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【アレクセイエフ】俺とシュール【米塗れ】


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side other

その部屋には計七名の男女が居た。
年は皆、若い。
俺「……どうなってやがんだ」
口を開いた少年は、苦虫を噛み潰したように。
ユウヤ「それは、誰にも何とも言えないよね」
日和「よね」
少年の言葉を肯定するように、別の少年が。
鮫「なんだっていいわ」
何処か冷めたように。
ツン「皆の事、心配だけど……」
シュー「男の事は?」
ツン「べ、別に彼の事だけが心配って訳じゃ無いわよ!」
B「ほんと、此処は何処なんすかねぇ」
…………。
誰も、何も言えない沈黙が降り募る。
全員の話を合わせても、此処が何処なのか特定出来ないし、此処へ、何時、どのようにして来たのかが判らないのだ。
一組の男女を除いては、皆が此処で目を覚ましているという以外は。
俺「ともかく、お前等がいるって事は、他にも誰かがいるって事だろう?」
他に誰かの姿を見た奴はいるか?と問うが、皆が首を振る。
その中で一人、
日和「ころす、みた」
B「コロス、って……」
シュー「殺村か」
鮫「勝手に命名してるし」
ユウヤ「日和、なんで今まで黙ってたんだ?」
日和「ふ?」
俺「それを日和に言っても仕方ないだろう。多分、聞かれなかったからだ」
少年は日和と呼ばれる少女の頭に、ぽんと手を載せて、詳しい話を聞く。
時間は掛かったが、何とか聞き出せた事を統合する。
少女が目を覚ました時、周りには誰もいなかった。
誰かの後に付いていきたくなるという、奇妙な性癖を持つ彼女は、早速誰かを捜しに出掛ける。
暫く迷っていると、窓の外、対面側の廊下を誰かが歩いているという。
それは、同じクラスにいる少女であったと言う。
俺「……そうか、殺村までいるのか」
鮫「だから勝手に……、ああもう。面倒だからいいわ」
やばいなぁ、とつぶやく少年。
シュー「もしかしてあの事を言っているのか俺氏」
ユウヤ「あの事?」
俺「黙っていようと思ったが、いずれ知る事になるだろうからなぁ」
重い口を開く。
廊下中に撒き散らされた、肉片と血の話を。
ゆうやとB、二人の少年とツンは嫌そうに顔を歪める。
鮫子はつまらなそうに溜息を。
約一名、理解してなさそうにゆうやの髪の毛を引っ張って遊んでいる。
それから少年は、自分達は外からここに来たと、最初に語ったが、おそらく一番重要な事を言ってはいなかった。
ソレは獣とも人ともつかない異形の存在。
B「ちょ……!そんなもんまでいるんすか!?」
俺「黙っていて悪かったな。誰かが言い出すまで待ってたんだが、どうやらソレについては俺とシュー氏しか知らなかったみたいだな」
ユウヤ「じゃあ、ここも安全とか言い難いのかな?」
日和「がおーがおー」
鮫「……ふぁあぁ~」
ツン「じゃあどうするって言うの?」
俺「どうにもならん。救助が来るとも思えないしな」
B「そ、それにもしかしたら化け物がもう館の中に入ってきてるかもしれないんだろ?」
俺「それだけじゃない、かもしれない」
ツン「それだけ?」
俺「言っただろう?もう既に一つ、死体が出てるんだ。そして館を彷徨う殺村……」
ユウヤ「……やめようよ、俺君。いくらなんでも彼女を疑うのは……」
シュー「可能性の話だぞ、ゆうや。言うだろう?一粒のお米にも五分の魂って」
日和「ごぶごぶ」
鮫「……言わないわよ」
B「どうして皆落ち着いてられるんだよ!」
ツン「落ち着きなさいよ、みっともないわね」
B「落ち着いてられないだろ!異常な事が起こりすぎてるんだぞ!」
ユウヤ「それを言ったらあの学校はどうなるんだろ……」
小声でゆうやが。
俺「落ち着かなくてもいいから静かにしてろ。何か行動を起こすにしても、もっと考えてからじゃないと駄目だ」
B「だからなんであんたらは平気なんだよ!人が一人、死んでるんだぜ!」
シュー「私達が焦ったところで、その死体は蘇らない。三秒ルールは無効だ」
B「だからと言って……!」
Bは堅く握った拳を震わせる。
B「もういい!なんかもう誰も信じられねぇ!俺は一人で安全な場所に隠れる!」
そう言って、Bは一人で部屋を出て行った。
ばたん!と力任せに閉じられた扉を見た時の全員の心境。
俺(死亡フラグ……)
ユウヤ(死亡フラグ……)
鮫(死んだわね)
ツン(死亡フラグ乙)
日和(京都焼き討ち……)
シュー(それにしてもこのB、ノリノリである)
誰も心配していなかったという。
哀れ、B。


side 俺

出ていったBの事は、まあどうでもいい。
こんな状況で一人になる奴の末路は大体同じだ。
ユウヤ「大丈夫かな、B君」
鮫「ほっときなさいよ。馬鹿は馬鹿なりにやるでしょう」
鮫子は突き放すように言うが、内心ではそれなりに心配しているのだろうと思う。
シュー「ところで皆」
日和の髪の毛をいじりながら、シュー氏。
シュー「お腹空かないか?」
俺「なんだそりゃ。まあ、腹減ってるけどよ」
俺は思ったままを言ったつもりだったが、何故か俺以外の聞かれた面子は不思議そうな顔をした。
なんでだ?
そしてその時、

B『ああああああああああああああぁぁぁ!……アッー!』

全員(やっぱり……)
遠くでBの叫び声が聞こえた。
俺「さて、これからどうするか」
ユウヤ「ぅゎぁ、さっきの無視なんだ」
シュー「身をもって証明してくれたのだ、彼は」
ツン「何をよ?」
シュー「死亡フラグは、確実に存在する、と……」
それは何でも身体を張りすぎだ。
鮫「題して、馬鹿の末路」
日和「まつろ」
皆ひでぇな。
その時、俺のキューティーなお腹が空腹を訴える音を出した。
ハラヘッタ。
シュー「俺氏。そんなに腹が減ってるのか?」
俺「かなりな」
シュー「お腹の小鳥がぴーぴー鳴いてるのね」
どんな表現だそれは。
なんか……。
俺とシュー氏の会話はごく普通のもののはずなのだが、それを見るゆうや、ツン、鮫子の視線がなんか変だ。
俺「ともかく、腹が減っては戦は出来ぬ。なんか食うもんがあればな……」
シュー「あったではないか」
俺「あんな、誰が作ったとも知らないもんは食えないね」
シュー「仕方ない。私のお米を分けてやろう」
俺「生で食えるかヴォケ」
シュー「ふふふ。こんな広い館なのだ。キッチンの一つでもあるだろう」
俺「そういやそうだな」
シュー「行こう」
俺「行こう」
そういう事になった。
俺とシュー氏、二人で不気味な、深とした廊下を歩いている。
キッチンを探しながらだ。
程なくして、下階へ向かう階段からキッチンに辿り着いた。
俺「さて、どう思う?」
シュー「どう、とは?」
シュー氏はキッチンの中を漁りながら。
やはり先程、誰かがあの食堂に置いた料理を作ったのか、熱気と匂いが残っていた。
シンクには水が残っており、蛇口から水滴がもの悲しく一滴、また一滴と。
俺「あいつらの反応だ」
シュー「ああ、それは私もおかしいと思っていた」
やっぱりか。
あいつら、空腹ってものを、まるで初めて聞いた事のような表情をしていた。
だからシュー氏は、何度も腹が減ったかと聞いていた。
あいつらの反応がおかしかったが故。
俺「何時の段階で気付いた?」
シュー「ツンが、食堂に入った時にまるで料理に関心を示さなかったから」
そうでなければツンが料理を置いたかのどっちかだと、とも言った。
俺「おかしなおかしな世界だとは思っていたが……」
他の連中までなんかおかしいとはな。
シュー「それでどうするのだ?」
俺「あん?」
シュー「米」
俺「ああ、なんか調理器具は……」
俺はなんともなしに、調理机に手を乗せる。
妙に熱がある調理机だな。
下部にオーブンが据え付けられている。
まだ火が入っているのかと、開けてみた。
がちゃ。
俺「……」
シュー「……」
ばたん。
閉めた。
俺「調理器具はあるのか?」
シュー「おおーい。さっきのをスルーするかい」
スルーの一つもしたくなる。
俺がオーブンを開けると、肉の焦げる美味しそうな匂い……、それと、タンパク質の焦げる嫌な臭い。
火の入ったオーブンの中で焼かれていたのは、中型犬だった。
口と両手両足が針金で巻かれ、身動きが取れないようにされて放り込まれていた。
おそらく、生きたまま焼かれたのだろう。
俺「この鍋使えないか?」
シュー「鍋で炊くとは、粋な奴め」
俺「何が粋か。……水は大丈夫だろうな」
特にそれがなんでもあっても、俺達のペースは変わらなかった。
いや、やるべき事を知ってやってるだけか。
少しして、火に掛けられた鍋から美味しそうなご飯のにほひが漂い始めた。
シュー「始めちょろちょろ中ババア、赤子泣いても蓋取るな」
中に婆がいたら怖いだろ。
そんなこんなで、俺は飯にありつけた。
飯が食えるって素晴らしい。


side シュー

お米様のお米様によるお米様の為のお米様のお陰で、私達は今日も空腹を満たせた。
御米神様に一日に三回お祈りを捧げていたが、今日からは五回にしよう。
それくらい、今日のご飯の出来は良かったのだ。のだのだ。
その時である。
ぱっぱっぱぱっぱ、ぱーるらいす。
停電した。
まっくらもーりーはー。
俺「だから、めっちゃ室内だって」
向かいで、俺氏が空腹を満たせた為か、欠伸をしているのが判る。
緊張感の無い奴め。
ふああぁぁぁ。眠い。
俺「緊張感の無い奴め」
むぅ、そっくりそのままの言葉を返されてしまった。
俺「お題」
シュー「なんだ?」
俺「停電の原因」
シュー「誰かが電話線を切った」
俺「電話線で停電はしないだろーよ。そもそも、こんな場所にどうやって電気が通ってんだか」
それは確かに。
だがまあ、自家発電でもしているのだろう。
自家発電……。
うふふ。
俺「なんだよ、いきなり笑い出しやがって。だがまあ、復旧するかどうかはともかく明かりになる物が……」

……がしゃん
『ーー……!』

破砕音と共に、悲鳴らしい声が聞こえてきた。
シュー「うわー、たーいーへーんーだー」
俺「そうだな。大変だな。その棒読み加減が」
あの黒光りする化け物が侵入でもしてきたのだろうか?
悲鳴は誰のだろうか?
全ては御米神様のみぞ知る。
次回に続く!
俺「終わってしまえ」
そんな遣り取りをしていたら電気が点いた。