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第二話

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- 第二話 -


㍉子達の戦闘開始と同時刻―――食堂


渡辺さん「ふえぇ……怖いよぅ…」
佐藤さん「渡辺さんは私が、守るから。安心して」
渡辺さん「…うん」
化け物「…ルルルゥ…!」

説明。いつものようにお弁当を忘れた渡辺さんに、佐藤さんがパンを買ってあげると言った。
そして食堂に入ってみたら、購買部の姿はなく代わりに化け物がいた―――

異常事態には慣れている二人だったが、これは郡を抜いて異常だ。
―――殺される。
冷静でなければ、次の瞬間には殺される。

化け物「ウルゥ…!」
化け物がゆっくりと歩みを進める。もちろんその先には渡辺さんと佐藤さんの二人。

渡辺さん「ふ、ふえ…」
佐藤さんは思考をフル回転させた。
逃げる?
―――駄目。背中を見せたら殺られる。
いちかばちか、殴ってみる?
―――それも駄目。化け物の腕が長すぎてふところにはいれない。
叫んで助けを呼ぶ?
―――化け物が興奮したらどうしようもなくなる。

佐藤さん「………」
渡辺さん「さ、佐藤さん、危ないよぉ、逃げないと…」
渡辺さんは混乱して、涙を流している。

……コイツが渡辺さんを泣かせ、た?

佐藤さんの冷静さは消しとんだ。

佐藤さん「この、化け物っ!」
ブンッ!
食堂のイスをおもいっきり投げつける。
しかし化け物は面倒くさそうに腕を一振りしただけでイスを砕いた。
―――強い。
佐藤さんは絶えずイスを投げ続け、化け物はそのすべてを砕く。
渡辺さん「えい!えいっ!」
渡辺さんも佐藤さんと並んでイスを投げる。投げる。投げる――
そして身近なイスは無くなった。
化け物「ルルルゥ…♪」
化け物は愉快そうに唸り、二人を睨みつけた。

渡辺さん「佐藤さん、もう投げるものが無いよ~?!」
佐藤さん「…いや、有るわ」

渡辺さん「ええ~?私達の服とか~?」
佐藤さん「………」
佐藤さんは一瞬
『それでもいいな…ハアハア』
と思ったが、首を横に振った。
佐藤さん「有るのよ……イスよりもキく」

突然、化け物が速足で飛びかかってきた。
互いの距離は僅かに3mほど―――
佐藤さん「『テーブル』がね」
佐藤さんはテーブルを持ち上げ、化け物に投げつけた。
化け物「―――!!」
ごしゃ。

化け物はテーブルの下敷となってもがいている。
化け物「ルルルルルルゥ…」

渡辺さん「すごおい、佐藤さん!」
佐藤さん「まあね。…それより、これからどうするか…」
――とりあえず、学校から出なければ。

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