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【紅い薔薇は】俺とシュール【カーネーション】


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side other

時間は少し戻る。
勢いで廊下に飛び出て来たものの当てもなく。
また、一人でいるのも寂しくて怖いと思うBであった。
B「ちょ、誰も追ってきてくれないのかよ」
友達の少ないBであった。
B「五月蠅いよナレーター。森本レオの声に似てやがって」
だから何故、この声が聞こえるのでしょう。
その時である。
Bの耳に入ってきた足音。
背後から、急いでいるように。
誰が来るのか?
もしかしたら自分を追ってきてくれた誰かかもしれないし、または先程聞いた化け物なのか。
おっかなびっくりと、Bは立ちつくして足音の主を待った。
そしてひょっこりと廊下の陰から現れたのは……。
B「おおお、やっぱり来てくれたんすね!」
?「……まあな」
言葉少なに喋る。
見知った顔に、不安や不満を吐き続けるB。
それを黙って、相槌を加えながら聞く影。
B「……なのに皆ときたらなぁ。どー思うよ?」
?「……そうだな」
B「さっきから言葉少ないなぁ。気分でも……、って、何それ?」
?「……すまんな」
ソレの手に握られていた、ソレは……。
B「え、あ、ちょ……」
ぞぶ。
B「あああああああああああああ!アッ-!」


side 俺

停電から復旧した廊下を、俺を先頭に進む。
あの後、悲鳴が聞こえた後に俺達はこの館の発電原理について語ってしまっていた。
いやいや、シュー氏の『アルテネンケン理論式米発電』は世紀の発見だと思う。
まさか米でそこまで出来るとはなぁ……。侮れない。
急ぎ足風味で来た(と思しき)廊下を戻る。
本当にこれであっているのかは、いささか自信がない。
と、見覚えのある扉が見えた。
俺「あそこだよな?」
シュー「だといいわね」
俺「違ったら?」
シュー「違う部屋じゃないかしら」
たまに正論を言うからシュー氏は困る。
ともかく今は、皆と合流して安全を確認するのが先決である。
扉に手を掛けてノブを捻る。
頬に、風の流れが中る。
ぎいぃいぃいぃ……。
歪な音を立てて開く扉、そしてわずかに吹き込む風。
俺「……」
シュー「前衛的な部屋になったわね」
打ち砕かれた窓が、風に揺られてきぃきぃと音を発している。
部屋には、誰もいない。
ゆうや、日和、鮫子、ツン。
皆何処へ行ってしまったのだろう。
無事でいるのだろうか。
俺「……見たところ血痕の類はないな」
それが唯一の救いだろうか。
シュー「見てみろ、俺氏。こんな場所にメガネがあるぞ」
俺「誰のだよ」
シュー「しかも鼻眼鏡だ」
俺「髭ダンスでも踊ってやがれ」
一度廊下に出て、皆がどっちへ行ったかを考える。
シュー「ところでな、俺氏」
うん?なんだ。
シュー「廊下。よく見てみんしゃい」
言われて俺は足元を観察する。
俺「なんだこれ?」
何か跡がついている。
何かを引きずったような細い跡だ。
それは廊下をほぼまっすぐに走っていて、一旦この部屋に入ったと思わしき痕跡となっている。
シュー「そして俺蛆」
俺「蛆!」
シュー「窓硝子だが、どーも内側から割られたようだな」
シュー氏の言葉に、改めて室内を観察する。
……確かに、部屋の中に散らばった硝子片が少ない。
少なくとも、外部から侵入されたのではないみたいだ。
俺「ここって二階だったのか」
シュー「みたいね。階段を上ったり降りたりで間隔があやふやになる」
俺「梯子上ったり穴に落ちたりな」
どんなアトラクション施設だ。
俺「動くか。じっとしてても埒があかないしな」
シュー「らーじゃ」


side シュー

はなめがねのすばらしさについて。
さんねんでぃーぐみ すなおしゅぅる。
はなめがね、あれは、いいものだ。
おんなのわたしでも、どうにかなっちまいそうだぜ。
それくらい、すばらしい。
おこめさまがじゅうだとするなら、はなめがねはさんくらい。
あれ?そんなにすばらしくないや。
かんわきゅうだい。
シュー「ところで俺氏」
俺「ん?」
シュー「この、廊下についた跡の先に何があると思う?」
俺「素晴らしきエクレアの世界。だったらいいな」
シュー「残念ながらそれは出来ない相談だ。何故ならこの先にはお米の世界が広がっているから」
俺「何処の田んぼだ」
私達はくだらない会話をしながら廊下を歩く。
ふむ、よく考えたら普段とあまり変わらないではないか。
学校で皆を混乱の渦に陥れたりする毎日。
だがまあ、それはあの学校、あのクラスでは普通の事だった。
男と仲のいい俺氏とは、必然的に話す機会が多い。
ボケにも突っ込みにも回れる器用な人材。
その割には何処か冷めている。
把握するのめんどい。
米。
俺「なあ、シュー氏」
シュー「ほいさ」
俺「思ったんだけど、このまま進むとさ……」
言われて私は、なんとなく見覚えのある場所を歩いている事に気付いた。
シュー「このまま行くと、あの素敵な惨殺空間ね」
俺「そうだよなぁ」
気分が重くなったのか、少しだけ歩調が遅くなる。
俺「確かそこの角を二つほど曲がった先に……、ってあれ?」
だがそこにあったのは綺麗に清掃された廊下。
ん?壁になんか張り紙がしてある。

『血塗れの廊下は衛生上悪いから綺麗に清掃。それも美オッサンの心遣いなのです』

美オッサン、やるわね。


side other

やっぱり時間は少し戻る。
一組の男女が出て行った部屋。
残された四人。
沈黙だけが支配する。
ツン「大丈夫かしら、あの二人」
鮫「大丈夫でしょう。だから出て行った」
ユウヤ「でも、あんな話を聞いた後だと余計さ……」
日和「Zzz」
鮫「でも、それはあの二人が見たってものであって、私達が直接見た訳じゃない」
ツン「あの二人が嘘を言ってるっていうの?」
鮫「そうは言ってないけど……」
ユウヤ「やめようよ。これ以上誰かを疑うのなんて嫌だよ」
日和「Zzz……だょ……」
再び沈黙が支配する。
そして停電が起こる。
パニックに陥った者こそいなかったが、明から暗へ、一瞬の転化は混乱を呼び寄せた。
がちゃりとドアの開く音。
?「大丈夫か、お前等?」
ツン「その声、あんた……」
?「いいからこっちだ急げ」
ユウヤ「急ぐって……」
がしゃん!
破砕音。硝子の砕ける音。歪な光を放って舞う硝子片。
その後の行動は皆、闇の中で早かった。
寝転がっていた鮫子が日和を担ぐ。
ゆうやとツンが先に廊下にでる。
次いで鮫子と日和。
そして最後に影が、にたりと笑う。