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友ミル02

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匿名ユーザー

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In the rain.
降り頻る雨の中、俺はどこぞのアーティストのアルバムジャケットの如く悦に浸って…
いるわけがねぇだろが、にわか雨に降られてんだチキショ-。
全くこれというのも本日発売のウルトラジャ○プと、ヤング○ガジンの巻頭グラビアのせい…
いや訂正する、好評連載中の先生とグラビアアイドルには罪は無い。
悪いのは穴が開くほどじっくり立ち読みしてた俺だな、うん。

と、いうわけで俺は今現在洗い立ての洗濯物みたいに濡れちゃってるわけだ。
くそっ、家はまだか。
濡れてクシャクシャになった髪を整えつつ曲がり角を曲がった所で、小さな駄菓子屋に辿り着く。
お、まだやってたんだこの店。
当たり付きのきなこもちを連発した記憶が今にも蘇る(記録3回)
昔のお得意のよしみだ、おばちゃん軒先借りるぜ。
全くこういう日に限って空模様を確認しないでビニール傘を持ち忘れるとはな。
うかつ、俺。
濡れた顔を拭っていると、視界の端で黄色いハンカチを確認。
ん?
ハンケチーフ?
ああ、ありがとう駄菓子屋のおばちゃん、覚えててくれたのかと言おうとして固まる。

□(゚~゚)モグモグ

きなこもちを頬張ったミルナが、ハンカチを差し出していた。

友「…なんでいるんだ?」
ミルナ「(゚~゚*) モグモグ」
友「…きなこもち食いに来たんか。あ、ハンカチ…ありがとう」
ミルナ「(゚~゚=゚~゚)フルフル Σ(゚Д゚)!!」
友「どした?」
ミルナ「【アタリ】⊂(゚Д゚*)ジャジャーン」
友「お…よかったな」

頭をぽん、と撫でてやる。
あー、俺も親父と一緒に買いに来たとき当たって、そんで撫でられたなぁ…
などと思い出にふけっていると久方ぶりに見たおばちゃんがこっちを見てニヤニヤしていた。こっちみんな。
あ、白髪増えてる…お疲れさまですおばちゃん。がんばって。今度チョコエッグ買いに来ます。
ミルナを見るとそのおばちゃんにもう一個のきなこもちを貰っていた。
どうもこいつに対してフランクになってしまうようだ、いかんいかん。
これでも女子と男子だ、無駄なスキンシップは控えよう。
俺はジェンツルメンだからな、どこぞのむっつりスケベ教師とかとは違う。
なあ、ミルナ。と思って顔を見ると俺は思わず釘付けになっちまった。
チョコエッグを開けたら中にエメラルドの指輪でも入っていたかのようなサプライズだ。
激レア、いやウルトラレアなミルナの満面の笑みをしかと見た。

=(*^∀^)ノアタッターアタッター

…いや、もっともっと可愛いぞ?
ただ文字にも絵にもし難い。
なんせ、普段男に言い寄ってる奴らを見てて目が肥えてる俺でもときめいちまったからな、不覚にも。

紆余曲折を経て俺はミルナの傘に入れて貰った。
だが、はっきり言って恥ずかしい…
いや、ミルナと入ってることもその要因なんだが…ミルナは俺より背が低い。
ミルナが傘を持つと俺がほんのちっとばかし屈む事になるわけだ。
で、それも辛そうだからとミルナが優しい事に俺に傘を持たせてくれたんだが…
流石に大の男がねこさんのプリントされた可愛いピンクの傘を差すというのは抵抗があった。
ああ、時間よ過ぎ去れ。もしくは雨よ止め!

だが無常。雨は止まないし俺の家まで少しある。
にわか雨じゃねえよ本降りになっちまった。

ミルナ「( ゚Д゚)つくクイッ」
友「?」
ミルナ「←( ゚Д゚)」
友「あ、ここお前ん家?」

ああ、意外と近かったんだな。でかいな、もしや金持ち?
フルフルと首を振るミルナに「そっか」と笑いながら手を振って雨の中を帰ろうとすると
ミルナ「(*゚Д゚)つく クイッ」
友「?な、なに?」
ミルナ「←(*゚Д゚)……キテ」

…………こら、頬を染めてボソっと呟くんじゃない。
期待と誤解がスプラッシュマウンテンしちまうだろ。

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