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試立新ジャンル学園にテロリストが攻めこんだようです。


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某月某日 0900

エンジンを唸らせ走る、大型トレーラーが一台。
その荷台の中で、彼は銃を握っていた。
足がすくみ、手が震える。
だが、いまさら泣き言はいえない。
数年の月日を費やして用意された、この計画を、自分が台無しにするわけには行かないのだ。

「そろそろだ」

誰かの声が荷台の中で響いた。
ぐわん ばりばり
衝撃が響き、何かが壊れる音が聞こえた。
校門に違いない。
きっ
車が止まって、ドアがバンと音を立てて開いた。
暗い荷台にいきなり差し込んだ日光が眩しい。
立ち上がり、駆け出す。
誰かが叫んだ。

「さあ、聖戦の始まりだ!」

昇降口のドアをぶち破り、銃―AK-47―を構えて、走る。
できるだけ姿勢を低く、銃口が味方に向かないように。
この学校の制圧と、生徒を人質に、帝国主義者どもに鉄槌を下す。
それが彼らの計画だった。
彼の担当は二階の3年D組。
自分と同じ年の人間を襲撃する。
もう一人の同志とペアだ。
その同志は、体も大きく、体格も良い。
話したことは無いが、信頼できるようだった。
さて、目的地に着いた。
同志と彼は目を合わせ、うなずくと、同志、彼の順で中に入った。
中に入ると、やはり授業をしていたようで全員が座っている。
突然のことに、誰もが呆然としている。
同志が、天井に向かって撃った。
ダダダダダン
銃声が響き、女子生徒が悲鳴を上げた。

「われわれは日本共産開放同盟のものだ!
全員立ち上がって、窓側に集まれ!」

流石、迅速だった。
誰のも考える暇を与えていない……様に見えた。
一人の女子生徒が同志にぶつかった。

「ふらふらするな!」

同志の怒声が響いた。
もう一度威嚇すべく、銃を天井に向けた。だが、その手には何も握られてはいなかった。
見ると、ぶつかった生徒の手に、それは握れれていた。
その生徒につかみかかろうとした同志にもう一人女が近づいた。
その手にはナイフが握られ、その手は、流れるように同志の首筋をなぜた。
ナイフの切っ先は、動脈を破っていた。
赤い飛沫が、空中に飛んだ。
彼はどうすることもできなかった。
あまりの出来事に、体が着いていかない。
同志は、力が抜けていくように地面に倒れ、ナイフの女は顔の筋肉ひとつ動かさず、それを見ていた。
そして、こちらを向いた。
その瞳は、動かない表情の中で、返り血に濡れながら、ギラギラと光っていた。

「ひッ」

悲鳴を上げ、彼は女に銃口を向け様としたとき、隣の気配に気付いた。
そこには、刀を構えた武士が立っていた。
ひゅうん
刀が風を切り、彼に向かった。
とっさに銃で防ぐ。
だが、衝撃はそのままに後に吹っ飛ばされた。

「ぐあっ」

目の前に、ナイフの女と武士が近づいてくる。
彼は頭を上げ、銃を拾おうとした。
だが、手がしびれていてうまくいかない。

「その銃は使わない方がいいぞ。銃身が曲がってしまった。」
「えっ」

奥で、またべつの女の声がした。
見ると本当に曲がっている。
彼は恐怖で混乱した頭に、何とかしなければと思った。
が、何もできない。
絶望が彼の頭を支配し始めたとき、今のと同じ声が聞こえた。

「そいつは殺さないほうが良い。情報を手に入れよう。尋問は私がする。」

助かった。
彼はそう思ったが、次の瞬間には考えを改めた。
その奥の女の目も、ギラギラと輝いていることに気付いたのである。