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男が記憶喪失になったようです22

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だれでも歓迎! 編集
新ジャンル表記一例
※注意:多少ゆがんだ観点多いです

新ジャンル「淡白」=淡白 (すごくアッサリ風味、それでいてしっとり)

新ジャンル全般=男 (ツンと幼馴染)

ツンデレ=ツン (最早語らずとも。男と幼馴染で)
晒していいもんなのか判らないので

新ジャンル「無駄に荘厳」=荘厳 (無駄に荘厳なオーラを常に纏う女、でも本人は気付かない)

ツン母=ツ母 (ツンの母)
オリジナルって事で

男の父親=父親 (海外出張から帰国、あっきらお父さんの恋愛講座~♪)
オリジナル設定



男 「えっとだな、確か……同じクラスの」
淡白「ふぅ、まあ学校ではロクに話したこと無いけどね」

男 「じゃ、じゃあ改めて自己紹介をだな!」
淡白「面倒よ、それより……」

男 「そ、そうか……残念じゃあ」

淡白「はぁ」

男 「そのーせっかくこういう場所で出会った訳だし、その何より――」

淡白「淡白」

男 「へ?」

淡白「名前」

男 「あ……お、おう! 覚えた覚えた!」

淡白「んで? こんな駅前で何してんのよ、こんなに濡れちゃって」

男 「はっはっは、それが不思議な事に道に迷ってなぁ」

淡白「そー」

男 「……言葉に愛が無いのは寂しいよ」

淡白「傘買うお金くらい無いの? 貸してあげましょうか?」
男 「お金……お金。あああぁぁ! た、頼みがあるんだ!!」

ツン「……!」





雑踏

雑踏

雑踏

ツン(何で、何で逃げるのよ……傘、持ってきてあげたじゃない)

雑踏

雑踏

雑踏

ツン「ハァ! ハァ! ハァ! ハァ!」

雑踏

雑踏

雑踏

ツン「ハァ!! ハァッ!! ……ッ痛! あてて、転んじゃった」

傘 コロコロ

ツン(バカ、みたいだなぁ。あたし)

荘厳「ツン、さん?」





ツ母「そう、だったらきちんとお礼は言っておきなさい」

父親「ふぅむ……」

ツ母「ん♪ それじゃまたお家でね」

父親「ツンちゃん? どうだって?」

ツ母「どうやら街中で転んじゃったらしくてね、そこをたまたま
   通りかかったクラスメイトの家族に保護された、とさ」

父親「で、ウチのバカ息子は」

ツ母「知り合いと一緒に歩いてるのを見かけたから、だから
   多分こっちに戻ってくるわよ。だって」

父親「……多分、ウチのバカ息子のせいだろうねぇ」

ツ母「ここぞの運がまったく無いウチの娘もどうなんだか」

父親「ま、こっちはこっちで殆ど寝ちゃってるしねぇ。
   一応男が帰ってくるの待たせてもらおうか」

騎士「zzzzzz」
猫雪「zzzzzz」
火銀「zzzzzz」
弱ツ「zzzzzz」

狐 「ほんに、もう! 皆寝つきが良すぎますえ! んく、んく……ぷはぁー」





男 「……その、悪いな。お金貸してくれただけじゃなく、その」

淡白「こんな薄暗い所にご案内されるとは夢にも思わないわね」

男 「花屋が開いてて良かったわい……っと、確かここ――!?」

淡白「……白いワンピースだけ、じゃない」

男 「そんな、さっきまでここに居たんだぞ!? 何で!? まさか誰かに――」

淡白「落ち着いて、男。よく見なさい」

男 「これ、あいつの背中からはみ出てたへんてこな機械じゃ」

淡白「なぁるほど……アンタが見かけた小さい子はロボットじゃないわね」

男 「へ?」

淡白「……いわゆる人工的に造られた女性型アンドロイド、最近流行の人口幼女よ」

男 「な、何だそりゃ……」

淡白「エネルギーの底が尽くと同時に彼女たちはナノシステムの電気信号の停止と共に」

男 「共に?」

淡白「一瞬にして水になるのよ、それで蛋白物質元素部分以外がこうして残る訳」

男 「……」

淡白「箱詰めの腐乱死体が骨を残して、最後に水になるのと同じ現象よ。本来は10年近くかかるけどね」

男 「そか、ここを意地でも離れないのはその為だった、のかもな」

淡白「……」

男 「でも随分と詳しいんだな! ははっ」

淡白「たまたま読んだ本に載ってただけ」

男 「……見てみぃ、この泥だらけの花」

淡白「ん」

男 「こぉんなちっちゃい子だったぜ、そんな子がこんな夜に草むらでうろうろしてたら
   普通は声かけちまうわな。少なくともオレはそうだ。きっとお前もそうだ」

淡白「……どうかしら」

男 「んで、ご主人様が亡くなったって聞いてな、俺が引き取ろうとしたんだけど
   ダメだった、はは……ふられちまった」

淡白「このワンピースと、ジェネレーター、どうする?」

男 「忘れたく、無いんだとさ。記憶のバックアップが取れないから」

淡白「男」

男 「オレがやる、ここに買って来た花と、添えておくさ」

淡白「……ん、少し外すわね」

男 「……おう、わりぃな」

淡白「……」

男 「……」

淡白「綺麗な花ね」

男 「へ!? あ、ああそりゃあ花屋で買った花だし」

淡白「そっちじゃ無いわ、彼女の摘んできた花よ」

男 「……」

淡白「雨で泥が全部流れ落ちて、凄く綺麗」

男 「……」

淡白「さて、そろそろ行かないと、男の家族も待ちぼうけしてるわよ」

男 「ああ」

淡白「ねぇ」

男 「んだよ」

淡白「……」

男 「んだよ!?」

淡白「……別に記憶無くても貴方はそのままで良いと思うわ、少なくとも私は
   それにしても、顔中雨でべちゃべちゃじゃない……もう」

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