の肩をつつく
貧嬢は少し儚げに笑いながら
貧嬢は少し儚げに笑いながら
貧 「ええ・・・男様とツン子さんが・・・結ばれますよう・・に」
その言葉に少し言葉を失う二人
ヤン 「な・・・なんでさ」
学 「私の思うところ・・・お嬢は男の事が・・・」
貧 「ふふ」
ヤン 「な・・・なんでさ」
学 「私の思うところ・・・お嬢は男の事が・・・」
貧 「ふふ」
貧嬢は少し離れた所でくるりと廻り背中を向けたまま話し出す
貧 「私・・・卒業したら・・・お見合いする事になってまして・・・」
いつの間にかプロセスときちょうめんもその輪の中に居た
プロ 「お嬢・・・一体」
きちょ「将来のプラン立てとしてはあまりお勧めしないわ、そんな時代錯誤な」
きちょ「将来のプラン立てとしてはあまりお勧めしないわ、そんな時代錯誤な」
貧嬢は背中を向けたまま梅の木の下で空を見上げる
貧 「好きでしたよ・・・いえ、むしろ今でも男様の事は」
ヤン 「ならよぉ!!あきらめ」
貧 「何時も見ていたからでしょうか、男様の思い人にも気付いちゃって、えへ」
プロ 「・・・ツン子だな」
貧 「はい」
ヤン 「ならよぉ!!あきらめ」
貧 「何時も見ていたからでしょうか、男様の思い人にも気付いちゃって、えへ」
プロ 「・・・ツン子だな」
貧 「はい」
くるっとまた半回転し、四人の方へ向き直す
その眼には覚悟と決意の強さが滲み出ていた
その眼には覚悟と決意の強さが滲み出ていた
貧 「沢山の人に愛されても・・・愛し合えるのはたった一人」
きちょ「・・・」
貧 「切ないですね、恋って」
きちょ「・・・」
貧 「切ないですね、恋って」
胸に手をやり目を閉じる貧嬢、その姿に何も言えない四人
貧 「気になさらないでください、元々、私の家は・・・その」
プロ 「・・・言わなくても良いわ、少なくとも私は知ってた」
貧 「・・・左様ですか」
プロ 「・・・言わなくても良いわ、少なくとも私は知ってた」
貧 「・・・左様ですか」
元々貧嬢の家庭は両親の死により、没落していた、その事を告白する前にプロセスに諫められる
貧嬢は肩の荷が下りたかのようにほうっと息を吐く
貧嬢は肩の荷が下りたかのようにほうっと息を吐く
貧 「まあ、そういう事で私、多分お嫁に行く事になりますので」
暗い顔して何も言えない四人、自分たちの不甲斐なさを痛感しているのか
貧 「ホラ!あのホテル!私たちの、あのホテルのオーナーなんですよ!」
きちょ「あの『VIP・ザ・武道』か・・・」
プロ 「相当な、資産家ではあるみたいね」
貧 「ええ、ですから!別に不幸せに為る事は・・・」
きちょ「あの『VIP・ザ・武道』か・・・」
プロ 「相当な、資産家ではあるみたいね」
貧 「ええ、ですから!別に不幸せに為る事は・・・」
きちょうめんと貧嬢が話し込むその横で、学が呟く
学 「今判った」
ヤン 「何がだよ・・・」
学 「貧嬢のあの稟とした笑顔を真似しようとしたんだが・・・出来なかった」
ヤン 「あん?おめぇみてぇな小娘に出来」
学 「・・・背負うモノが違うんだ・・・表面に滲み出る強さみたいな」
ヤン 「強い訳ねーだろ・・・ったく、ありゃあ泣きそうな笑顔ってんだ」
ヤン 「何がだよ・・・」
学 「貧嬢のあの稟とした笑顔を真似しようとしたんだが・・・出来なかった」
ヤン 「あん?おめぇみてぇな小娘に出来」
学 「・・・背負うモノが違うんだ・・・表面に滲み出る強さみたいな」
ヤン 「強い訳ねーだろ・・・ったく、ありゃあ泣きそうな笑顔ってんだ」
深い深い違う世界の一端を垣間見た気分の四人、修学旅行はまだ続く