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開催のお知らせ


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夏休み明け、一週目。
休みの間に蓄えた体力も尽き、
一向に治まらぬ蒸し暑さに誰もが倦怠感を抱く時期。

「……まずいな」
「む。どうした軍師」

図書室の一角、クーラーの真下を陣取った軍師の呟きに、
机に突っ伏しながら本を読んでいた素直シュールが反応する。

「今年は異常に、暑い。いや、蒸し暑い」
「湿度は稲の成長にとって必要不k」
「二学期だぞ二学期。授業のレベルが上がる。速度が上がる。
当然テストもより難しくなる。資格試験・部活の大会・文化祭……
ここでいいスタートを切れるか否かは、生徒の士気に大いに影響する」
「……そういうものか」
「そういうものだ」

シュールは、緩慢な動作で読んでいた本……
何語で書いてあるかすら全く検討は付かないが、
何が書いてあるかは大体見当が付く本に自前の栞を挟み、
ポケットから取り出した手帳に何かを書き込みだす。

「十一月の文化祭の収益は学校が期待しているからな。
例年通りいけばあと三週間。早ければ二週間半で、校長から
全校に向けて文化祭の準備開始令がでるだろう」
「ふむ」

顔を決してこちらに向けず、ひたすら書き物を続ける素シュ。
相変わらず聞いてるのか聞いてないのか解りにくい反応だが、
もうコイツとの付き合いも長い。こういう奴なのだ。コイツは。

「この九月病の蔓延した空気で文化祭準備を迎えるのは、あまり好ましくない。
ここらで一つ、学生側に特に準備無しで盛り上がれるようなイベントが欲しい」
「つまり、こういうことか」

手帳のメモページを引きちぎり、こちらに弾く。
締まりのない、脱力感あふれる素シュ独特の字が、びっしりと敷き詰められたそこには。

「……素シュ。お前も出るのか」
「賞品を変えて良いなら是非そうしたい。が、この時期は田んぼから手が離せない」

なるほど。……これなら確かに、参加者側に特に準備はいらない。
必要な奴がいたとしても、それは趣味の延長になるだろう。
一般の学生も、それなりに盛り上がってくれるだろう。

「しかし、これだと問題は運営側の準備だな……アテはあるのか?」

手帳をなおし、再び読書にかかる素シュ。

「コメ、もといコネがある」
「……つまらんぞ」
「すまん」

沈黙。
プツン、と音を立て、クーラーの風力が切り替わる。
強さを増した冷風の音が、妙にもの悲しい。

「……今日中にまとめなおして清書、学校側に提出してくる。
コネ、とやらの方は任せていいのか」
「うむ」

二人は同時に席を立った。
軍師は何かを呟きながらメモを粉々に破り捨て、図書室を出た。
シュールは黙って、空いたクーラーの真下に席を移した。


翌日。
全学年各クラスに、武闘大会開催を知らせるプリントが掲示された。

   ○月○日
全校生徒諸君
   校内武闘会開催のお知らせ
   企画部

 次週土曜○日、校庭にリングを設け、
 1対1の武闘大会を開催する。
 概要は下記。


 ・受付は本日より、当日7:00まで
 ・本校の学生以外の参加は不可
  召還は可
  意思感情を持つものの召集・転送は不可
 ・武器の使用は許可するが、試合前に
  運営による点検・審査を行う
  審査内容は観客席での実況に使用し、
  対戦相手には知らされない
 ・降参・場外・死亡の他、
  第三者の協力があった場合、敗北とする
  大会参加者が協力した場合、その者も
  即時、反則による敗退とする
 ・試合後、疲労・死亡・状態異常は、
  運営によりある程度回復される

 その他詳細はパンフレットに記載。
 職員室前にて配布中。

              以上
運営協力:魔王一家