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僕たちふたりの始まり


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ゲタ箱に入っていた便せんは、定規を使って書かれた四角い文字で埋まっていた。
『放課後、会長に話したいことがあります。』

終了のチャイムが鳴り解放感でいっぱいになった教室から外に出る。
学校の正門で立ち止まり、散々迷ったあげく学校に足を戻した。
『僕は今どんな顔をしているんだろう』そんな事を考えつつ、
楽しそうな表情の生徒たちの流れを横目に生徒会室にむかう。
イタズラかなにかであって欲しいと思っている。
生徒会室のドアを開けると少し肌寒い風が横を通る、
揺れるカーテンに包まれた君は夕焼けに似た暖かい笑顔で迎えてくれた。
「来て、くれたんですね」

少し意外そうな顔を、私に向けながら彼は後ろ手でドアを閉めた。
「……先輩」
親しくしたことは無かったから、会長と書記それ以上の関係は無かったから
今まで黙っていたのはちょっと重要なことだから……もう私は言えるから。
きっかけはたくさんあるけど。
最初はただ、私のそばで話を聞いてもらいたかったの
「……私は先輩のことが好きです」
白い歯のこぼれる苦笑にも似た微笑みをするあなたが好きです。

とんでもなく良い人のあなたが

イタズラじゃないのか……

後ろ手でドアを閉め、窓際に立ったまま何かを考え込んでいる様子の彼女に目をむける。
「……先輩」
頬と耳のあたりが少し赤くなっている彼女は優しい声を響かせる。
10月を過ぎて日が落ちるのが早くなって、赤く染まった空が窓から入り込み
彼女の背中を押しているように見えた。

「私は先輩のことが好きです。」

ふと見とれていた自分に気づき苦笑が押し寄せてくる。

決心と一緒にギュッと手を握りしめた。

これが僕たちふたりの始まり―ー…