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ユリ短編


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          こ
          の
          物
          語
          はBADENDです



皆死んだ

世界が死んだ

何が起こったのかわからない

もしかしたら俺のいる街だけの、小さな災害だったのかもしれない

きっと、あの線路を辿れば

そこには光が満ち溢れているだろう

そこには笑顔が満ち溢れているだろう

俺も、ここにいたら、もうすぐ死ぬ

飢えで死ぬ

病で死ぬ

疲労で死ぬ

そうなる前に、ここからいなくなろうか

生きてるものは、皆いなくなった

この街にあるのはただ一つ


それは、耐え難い苦痛

悲しみの言葉

俺は、それが怖かった

死が、怖かった

だけど、それ以上に怖かった

全ての生きるものは死んだ

だけど、この街に居る者がいる

あいつは、死なないから

あいつは、死ねないから

死ねないくせに、身体がひ弱で

俺が居ないと何もできなくて

俺は覚悟した

あいつは言った

「ユリも、早く行ったほうがいいよ?」

どこに?

外の世界に

世界?

世界ってなんだ?

俺にとっての世界は

この街、この景色

そして

あいつの、傍だろう

「ごめん」

俺は謝った

「でも、俺は、ここがいい」

困惑するあいつの顔が、少し可笑しかった

俺はあいつの冷たい手を握る

「ここがいい」

どうせ死んでしまう世界なんだ

それならば、少しでもお前の傍がいい

そして

世界は死んだ

残ったのは

あいつの、涙だけだった

               -fin-