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plus 殺鬼


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ギィッン――

狂「!?」
金属同士の接触音。
目を見開く狂う。

俺「ヒーロー見参!!」

少年が鉄パイプ片手にポーズを決める。
殺「…どうして……?」
何で此処に……?
私と狂うしか知らない場所なのに……
狂「……邪魔する気?」
怒りの籠もった声を発し、彼女が少年を睨み付ける。
しかし、少年は怖じ気づくどころか、表情に余裕の色さえ浮かべている。
俺「丸腰で凄まれたって全然怖くないよ~♪」
狂「え?あれ?私の包丁………」
先程の接触の際に、彼女の手から包丁が弾き飛ばされたらしい。
俺「俺は鉄パイプ、君は丸腰………さぁて、どうしようかな~♪」
狂「お、男のくせに、女の子相手に武器使うなんて最低だよ!?」
俺「アイアムアヒーロー。故に正義は我にあり。ヒーローは何をやってもいいのだー!!」
狂「ひ、卑怯者ぉ!!この最低男ぉ!!」
俺「あ゙ーあ゙ー。聞こえなーい。何にも聞こえなーい(゚д゚∩)」
狂「聞けよ!!」

俺「大丈夫ダヨー。痛クシナイヨー」
狂「く、く、来るなバカーッ!!」
少年は鉄パイプを両手でしっかりと握り、ジリジリと狂うを部屋の隅へと追い込む。
狂「………あ」
俺「あ?」
突然、間の抜けた声を上げる少女。
そして徐々に表情が変わっていき、数秒後には満面の笑みを浮かべていた。


狂「あは♪忘れてた~。ナイフ持ってたんだった♪」
俺「(´・ω・)……忘れるなよ」
狂「形勢逆転~♪」
俺「だが、鉄パイプ対ナイフなら、まだこちらが優せ

スパパパパー

バラバラになる鉄パイプ。
俺「それなんて斬鉄剣?」
狂「あはははは♪残念だったね。ヒーローさんはここで死んじゃいま~す」
俺「ヒーローなのに?」
狂「最近のヒーローは死亡率が高いからね~」
俺「あ~、なるほど。世知辛い世の中になったというわけだ」
狂「そ♪というわけで、死んでくださ~い」
俺「だが断る」

狂「バイバイ、ヒーローさん♪」
ヒュ――バッ!!

狂「あれ?」
?「…はぁ……はぁ…僕が間に合わなかったらどうする気だったんだよ、俺」
振り下ろされようとした狂うの腕を掴んでいたのは―――
狂「ふぇ!?お、男くんっ!?」

カチャリ

男がどこからともなく取り出した手錠で、狂うの腕を拘束した。
男「とりあえず、狂う。いい子だから、お前はおとなしく待機な」ナデナデ
狂「あ、あは♪うん、待機する!……その後は………二人っきりで……////」
顔を赤くしてブツブツと何かを呟いている狂うを無視して、男は少年と一緒に横になっている私の方へ歩いてきた。
男「さつきさん、大丈夫かい?」
殺「なんで、あなたたちが………?」
男「僕は俺に呼ばれただけだよ。『駅向こうにある廃病院に手錠でも持って来い』ってね。ちなみに、僕が手錠をどこで入手したとかは内緒ね」
俺「俺は君が真剣な顔して歩いてるのを見つけたから、それを追いかけた。そこに狂うちゃんが来た。何かありそうだと思ったから、男を呼んだ。そして、現在に至るってわけさ」
殺「余計なことを……」
男「余計?」
二人が怪訝そうな様子で、私の顔を見つめる。
殺「私はここで死ぬべきだったの」
だけど、もはやそれは叶わない。
殺「あなたたちを殺さずに済むなら、私なんてどうなってもよかった」
だけど、もうそれすら叶わない。

殺「死ぬのよ。皆、死んジゃウの。誰も止めラレない。誰モ私を止められナイ」
男「さつきさん?」
立ち上がる、殺人鬼。
その眼には、狂気。
殺「私ハ殺人鬼。人間ヲ殺す鬼。殺サなキャ生キラれナイ?ダかラ殺シテタ?違ウ。私ハ殺スノガ好キナダケ」
狂「ダメ!!逃げてっ!!ソイツはもう、『さつき』ちゃんじゃない!!」
彼女の変化に気づいたのは、もっとも彼女のことをよく知っている親友だった。
殺「ソウ。私ハ『殺鬼』デアッテ『さつき』デハナイ。彼女ハ私ノ理性。私ハ彼女ノ本能」
狂「手錠を外して男くん!!ソイツは私にしか…………」
俺「………?」
言葉を止めた狂うの方を、少年が振り返る。
そこには、目を見開き、ガタガタと体を震わせている少女の姿があった。
殺「『私にしか』……何?マサカ、コノ私ヲ抑エルコトガデキルトデモ?」
狂「あ……あぁ………いや……ごめんなさい……ごめんなさい………ごめんなさい………」
彼女の殺気に威圧されたのか、狂うは腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。
殺「精神ニ『殺鬼』ヲ宿シタ『人』。ソレガ『殺"人"鬼』。タダノ狂ッタダケノ人間トハ、格ガ違ウンダヨ」
男「…今までさつきさんが行っていた殺人は、全部お前がやっていたのか?」
殺「勘違イヲスルナ。私ハキッカケヲ与エタダケダ。私ガ実際ニ人ヲ殺シタノハ、最初ノ一回ダケダ」
俺「最初ノ一回……?」


殺「……中ニイル『さつき』ニモ聞コエルガ、今トナッテハ関係ナイダロウ。教エテヤル。私ト彼女ノ過去ヲ」