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第三話


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- 第三話 -


定食屋「…なんじゃこりゃ…」

学校を包む霧の中に、自分は確かに足を踏み入れた筈だった。
しかし、そこは校門ではなく学校の向こう側―――

振り返り、もう一度霧に入るとそこには――
美容師「あれ?なにしてんスかwwww」
見間違えるはずもない古びた自らの定食屋と、美容師のにやつき顔があった。

定食屋「ワケが分かんねえ…」

俺はこの異変を、指をくわえてみているしかないのか。

定食屋「くそぉ……泣いてない、泣いてないもんね!」

ツン「ううっ…どうなってんのよっ…ぐすっ」
男「まあ落ち着け、な?」
シュール「あのモンスターかっこよかったな」
クール「………」

教室から逃げ出た俺たちはまずいくつかのグループに別れて散った。理ンデレが

「まずは細かく別れること。大人数じゃどうしても動きが鈍るから」
と言い、それにみんなが従った形となった。
ちなみに俺はツン、クール、シュール、プロセスの四人と一緒にいる。

プロセス「……脱出は無理みたいですね。」
――なにぃ?
みんなが一斉にプロセスに注目する。
プロセスはなにもいわずに窓の外を指差した。

紫色の霧。
なんとも不気味な霧が学校をドーム状に覆っている―――

……なんじゃこりゃ。

プ「あんなものは初めて見ました、計算不可能ですが…おそらく危険です」

重い空気が場を支配する。脱出できない?じゃあ――

ツン「じゃあどうしろってのよっ?!」
ツンがやつあたり気味にプロセスに詰め寄る。
プ「そ、それは…」
困惑しているプロセスにツンが更に詰め寄ろうとした瞬間、

???「ガー……聞こえますか、生徒の皆さん?」

不意に校内放送が流れ始めた。
機械で加工された妙に高い声だ。

???「私はこの学校の何処かにいます。私を捕える事が出来れば化け物達を消しましょう」

???「ゲームマスターの私を捕えれば化け物によって消えていった人達も生き返りますから安心して下さいね」

???「なに、簡単なゲームです。あなたがたが全滅するか、私が捕まるか」

???「ククク…では、スタート」

ノイズと共に不愉快極まりない放送は途絶えた。
俺たちはしばらく何もしゃべらずに、ただ呆然としていた。

はあ、はあ、はあっ……

走らなくては、いけない。
この異常を外に伝えなくてはいけない。

走っている少女はこの学校の生徒の一人であった。
化け物。殺される。
死にたくない、まだ死ねない。私はまだ――男くんと手も繋いでいないんだから。
下駄箱まで来たところで、彼女は生徒を一人みつけた。
生徒は彼女と同じD組の、数少ない友達だった。彼女は迷わず話しかけた。

日下「よかった、無事だったのね。さあ、早く外へ逃げて」
女子「…あなたは?」
ひどく冷たい瞳で自分を見つめる友達に日下は違和感を覚えた。
しかしそれを気のせいだと割りきり、答える。

日下「まずは外へ出て助けを呼ぶわ。それで」
女子「逃げるの?みんなを見捨てて」

日下の背中にぞくり、と寒気がはしった。

違う
「違わないわ」

私は見捨てたりなんか
「見捨ててるじゃない」

…私は…
「卑怯者」

おかしい。この子はこんな事を言うタイプではない。
日下はまだ気がついてはいなかった。
その女子の瞳に光が無いことに。そして――

自分の胸に、ナイフが深く突き刺さっていることに。

「あ…たかさ…?」

こぽ、と日下の口から血が吐き出された。日下が男と手を繋ぐことは、ついになかった。

一方、日下を殺した女生徒は『物』になった日下を少しの間見下していたが、ぶつぶつと何かを呟きながらどこかへと歩き始めた。


――姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛いトミノは宝玉を吐く…♪―――

そこは闇の中だった。
ひとりの男が絶えずパソコンのキーボードを叩き続けている。
そしてそのカシャカシャという音のみが響き続ける。

……全ては私の思い通りに進んでいる。
自我を持ったキャラクターほど疎ましい物はない。

所詮、キャラクターなどは暇潰しや欲望のためのみに存在する駒。

片っ端から、楽しみながら、いたぶりながら―――
みんな消してやる。

すでに数人の『心』
――全く無駄な物だ――
に『影』をしのばせている。

せいぜい楽しませてくれよ……
渇いた笑いが闇に響いた。