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ひより日和06

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あらすじ

何かが変わった

その何かに誰も気付かず

その何かは日和とゆうやの間を押し広げ

その何かに関係なくまた一日が終わる



 ピピピ ピピピ ピピピ ピピピ
日「・・・・・・ぅんん・・・?」

早朝6時30分、日和は単調かつ不快な電子音で目が覚めた。
曇りのせいか、まだカーテンの向こうは仄かに暗い。
日和がまだ開ききっていない目で隣を見るとゆうやはまだ寝ていた。
なぜ目覚ましが鳴っているのだろうと疑問に思いながらも日和は目覚ましを止め、
ゆうやを起こした。

日「ゆうや・・・ゆうやぁ・・・」
ゆ「・・・・・・」
日「ゆうやぁぁ・・・ゆうやぁぁぁ・・・」
ゆ「・・・ん、ぅんんん・・・・・・ん?」
日「ゆうや、目覚ましなってたよ?」
ゆ「・・・・・・ん・・・・・・・・・えっ!?」

ゆうやは布団から跳ね起き、時計を確認する。
その針は6時35分を示していた。


時刻は6時40分
フライパンで卵を焼く音が部屋に響く。
ゆうやはいつものように台所で2人分の目玉焼きを作っていた。
ただしいつもと違うのは食卓にはすでに日和が着いているということだ。
そして当の日和はテーブルに頬を載せながらテレビを見ていた。
その目は今にも閉じそうである。いつもより30分も起きるのが早いのだから無理もない。
そんな様子の日和を見てゆうやは小さくため息をついた。

ゆ(はぁ・・・なんでだろう・・・今まで目覚ましが鳴る前に起きれなかったことなんてなかったのにな・・・)

そんなことを思いながらもゆうやの頭の中では一つの答えが見つかっていた。
昨日の『女』との再開である。
ゆうやは本屋での様子を思い返していた。


女『あれ・・・?もしかして・・・・・・ゆうや君?』
ゆ『なんで僕の名前を・・・・・・ん?もしかして・・・女!?』
女『やっほー!久しぶり!』

彼女の名前は『女』。

ゆ『久しぶりだなぁ・・・中学のときだっけ?女が転校したのは』
女『そうそう、中学2年のときだね』
ゆ『いつこっちに帰ってたんだ?』
女『1週間ぐらい前かな、今度のお父さんの転勤先がここだったのよ』
ゆ『へぇ、それは凄い偶然だなぁ』

ゆうやが小学生のとき隣の席になったのがきっかけで、それ以来彼女が転校する中学2年の時まで
仲良くしていた、言わば幼馴染である。

女『でしょ?今あそこのマンションに住んでるから今度また遊びに来てよ』
ゆ『・・・あぁ、わかった。引っ越し祝いも持っていくよ』

そして



日「・・・ゅ・・・ゃ・・・」
ゆ「・・・・・・」
日「・・・ゅぅ・・・・・・ゃ・・・」
ゆ「・・・・・・」
日「・・・ゆうゃ・・・ゆうや・・・」
ゆ「ん!あぁごめんごめん、何だ?」
日「焦げてるよ?」

そう言われてゆうやがフライパンを見ると、もくもくと黒い煙が上がっていた。
慌てて火を止めるが卵の白身の部分は見事なまでに真っ黒になっている。

ゆ「・・・はぁ・・・・・・もぅ、おにぎりだけでいいか?」
日「・・・うん・・・」

ゆうやは真っ黒になった目玉焼きを捨て、大きく肩を落とした。


7時30分
支度を終え、ゆうやと日和は家を出た。空は厚い雲に覆われて少し肌寒い。
太陽が見えないためにいつもの道もどこか暗い雰囲気である。
曇り空はゆうやを憂鬱にさせた。

ゆ「ごめんな、日和。弁当作れなくて」
日「いいよ。今日は食堂でカレー♪」

結局この日は弁当が作れなかったのだ。日和は初めての食堂に声を弾ませている。
しかしその声とは裏腹に、日和は内心戸惑っていた。
今までゆうやが弁当を作らなかったことはなかったのである。

ゆ「さて、行こうか」
日「うん」

そう言ってゆうやは歩き出し、遅れて歩く日和を振り返った。
ちゃんと日和が着いてきていることを確認した後、彼の目はある建物に向けられた。
女、つまり彼の初恋の人が住むマンションへと。

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