私たち二人は何時も一緒だった
雨の日も風の日も、喧嘩した日も、愛し合ったその夜も
雨の日も風の日も、喧嘩した日も、愛し合ったその夜も
君が言った言葉を覚えてる
「世界はお前が思うより、ほんのちょっと優しい」
「世界はお前が思うより、ほんのちょっと優しい」
だからきっと大丈夫
だから泣かないで、男。私はきっと帰ってくるから
だから泣かないで、男。私はきっと帰ってくるから
私が不治の病に侵されてもう三年になる
高校時代からの恋人『男』は、私の病気を治療する為に
必死に勉強して、お医者さんになった
そして私のベッドの横で、私の寝ているベッドの横で泣くのだ
高校時代からの恋人『男』は、私の病気を治療する為に
必死に勉強して、お医者さんになった
そして私のベッドの横で、私の寝ているベッドの横で泣くのだ
そして私の起きている時は、悲しい気持ちを抑えて
あの頃と少し変わった、あの笑顔を見せるのだ
あの頃と少し変わった、あの笑顔を見せるのだ
それが私にはとても愛しくて、そして……悲しい
姉御「却下」
ヒー「な、何故だッ! まだプロローグじゃないかぁっ!!!」
姉御「あのね、ヒー。私たちの演劇が……」 ペラペラ
ヒー「うん! 1200ページの超大作だ! 凄いぞ男ッ!! クーがまず死ぬんだ、3ページ目で」
男 ←頭痛い
姉御「こんだけの話を1時間で出来るわけ無いでしょう! 却下!」
ヒー「わ、判った……だったらこのキスシーン30分からの一連の流れだけでも…」
クー「ヒーいい加減にしろ……皆真剣なんだぞ、お前の欲求を満たす場じゃないんだ」
ヒー「う、じゃ じゃあ! クーの書いてきた台本出してみろッッッ!!!」
クー「ふん、とりあえず……最初のヒーの事故死のシーンから」
姉御「アンタ達のは却下ッ!! いい加減にしなさい! 大体これは
ビデオにも撮って……卒業後に、ああこんな事もあったね、風ないい思い出になるのよ
出来るだけ皆が登場したほうがいいじゃない、ね?」
ビデオにも撮って……卒業後に、ああこんな事もあったね、風ないい思い出になるのよ
出来るだけ皆が登場したほうがいいじゃない、ね?」
クー「でもだ、将来私と男が結婚して……子供が出来たとき、これを見ている時にだぞ
子供に 『ねえお母さん、この端っこに出てくる北京原人は誰?』 なんて聞かれたら情操教育に悪いじゃないか」
子供に 『ねえお母さん、この端っこに出てくる北京原人は誰?』 なんて聞かれたら情操教育に悪いじゃないか」
ヒー「むむむむう ムキョーーーーー!!! こっ殺すッ!! 今日こそ殺し」
姉御「いい加減にしなさいッ!!! 次ッ!!!」
--200×年 世界は核の炎に包まれた
姉御「却下ッ!! 大体どんなセット組む気なのよ!」
ミリ「ぬ? しかし世界設定がだぞ、男と私だけが生き残ったのだから問題無いではないか」
姉御「その世界設定の時点で問題が大有りよ……次ッ!!」
ボク達は狂っていく
一人一人消えていくクラスメイト、伝染病のようにお互いに広がっていく不信感
そしてその真犯人は! 何と男だったのだ、愛していた男に殺されていく彼女たちに未来は!
一人一人消えていくクラスメイト、伝染病のようにお互いに広がっていく不信感
そしてその真犯人は! 何と男だったのだ、愛していた男に殺されていく彼女たちに未来は!
姉御「却下……あ、あのね、男君が狂っているのはデフォとして構わないんだけどね」
殺人鬼「でしょ♪ じゃーいいじゃない♪ そしてぇ最後にはっ キャッ♪ 私と男君が殺しあうのっ♪ リアルで」
男 ←涙目
姉御「いい加減にしなさいッ! そんな話は文化祭にふさわしくありませんッ!
場末の小汚い舞台で勝手に二人でやってなさいッ! 次ッ!」
場末の小汚い舞台で勝手に二人でやってなさいッ! 次ッ!」
世界を釣る! 男
姉御「ソウゴーーーーーーーン!!!!!」
荘厳「え、あの松方っぽくですわ。最終的には日本海を攻めましょうね♪ 男様と私の二人の夫婦船ですわ」
男 ←気絶
姉御「……はぁ、他に何か台本書いてきた奴はいるか?」
男 「ハイッ! 先生! 『逆襲のシャア』が良いと思います! なぜなら赤いから」
姉御「で、他には?」
男 「ハイッ! 先生! シャア役は男君が良いと思います! なぜなら無敵だから」
姉御「……じゃあシンデレラにでもする? 無難に」
男 「クッ……ハイッ! 先生! 『めぞん一刻』が良いと思います! なぜなら響子さんだから」
姉御「うん? 悪く無いな…先生も好きだったぞ、それ」
男 「ハイッ! 先生! 響子さん役は男君が良いと思います! なぜなら……響子さんを誰かに渡してたまるかぁ!」
姉御「……はぁ……お前という男は」
ツン「ちょ、ちょっと! 男ッ! アンタね女役なんかやれるわけ無いでしょう!」
男 「ほう……じゃあ貴様やるか? あの純粋可憐な乙女の響子さんを貴様がやるか!? ああん?」
ツン「や、やってやろうじゃない! えと、コホン……『お願いだから…私よりも一日で良いから長生』」
男 「ていっ」
ツン「ッ~~ッ!! 痛いじゃないのよ……何なのよッ! 男ッ!!」
男 「黙れッ!! 貴様は響子さんの『き』の字すらやらんわぁ! このオカメがぁ!」
姉御「気はすんだ?」
男 「はい……取り乱しました……すいません」
姉御「次やったら拳骨だけじゃすまないわよ、ったく!」
男 (ぬう……これからオレの大家さん50連発の予定だったのじゃが……うぐぐ)
姉御「それじゃ、他に誰かいい案はあるか?」
男 (てか、響子さんに50連発……ちゅ、ちゅうかそれはヤバいじゃろ……)
姉御「……男、鼻血を拭け、何か無いか?」
ピッ
アホ「先生 『白雪姫』なんてどうだろうか?」
姉御「うん? 白雪姫?」
アホ「そうだ、小人さんも出るしな、配役も結構自由が利いていいんじゃないか?」
男 (……ん? こやつは? 誰だろう……そういえばこいつは記憶失ってから初めて声聞いた気がするわい)
姉御「そうね、小人なら……7人もキャスト潰せるしね、いいんじゃない?」
アホ「だろう? 昨日相棒に読んでもらったんだ、ふふん」
男 「……」
姉御「そ、そう……良かったわね……えっとアホの子ちゃんって18歳よ、ね?」