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第2章

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匿名ユーザー

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男「いや、悪い…少し思い出し怒りをな…」
クー「そうか、思い出し怒りか」

男は嘘をついて、なんとかクーを誤魔化した(渡辺さんが内藤に捕まりました

男「それで?なんでそんな格好をしてるんだ?」
クー「そんな格好?」

男の言葉にクーは纏った鎧を見下ろす
同じように男もクーの鎧を見た
全体的に白く、肩の所には青い玉が埋め込まれていた
なんと言うか…正義の勇者っ!みたいな感じだ

男「お前にしては珍しく派手だよな…」
クー「そうか?まぁ、王宮に来た以上は正装で来ないといけないのでな」
男「王宮?」

クーの言葉に辺りを見渡す
木の机の上には何やらカラフルな液体が入ったビンや、何かの資料らしきものが在った
木の戸棚には広辞苑並に分厚い本の数々…
石のブロックで出来た壁…

男「マテ、石の壁?」

そこで漸く気付く
自分が今の現代にはそうそう在りえない……RPG等で出てくる科学者や魔術師の研究室のような部屋に居る事に…

男は慌てて再度、辺りを見渡す
机、カラフルな液体の入ったビン、本棚、ベット
渡辺さんに抱きつく内藤
それを見守る冷
クーに助けを求める渡辺
そんな渡辺さんに気付かずに男を見ているクー
見慣れたものなど何も無い

男「ちょっ!?ここ何処よ!?」

男はそう言ってクーの肩を乱暴に掴む
クーはそれを特に気にせずに眉をハの字にする

クー「なに?知識を手に入れてないのか?」
男「知識?」
クー「渡辺さん、どうやらおかしな事が…」


渡辺「ふぇぇん、助けてくださいぃ~」
内藤「ツン、あったかいんだお」
冷「がんばれ(棒読み」


何やら大変な状況になってる渡辺さんに気付いた

内藤「ぽっかぽかなんだお」
渡辺「放して欲しいですぅ~」
冷「もう少しで抜け出せるぞぉー」

クー「……ふむ」

暫く、その様子を見ていたクーは漸く…渡辺さんの元へと近づいた

クー「これは人か?」

そう言ってクーは傍観していた冷に尋ねた
冷は目を閉じ、考えるように少しの間…沈黙した後…

冷「生物では…在ると思う」

と、答えた
冷の言葉に「そうか…」と頷くと腰に差してあったレイピアを抜き…内藤目掛けて突…

男「ちょっと待てぇ!!」

レイピアが内藤の頭に刺さる直前でなんとか男が止めに入った

男「いきなり殺すなっ!!」

いきなり止めに入った男に冷とクーは疑問符を浮かべた
まさに「え、この人何言ってるの?」ってな感じに…

クー「魔物の一種じゃないのか?」
冷「そうだな」

レイピアを下ろすクーの言葉に冷も頷いた
まさにそれこそが真実だと言わんばかりに…

男「転入生っ!お前はそいつの同級生だろうがッ!人だって分かるだ…」
冷「人外のクラスがあるんだ、1人くらい紛れていてもおかしくはあるまい」
男「………」

冷の言葉に一瞬、確かに…と納得する男
だが、すぐに顔を振ってその考えを追い出す

男「それでも生き物をそう簡単に殺しちゃイケマセンっ!」
冷「だが…」
男「だがも、しかしも、かかしも無いんだよッ!!」

反論し掛けた冷に男は畳み掛けるようにそう言った

でも、冷はそんな男の事等気にせずに述べた

冷「そいつ、もう起きてるぞ」
男「は……?」
冷「いや、俺が起きた頃には起きてるはずだ」
ビクッ!

冷の言葉に沈黙が部屋を包む
首をゆっくりと動かし…何やら動いたモノを見る

内藤「………(汗」

先程、クーに貫かれかけた頭には大量の汗が浮かび上がっていた
男は無言でコツコツと内藤と渡辺さんに近づく

男「………」

そして…無言で内藤の後頭部を見下ろした
何も言わず、何もせず…ただただ見下ろす
その間、内藤の頭からは汗が流れ続ける
どれくらい経っただろう?
数分とも思えるし、数十分とも思える時間が過ぎた頃…
ゆっくりと内藤が顔を上げた

内藤「お茶目だお」

踏み抜いた
ダン!ダン!と連続でその場で地団駄を踏むように内藤の頭を踏み続ける(ちなみに渡辺さんは冷とクーで保護しました
床が紅く染まった頃、ようやく頭から足を離す男

男「で、ここは何処なんだ?」
クー「ここは双思国第三研究所だ」
冷「ん…?劇じゃないのか?」
クー「劇?いや、違うが…」

何事も無かったように話す3人
(渡辺さんは内藤が紅く染まりだした頃に木を失っている)
クーの言葉に男は尋ねる

男「あぁ~…これは【何か凄いのが暴れてるから倒してくれる人を召喚ッ!】的な事か?ファンタジーでよくありがちな…」
クー「ふぁんたじー?それがなにかは分からないが…まさにその通りだ」
男「え、そうなの!?」

適当に言った事が当たり、驚く男
クーはもう一度、大きく頷くと話し出した

クー「現在、この世界では3つの国が争っている
   一つは、私達【双思国】
   まぁ…私達は中立を保っているがな
   正確に争っていると言うのは【狂思国】と【異端者】だ」
男「異端者?」
クー「人では持ち得ない力を持つもの…分かりやすく言うなら人外だな」
冷「つまりB組か」
男「あぁ~…なるほど」

冷の言葉で男は理解した

クー「……?異端者に名前は無いと聞いたが……B組と言うのか?」

男達の言葉にクーは首を傾げた

男「いや、気にしないでくれ」
クー「ん…?わかった」

男の言葉に素直に頷くクー
その様子に男はなんとなくクーの頭を撫でた

クー「何をしているんだ?」
男「あ、わりぃッ!?」

不思議そうに見上げるクーの言葉に男は我に帰り、慌てて手を離した

クー「なんだ、もう終わりなのか?」
男「は…?」
クー「その、もう少しやってもらいたいぞ」

微かに頬を紅く染めつつクーは男を見上げた
紅く染まる頬、少し潤んだ瞳…
撫でてやった
わしゃわしゃと思いっきり撫でてやった

クー「~~♪」

撫でられているクーは目を瞑って嬉しそうにしている
それを見た男は撫でるのをやめるにやめられなくなっていた

冷「そろそろ二人の世界から戻ってきてくれ」

冷の言葉で漸く他にも人が居る事を思い出す男
クーの頭から慌てて手を放す
放す時に悲しそうな目をしていたクーに罪悪感を感じつつ目を逸らす
クーは残念そうに小さくため息を吐く

冷「それで?俺達は誰と戦えと?いちお、ここは中立国なんだろ?」

冷の言葉にクーは顔を上げる
先程までの残念そうな顔はもう無かった

クー「あぁ…私達が戦っているのは…その二つの国、両方だ」

冷「両方…?」

クーの言葉に冷は眉を顰める

クー「あぁ、私達の国を奪えば戦況は傾き、世界を制する事すら可能だからな」
冷「だが…この国にだって軍事を担う者は居るはずだろ?」
クー「居るには…居るんだがな…」

口を濁しつつクーは渡辺さんを見る
冷と男も同じように渡辺さんに目を向けた

クー「彼女は渡辺"妹"…魔法部隊総指揮者だ」

男「はぁ!?」

クーの言葉に驚く男
冷も声には出さないが僅かながら驚いていた

男「待て待て…渡辺"妹"ってなんだ!?」
クー「言葉通り、渡辺様の妹君だが?」

男の疑問にクーは不思議そうに首を傾げる
渡辺さんに妹が居るなどと聞いた事が無かった男は混乱していた

冷「では、姉の方は?」
クー「渡辺"姉"は皇女だ」
男「皇女ぉ!?」

クーの言葉が理解出来なかった
あまりにも無茶苦茶な設定に…

クー「あぁ……どうかしたか?」

ガクリと膝をつく男をクーはきょとん…と見下ろす

冷「情報処理能力が追いつかなくなっただけだ、すぐに再起動する」
クー「そうか?」
冷「あぁ」

冷はまるで男をPCのように例える
クーはチラチラと男を見るが話を続けた

クー「話が逸れたな…
   さすがに片方だけならば何とか出来た…
   だが、両方となると話は別だ
   情報操作、町の防壁の強化、騎士団員の増加、様々な手をやってみたが…」
冷「それでも追いつかないと…」
クー「うむ…」

クーは目を瞑り、一方後ろに下がり…

クー「すまないがこの国の為に戦ってはくれないだろうか?」

そう言って、頭を下げた

冷「嫌だ」

そんなクーを見下ろし、冷は即答した

冷「俺は体が弱いんでな…戦闘なんかしたら確実に殺される」
クー「無理は承知だ、それでも頼む」

冷の言葉にクーは諦めずに頭をさらに深く下げた
冷はため息を吐き、死にかけてる二人に声をかける

冷「男」
男「……ぁ、な、なんだ?!」
冷「………ニヤケ面」
内藤「ブーンだお!!」

冷の言葉で男はどもりつつもなんとか復活した
内藤は名前すら覚えていないので顔で呼んだ
ちなみにさっきまで赤かった床はもう無い
内藤の後頭部にも特に怪我らしきものは無かった
二人の返事を聞き、冷はクーに向き直った

冷「こいつ等を代わりに戦わせよう」
男「なんでだ!?」
内藤「嫌だおぉぉぉぉぉっ!!」

そう言って二人の後ろに下がる冷
嫌がる二人の事等、無視して冷は続ける

冷「だが、取引だ
  この二人を戦わせる代わりに俺達の住む場所、食料、地位はある程度の物を用意してくれ」
クー「元からそのつもりだ」
冷「次に、俺は戦いには出ない……が…この世界には魔法と言うのがあるらしいな?」

男の言葉にクーは頷いた

クー「あぁ…渡辺妹の方はこの国でも上位の魔術師だ」
冷「ならば、俺には魔法を教えてもらおう」
クー「何の為に?」
冷「一つは私的な目的の為
  あとは…こいつ等が死んだら俺が殺されるからな」

そう言って冷は男と内藤を見た
男も内藤も驚いた顔で冷を見ていた

内藤「冷君…」
男「転入生…お前…」

二人は思った
こいつは自分達だけ戦わせるわけにはいかない
そう思っているんじゃないか?
本当は優しい奴なんじゃないか?…と…

冷「戦わなかったら魔法でこいつらをどつく」
男「お前、極悪にも程があるぞ!?」
内藤「外道だおっ!?」

そんな考えは即無かった事にされた

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