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男が記憶喪失になったようです(仮)50

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
登場ジャンルより表記一例


※注意:多少ゆがんだ観点多いです


新ジャンル全般=男

ツンデレ=ツン

新ジャンル「淡白」=淡白



新ジャンル「通訳」=通訳(ひたひたと散歩する ゆらゆらの頭は空っぽで きちきちした目的なんてうわのそら)


駅前


「ハァ!ハァ!ハァ!」


雑踏

「どこ?」

雑踏

雑踏

「どこなのよぅ…男」

雑踏

雑踏


強風

ツン「あうっ、、、!」

ツン「風っ…強いっ、、、こんな、嵐がきてるってのにっ……!」

ツン「どこほっつき歩いてるのよぅ!バカ男!携帯に連絡も…―――あ、」

雑踏

雑踏

ツン「そうだ…GPS携帯持たせてるんだった……」

 ゴソゴソ…

携帯  ―――パカッ

ツン「メールも着信もこんなに来てる……男…」

ツン「心配かけてごめん…その前に居場所だけ、確認させて」


 GPS

 男

 in

ツン「――――っ」



 思い出の

 公園




ツン「…………………………………………」

ツン「はは…」

ツン「あはは」

ツン「なによぅ…」

ツン「人に、かけるだけ心配かけてっ……あげくに…大変な目に合せてっ」

ツン「自分は勝手に記憶失って、勝手に記憶取り戻して……バッカじゃないのっ?」

ツン「バカで…トンマで…どこか抜けててスケベ顔で…」

ツン「そのうえ鈍感で、ヘタレで、目つきの悪いスットコドッコイで…」

ツン「何時だって前を向いてて、純粋で…真っ直ぐで…夢見がちで……」


 雑踏

 雑踏

 雑踏

ツン「―――男ぉぉっ……良かったよぉぉ…」ギュッ

 ◇ ◇

 公園

 もはや薄闇

 ベンチ上の二人へ

 強風


男「うぅぉ!」

淡白「……っ」

 ビョオオオオオオ!

男「ぉぉぅ…木がしなっとるわい……」

淡白「………」

男「し、しかしこんな近くにあったなんてなあ!公園!びっくりだわい!」

淡白「そうね」

男「これまでの苦労はなんだったのか―――なんつってよぅw…はは」

淡白「………」

男「ツンもいないし、さすがにこりゃあ警察に電話して―――」

淡白「………」

男「してー…」

淡白「………」

男「あー…」

淡白「………」

男「その………今日はありがとな?いろいろ良くしてもらって…」

淡白「お互い様。デートに付き合ってもらったんだから、むしろこっちがお礼を言うべき」

男「だ、だなあ!ギブアンドテイクっつうかな!ケースバイケースつうか!うんうん………」

淡白「………」

男「で。そのー、だな…大丈夫か?こんなに風強くなってるし…家、帰るのに…」

淡白「このすぐ近くだから。家」

男「そ、そっか…じゃ、じゃあ、とりあえずウチまで送ってくか?暗くもなってきてるし、、、」




 男

 立ち上がりかけ




男「――――え?」

 つかまれる







淡白「………」


 男 ベンチへ トスン


男「な、なんじゃいっ?」


淡白 ……

淡白「―――けて…」


男「な、なんて言っ――」

淡白 ズイ…

男(んなっ!)

淡白「………っ」

男(ちょ、、、顔、顔近ぇ!い、息かかっとるじゃあねえかぃっ…!!)バクバクバク

淡白「………男」

男(つかヤベ、、、胸当たって、どころか腹も、、だけでなく――ええい全身当て放題ってなんじゃい!)ドキドキドキ

男(や、柔らけ、、髪だって細かくて、、肌も白くて、、『白磁』って見たことねえけど…こんなんか?)ドッドッド

淡白「………」

男(意識してなかったけど、顔も整っててめっちゃキレイだしよう…鼻すじとか柳眉?とか……)

男(なんつうか、神様ってのがいるなら、こんな感じで……)

淡白「っ」

男(引き締めた口元も、、あぅぅぅ、、、潤んだ瞳なんか、、こうやって見つめられた日にゃぁ…)

淡白「なにかいってよ…『男』」

男「なにかっ、て?」

淡白「………」

男「映画のっ、話っ、とか…?」

淡白「―――っ」

淡白「………」すぅ

男(ちょっ、、、何故閉じる?何 故 そ こ で 目 を 閉 じ る ?)バクンバクンバクンバクン

男(え…これってもしかして…―――『キス』か?接吻とか口づけとかいう。ベロとかフレンチとか…ある…)

淡白 んっ…

男( キ ス で す よ 。本当にありがとうございました。
   俺、、、キス迫られてんのか?マジか?デートってそこまでやるつもりだったのかっ…?)

淡白「………」

男(う、うぉぅ…そこで目を開けるか卑怯者めぇ、、!)

淡白「―――」

男(―――あ…)

男(やっぱり……おかしいだろ…なんでそんな……途方に暮れたような目で見てくるんだよ…)

男(わからんっ。最初から…そんな目、してたよな……)

男(他の奴らとは何か、違う……お前だけは、なんだか……なにか解らんが………
   オレに対して距離を取ってるような……遠慮してるような……
   古本屋でも、映画館でも…最後まで嬉しそうな顔はしなかったよな
   ここでも、そうなのか?オレがキスしても……お前はずっと苦しいままで何にもならないで、、、それで…)

淡白「男…」

男(だあああっ!!そんなんじゃねえだろ!!なんでオレはゴチャゴチャ考えてんだよ!)

淡白「たすけて…」

男(現にこいつは、苦しんでるんじゃねえか……なんでかなんて解らんけど…)

男(そんな奴が、こうして、求めてるんだ…)


淡白「………」


男(だったらちゃんと応えてやらないと可哀想じゃねーか…)

男(それに…いつか誰か一人を選らばないといけないってんだから…―――)




 ゴオオオオオオオオオオオオォォォォォ!




 ―――コイツは、他の奴らとは違う。そういう意味でなら、もしかして…



 ◆

ツン「ハァ!ハァ!ハァ!!ハァ!!」

ツン「男…男っ…ハァ!ハァ!」

ツン「小さい頃から好きだった。ずっとずっと、好きだった」

ツン「小学校にあがって勉強ができないって泣いてたの、思いだしたのよね…?」

ツン「中学校にあがって男女が疎遠になっちゃっても、何度も私に世話を焼かせたの、思い出したのよね?」

ツン「高校にあがってから、男は女の子にモテはじめて……そのうち一緒にいる時間も減ってきて……
    …………覚えてる?修学旅行の時期に……あの時は大変だったなぁ――――」

 ドシッ

ツン「わっ、すいません……あ、あの急いでますのでこれで!」

通訳「………」




ツン「公園…見えてきたっ」

ツン「あ…」

ツン「服、泥だらけだぁ……こんなんじゃ男に笑われちゃう……私が大好きな―――あぅ…」

ツン「あの時飲まされた真実薬…きれてなかったんだ…………どうしよ…これじゃあ……」


ツン「……違う」


ツン「打ち明けよう………本当の気持ち…
    ずっと好きだったって…幼稚園のころから……男のこと…12年間言えなかったけど」

ツン「今日こそ……」タッ

ツン「受け入れてもらえるか不安だけど……男なら、、、」タッタッタ

ツン「男なら…絶対に大丈夫っ……だって、男は――――」タッ

  ――――『おとなになったら、ここでまた、チューしてケッコンしようね?』


  公園

  入口


  ダッ!




ツン「男ぉっ!!」



  ゴオオオオオオオオオオオオォォォォォ!




  ――――だって、男は、ここで約束したんだから…大人になったら結婚しようって…




ツン「―――え?」


  男

  見知らぬ誰かと


ツンのバッグ ドサッ…


  キス…




淡白「ん…」

男「む……」


 ――――ドサッ

男「…?」

 公園の入口に

 ツン

男「――――!!!!」


ツン「あ、あ……おと…こ………」


男「ツ…ン……なん、で…」

ツン「~~~~~っ!、、、つっ、、、あ、ぅくっ…!」

ツン ダッ!

男「ま、待て!ツン!どこに――」


ツン「来るな!!」


男「え……」

ツン「お願い…お願いだから…―――来ないで…私の顔、、見ないでよぉぉ」

男(な、泣いて―――)

 ギュッ

男「え?」

淡白「………」

男「あ、あの、えと、、、―――あ!ツン!!」


 ツン 公園から いなくなる

淡白「―――」

男「た、淡白…その、、、」

 ビュオオオオオオ!!―――ンさんは!!

男「風の…声?」







 オオオオオオオォォォ!
 バタタ、、タタッ…タタタッ







通訳「ツンさんは…」

男「誰…だ…?」



ツン「ハァハァ!ぅ、、うぅっ、、」



通訳「『なんで?なんで男が、ここで他の人とキスしてるのよぉ…』と言っています」

男「………」



ツン「私が悪いの…?ひっ」



通訳「『私が、いつまでも告白しなかったから待ちきれないで………でも…』と言っています」

男「それは…」



ツン「でも…ぅぅううえぇぇぇ…」



通訳「『覚えてるでしょ?ここで約束したの…なんで?なんでよりにもよってそこで…』」

男「なんだよ…それ…約束って…」



ツン「いやだっ…こんな…」



通訳「『こんな顔…見せたくて、必死にここまで走ってきた訳じゃないのにっ…』」

男「なあ…」



ツン「きっと酷い顔してる…」



通訳「『憎いよ……男とキスしてる子が………アタシの顔、見ないで……来ないでよぉ…ひどいよぉ…』」

男「なあ!」



ツン「バカ…男ぉ……っ!」



通訳「………」

男「教えてくれよ……オレは…いったい誰なんだよ…」

通訳「………」

男「記憶失う前のオレがどうだったかなんて関係ない…」

通訳「………」

男「でも、みんな受け入れて、こうなっちまうなんて…誰かを選ばないと傷つけていくだけだっていうなら…」

通訳「………」

男「オレは…―――オレはっ!」

通訳「…………………」

男「くっ」ダッ!

淡白「男っ」

男「……!」

男「………」

男「すまんっ…」



 男 公園から いなくなる

 …………

 ………

 ……

 …

 ビュオオオオオ!

淡白「………」

通訳「………」

淡白「―――」

通訳「あの…」

淡白「アナタ…古本屋からずっとつけてたわね…」

通訳「その…それは…」

淡白「なにが目的かなんてわからないし興味もないけど―――」

通訳「………」

淡白「これだけは言える。アナタは私と同じ」

通訳「………」

淡白「あの修羅場を前にして、何も感じない、何も思わない。人形みたいに、神様みたいに、人じゃないみたいに」

通訳「………」

淡白「誰かが必死に留めたはずの言葉を、眉ひとつ動かさず口にしてしまう。言わずにはいられない
    それで相手は傷つくだけなのに。痛いだけの言葉を平然と」

通訳「………」

淡白「なにも…かえさないのね。これだけ言われてるのに」

通訳「………」

淡白「…さようなら。もう会わないかもしれないわね……」


 ポツン…

 パツン
 バツン
 ポツポツポツポツボツボツボツバツバツバツバツ

 落ちる

 落ちる落ちる

 大粒の……


淡白「―――――」


 そして彼女もいなくなる

 一人残され蚊帳の外

 招かれざるは、

 傷つかざる。

 ポツンと


通訳「違いますよ」


 言葉は嵐にさらわれて

 どこへと知れず…

 震える理由も


 わからない







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