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【ほのぼの】新ジャンルでバトルロワイヤル【学園内】4

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匿名ユーザー

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時間6:20 場所4-C

「何ですと!ゲームから脱出するんでごわすか!?」

「声がでかいぃいいいいい!!!」

大門の発言に輪をかけるかのようにヒートが叫んだ。

「静かにしろヒート、どこで誰が聞いているか分からない」

最初の放送から20分、冷静を取り戻した男はゲームからの脱出を提案した。
地図を拡げ赤ペンで禁止区域の場所と時刻を次々書き込んでゆく。

「状況確認だ、お前ら今何を所持してるんだ?」

「私は貰った荷物とグローブと男を愛する気持ちだああああ!!」

「そうか、で大門は・・・・ハンマーかw」

男はヒートの発言を軽くあしらい大門に目を向けた。彼らしい土属性っぽい支給品で軽くニヤけた。




「俺はナイフ、正直これが役に立つところは見たくない」

「何も人を傷つける為にナイフが存在する訳ではないですたい

草木をかけ分けたり食料を切ったり使い道は他にもあるたい」

大門の一言で男は柔らかな表情へ変わる

同じ年齢とは思えない落ち着いた発言に男は素直に感心したと同時に

支給品で人を判断してしまった自分が恥ずかしくもなった。

「やばいぞ男!虎吉が目を覚ましそうだ!!」

ペット扱いされて虎としての威厳を失っていた虎吉だが流石は猛獣

その巨体を持ち上げようと手足を伸ばしている

「あいつにまた襲われると厄介だ、みんな一旦北へ向かうぞ」

そういうと男達は駆け出した、不安と微かな希望を胸に抱いて。







「仲間を探そう……」

時間6:20 場所2-D

クールは呟く、この糞ゲームは1人では勝つ事は出来ない。
真の勝者となるには同じ志を持った仲間が必要となる。

「私は生きて、みんなで、この島を脱出する。そしてこの糞ゲームの主催者を見つけ出す!」

名前とは裏腹にクールは熱い決意があった。
荒鷹は魔法少女が身につけている防弾チョッキを発見した。

「クールさん、これ役に立つかもしれません」

生徒会長との戦闘で銃弾の後がハッキリ残っていたが、かなりの防御率で
魔法少女の体に弾はめり込んでなかった。

「……銃弾を受けている、ここからは銃を持った生徒にも会うかもな」

「………私が着ても良いですか」

「ああそうしろ、私はお前を盾にするがな」
テンパる荒鷹を尻目にクーは冗談っぽく笑った
魔法少女の服を整え手を合わせた。

太陽が登る今日も暑くなりそうな感じだ。そう考えてると逆光の中
2人の人物が立っている事に気づいた。


「あの人……死体漁ってない?」


「まさか、そんな事……」

時間6:10~20 場所2-D

内気と俺は仮眠を取り終え、北へ進んでいた。鬼になると言った
意味があまり分からないまま内気は後を付いて来る。

時計は朝6時を回っている、これからは人に見つからないよう慎重に行動しなければ

タタタタタタ
「ん、何だ」

「俺君!前!」
内気は俺にしがみつき一瞬で体ごと地面に叩きつけた。
「ッテ!何するんだ!」
ドンッドンッ!
耳に破裂音のような鈍いモノが響く

「俺君大丈夫!?」
内気は泣きそうな顔でこちらを見ている、彼は手に何か持っている。
見慣れない、けど形は知っている。




あれは、銃だ

内気の支給武器はコルト・ガバメント、軍用拳銃で通称M1911A1。
45口径で7発発射可能、反動が大きいが当たれば大抵の的は吹っ飛び、人間なら一撃で死に至る。



「内気の武器すっげぇー……いやアホか!!」

この状況にもかかわらず武器に素直なコメントをしてる自分に腹が立つ

「腕が…痛い……ジンジンする…」
銃の反動で腕に衝撃が伝わったのか内気はその場に疼くまる。


「待って!降参!」


声の方を見ると黒髪の女が立っていた、先ほど前から走ってきた人物、ヤンデレだ。

ヤンデレの噂は聞いたことがある。入学当初から女子生徒と問題を起こし

ある日喧嘩の末に相手を執拗に刺したという。

それから退学は逃れたものの特別学級で授業を受け学校内では日々監視、実質どのクラスにも居ない生徒。

「あんた……ヤンデレさんだよな」

俺は立ち上がり地面に転がった槍を構える

「ごめんなさい、一刻も早く逃げ出したくて……あなた達が見えて安心しちゃって……本当にごめんなさい」


ヤンデレは服が所々破れ髪も乱れていた。何かから逃げてきたのか
呼吸がすごく乱れて下世話な考えが一瞬頭をよぎる。

それより必要以上に謝る姿を見て噂は所詮噂なのかと思えた。
「これ着とけよ」
俺は学ランの上着を脱いでヤンデレに渡した

「見えちまうから…着とけ」

「あ、ありがとうございます」
ヤンデレはちょっとびっくりした顔をしながら服を受け取る。

「あ、ちょっとすみません」キュポッ

よほど興奮していたのか、暑かったのかヤンデレは鞄から
支給品を漁りペットボトルの水を勢いよく飲み始めた。
零れた水が胸元を伝いシャツが透ける、それを目に焼き付けるかのように俺は目を広げた。

「で、何から逃げてきたの?」
二人の間に割って入るように内気が聞いてくる。
ペットボトルの水を半分ほど飲み終えヤンデレは口を開く

「二人組の女の人に襲われたんです!」

「襲われた!?誰に!」
俺と内気はハモるように答えた

「顔は分かりません、でも1人は凄く冷酷な感じでした、
足元には既に1人の女性が横たわっていて……ひぐっ……怖くて」

それからヤンデレは泣きながら話始めた、弓矢を撃たれた事、本気の目をしてた事
そして放送で流された女子生徒2人の死も関係していると

「泣くなって……でもその話が本当だとすると」
「その二人組がツン達を……」

「おーい!」

聞き覚えのある声が遠くの後ろから聞こえる。
警戒心もあるが、それより会いたかった人物の1人の声によく似ていた。
「俺君ー!おーい」

「ゆうや!」

邪気眼優とゆうやは放送の後北に向かっていた。
途中『北の方角にあなたの友の存在が視える』と
邪気眼発言をさせたが今回もそれが当たる羽目となる。
ゆうやの中で邪気眼優の発言はとても信頼出来る言葉となっていた。

「探したぜ!俺君……うぅ…」

「ゆうや………日和の事は残念だったよ」
なんと言えばいいのか解らなかったが
俺はゆうやを抱きしめた。

内気は震えるヤンデレに恐怖心を与えないように彼は私たちの友達、敵意は無い事を伝えた。

ただヤンデレは人物が増えた恐怖で震えていた訳ではなかった。

「ゆうや、泣いちゃダメよ。彼女たちの為にもあなたは次のステージへ進まないと」

「そちらの方はどなたですか」
ゆうやを励ます彼女を内気達は知らない

「私は3年B……うっ!くそっ!やめろおおおお」

「え!大丈夫!??」

「ハア、ハア、大丈夫だ。一度抑え込んだから暫くは出てこない」

「出て来るって何が?」

「ふ、邪気眼を持たぬ者には分からないさ」

「邪気癌………!」

その時、内気は彼女が癌の病気に侵されていて命が短いのにこのゲームに参加していると思ってしまった。
邪気眼と天然、時代が時代なら新たな『新ジャンル』が生まれていただろう。



「ゆうやさん、あなたの大切な人の命を奪った悪魔はこの先にいるわよ」
この発言にゆうやは反応する、俺の服を握りしめた

「何……だと」

「その悪魔は冷酷非情で目つきが刃物みたいに、鋭かった、私はそこから逃げてきたの」

ゆうやは俺と内気の顔を見る、2人は少し考えて頷いた。
この話が本当なら敵討ちが出来ると思っていたからだ

俺から離れヤンデレの唇を奪うような勢いで叫んだ



「案内しろ、案内しやがれぇええええ!!!!」



耳の奥まで伝わるほどの雄叫び

「いいですよ、皆さんも付いて来ますね」

俺も内気も口々に賛同し、ヤンデレ率いる五人の悪魔討伐隊が結成される

愛する者を失った人間はどのような復讐劇を繰り広げるのか
予想外に話が進みヤンデレは心の奥底で笑っていた。




時間6:20 場所2-D

例の二人組は意外にも400mほど歩いた丘の中間にいた。
近づいて分かったが、あれはクラスメートのクーと荒鷹だった。

「なんでアイツら…」


正気ならば二人がそんな事をするとは思わなかっただろう
ただ今の彼は狂っていた、正確にいうとヤンデレによって狂わされていた。

ほんの数分の間に彼をヤンデレ気質に仕立て上げていた。
ヤンデレはヤンデレを共感する、ゆうやの頭には恋人殺しのクールにしか見えていない。

「なんでアイツら俺の日和を……」

「ゆうや、横で倒れている人……私のクラスメートだ」
邪気眼優は呟く





「優、お前も許せないよな」

「ああ、スピリット・マザーが赦してもアルティメット・ファザーは永久に赦さないだろう」






一方丘の一番上からは俺と内気がゆうやからの合図を待っている。

「あの人……死体漁ってない?」

「まさか、そんな事……」

「漁ってるよ、女の人から服をはぎ取ってる!!」

「モンハン気分かよ、ふざけんなよ」

荒鷹が魔法少女からチョッキを外していた所を見られていた。
正確にはヤンデレが指摘したのだ。

魔法少女が防弾チョッキを着ている事は戦っていた時に気づいていた。
殺したら奪おうと考えていたが
トドメを刺す所でクール達に見つかり一旦退却したのだ。

あの傷では回復の見込みは0、彼女達は防弾チョッキに気づくと自分たちで使うだろう。
そこを内気達に見せていた。




(大丈夫ですか?痛くありませんか?)

(誰?あなた……)

(大変足から血が!すぐに手当てを!)

(私に優しくしないで、そんな事されたら私………)

あなたを殺しちゃう




時間6:58 場所2-C

いつの間にか殺人鬼は眠りについていたようだ

というより横に寝かされて体には毛布がかけられていた。

「これも夢………痛」負傷した足が痛むので手を当てると包帯が巻かれていた。

「夢じゃない………誰が」

ズザザッ

茂みから何かを引きずる音と共に人の気配がする

殺人鬼は痛む足を引きずりながらも近付く何かに身構える

[あっ起きたんですね、よかったー♪]

気の抜ける言葉が書かれたプラカードを持った段ボール箱が現れた。

「ダンボール・・・・・・?」

緊張してた筋肉が緩みその場に倒れこんだ

[無理してはいけません!傷口が開きますよ]

プラカードを回転させ分かっていたかのように言葉を繰り出す謎のダンボール

「あなたは・・・・・・何なの?」

[申し遅れました、私は3年B組のダンボール娘です]

文字も消さずプラカードを回転させる事で会話が成立する謎

いやそれより何故自分を助けたのか殺人鬼には理解出来なかった。

[あなたのお名前は?]

「さ…………殺人鬼」

少し空気が固まるのを殺人鬼は肌で感じた。



ああ、あの時と同じだ。中学生の入学式、自己紹介で名前のせいでイジメを受けて

行動全てに難癖つけられ罪を着せられ、耐え兼ねて殺したのが12の冬。

その後証拠不十分で捕まりはしなかったものの今度はクラスメイトが寄付かない完璧無視された学校生活。

友達と偽り金銭関係や身体の関係を求める輩も多く

その度に彼女は男女を手にかけた。一時の優しさに心が揺れ動いた彼女だが
それは偽りと自分でも分かっていた。

そしてついたあだ名が“無差別殺人鬼”

高校ではその失敗を繰り返さない為に極力目立たないように生活していたが

こんな所でまた同じ事を繰り返すなんて・・・・・・



[じゃあきーちゃんだね、よろしくね]


殺人鬼は耳を疑った



「私の事………怖くないの?」

[名前で人を判断しませんよ、それに]

クルッ…パタン

[とっても優しそうな顔をしていたから]

プラカードを回しながら彼女はダンボールの中で何かを探る

「そんな理由で私を助けたの?」

[理由になりませんか´・ω・)?]

顔文字つきのプラカードを掲げるダンボール、殺人鬼にはこのメールのようなやり取り自体新鮮だった

[まずきーちゃんは元気にならないと、朝ご飯食べましょう]

そう言うとダンボールの中からティーポット付の紅茶を取り出した。

「あなたは何者?」

[私はダンボール娘ですよ♪]



「もう……ー歩けないよー…」

「そろそろ休憩しよっか、さっちゃん」

時間6:30 場所3-B

恵達と別れてひたすら歩き続けた誤解殺気と読心クール、彼女達の脚は疲労困憊といった所まできている。

「もう…大丈夫…だよね」

誤解殺気は草陰にしゃがみこんで動かない。無理もない、寝ずに6時間ひたすら歩いていたのだから。
「私も休みたいけど、二人じゃ苦しいわね」

読心もかなりキていたが二人とも休息を取れば恰好の餌食、人数的にも辛い。

「だれか、居いたらなぁ……」

まぶたが閉じる度に頬を叩き睡魔から必死に逃れているが限界に近い。

(ぉーぃ)

遠くで誰かの声が聞こえる。敵か味方か、味方なんているのか?
ちゃんと起きなきゃ読心もままならない。
ああ眠い、このまま終わるのか


「こんな所で寝たら殺されるぞ」


「と、友さん…!」




「私達は一体どこへ向かえば良いのでしょう……」

「風の吹くまま己を信じて突き進め、だぜ!」

時間6:30 場所3-B

荘厳の想いとは裏腹に友の足はずんずん進んでゆく、行き先への期待や根拠は無いが
仲間を探す為には動く事が一番と考えた結果だ。
「友さん、本当にこの道で大丈夫なんですの…?」

「なーに言ってんの、大丈夫な道なんて無いよ」

「ええ?では何故…」

「5-A、5-Bは7時で立ち入り禁止区域になるから
広い場所へ進むには北へ進むしかない!」

「はぁー…仕方ありませんわね」

勝手な友とひたすらついて行く荘厳、この二人がタッグを組むことは中々ない。

「あれ?」ゴン

「あうう、どういたしましたの?」

急に足並みが止まり荘厳は友の背に額をぶつけた。

「あれ、読心クールさんだ、やった仲間だ!」

荘厳の心配をよそに友は側へ駆け寄る。



重いまぶたを開けると、恋心を抱いている男さんの親友が立っていた

「と、友さん…!」


「ここじゃ危ない、せめて日陰に行こうぜ」
(ここじゃ危ない、せめて日陰に行こうぜ)

ああ、この人は裏表の無い人だ。大丈夫なんだ………

「友さーん待ってくださいませー」
甘く暖かな追い風と共に走ってきた女性
先程までただの明け方だった空に小鳥が歌い、花が一面咲き誇った

読心クールは彼女が荘厳だと話さなくとも理解した。

「読心さんもこの島に……」
読心は彼女が苦手だ、何故なら今まで出会った人間の中で唯一心が読めない存在だからだ。

「ええ、不幸にも」
学校生活において彼女の想いが読み取れないのは問題ない、ただこの世界だと命取りに感じた。




「ややっあそこで寝てる可愛い子誰!?」

「あっその子は……」

「ねぇねぇ、もし生きて帰れたら俺と付き合ってーーねぇってばさー」

この状況下においてもナンパを仕掛ける友、荘厳はその子のただならぬ存在感に気づいた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

地鳴りのような音が響く、正確に言うと先程まで可愛いと思っていた子から発しているように聞こえる。
荘厳パワーで歌っていた小鳥たちが逃げ、大地が揺れる。

「この子は…もしかして………」

「あ、もう休憩終わりですか?」パチッ

「すみばせんでじだぁああああ!!!!!」

友は己の行動に後悔しながら3m後ろへ飛び跳ねた。

「あー…友さん、荘厳さん……お久しぶりでzzz」




「守護者達と別れたの!?」

「ああ、ノリが合わなくてな」

先程恵達と出会いそして別れた事を簡単に説明する読心

「ノリで別れるとはなんつうか勿体無い」

「私が悪いんです……」ゴゴゴゴゴ

誤解殺気はその名前の通り、誤解を生みやすい。今回も恵達に無駄な恐怖を与え読心から引き離そうとした。
結果、読心は守護者に護られている恵を安全と判断し
誤解殺気と進む事にしたのだった。

「いえ!滅相もございません!」(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)
友は脂汗を流しながら否定する

「読心さんも誤解殺気さんもお疲れでしょう、私達が見張りとなります
暫く休んでてはいかがでしょう」

荘厳の心が読めないのは不安だが体も頭も結構疲労状態だ
(今は言葉を信じて休む事にするか)
「さっちゃんはどうす…る」

「ぐー…すー…」

「余程お疲れになっていたのですね」

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