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男が記憶喪失になったようです(仮)58


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公園


桜の雪ハラハラ


管弦の音


どこからか


屋台


桜の木




彼女は一人

―――――――――――――――――――――――

手帳 ペラ

  「  」

手帳 パラ
  「  」

手帳 ハラ…
  「――ど女は線を引く
   淡くも新たな線を引く
   静かにほどける男の恋慕
   恋物語に幕おりる
   もとのもくあみ幕おりました
   そして今年も冬が来る

   去年の冬を思い出す
   太陽が白い薄雲を通して淡く淡く
   今年の冬も太陽は
   白いベールをまとって淡く
   おまけに雪もハラハラハラハラ
   俺は女と傘さして
   二つの傘が一列に
   変わらぬ関係戻っても、秋の匂いは微かに残り
   去年とよく似た空の下
   二人で一緒に学校目指す
   俺のとなりで女が歩く」

手帳 パタン
  「淡泊な二人の一年過ぎる……」



  「っかしーなー…この辺で落とした筈なんだけど…―――あ…」

  「何?」

  「見た?」

  「何を?」

  「その手帳」

  「下手な詩ね」

  「orz...うつだ死のう」

  「でもさっきの詩は好き」

  「気休めはいいよ」

  「気休め言うほど良い性格してないから」

  「自分で言うか」

  「自分で言うわ」

  「そうか」

  「そう」

  「どこらへんが?」

  「何が?」

  「今の詩。どこらへんが好きなの?」

  「………」

  「いやごめん。いきなり変なこと聞いちゃったか…」

  「許されてるような気がする」

  「許されてる?」

  「ここにいて良いよって。存在していても良いよって
   そんなふうに言われてるような気がして、好き。」

  「そっか……」

  「……」

  「……」

  「その制服」

  「呼吸が楽になるようで…肯定の暖かさが感じられて良い」

  「ってまだ終わってなかったのか…」

  「なに?」

  「いやその制服」

  「制服?」

  「新ジャンル学園のだろ?」

  「そうね」

  「何年?」

  「3年」

  「何組?」

  「D組」

  「そっか。じゃあ一年間よろしく、だな」

  「3年D組なの?あなたも」

  「まあ」

  「そう」

  「それだけ?」

  「何が?」

  「何がって……同じクラスの二人が新年度早々居合わせたんだしさ……」

  「どんな都合の良い展開を期待してるのか知らないけど、こんなのただの偶然。興味ない」

  「なんとまあ
   じゃあ名前。名前だけでも」

  「淡白」

  「ん?」

  「名前」

  「ああ。へぇ。『淡白』、かぁ。淡白、淡白、淡白……いい名前かもなぁ」

  「あなたは?」

  「俺?」

  「人に名乗らせておいて自分は名無しがお送りしますなんて非常識」

  「そういうとこはしっかりしてんのな」

  「そうね」

  「そっか。
   じゃあ名乗らせていただくとしますか。
   俺の名前は――――――――――――――――



  そして巡る 次の季節 君の物語へと