軟損の一般症状 ①疼痛 ②腫脹 ③皮下出血斑 ④機能障害(運動制限) ⑤関節の動揺性(不安定性)
①疼痛 ●受傷肢位を強制すると疼痛が増強する ●損傷部位の圧痛 ●自発痛 ●関節包の伸長のみの際は数分で疼痛が消失する
●自発痛 関節腔に出血が続き又は、出血量が多いときに、関節包が伸長され、連続的疼痛となる(自発痛に類似)
②腫脹(お酒は飲まないように・骨折は早くて大きい) ●損傷部を中心に出現 ●骨折に比べ軽度 ●受傷直後より徐々に出現  
③皮下出血斑 ●損傷部位を中心に出現(すぐには見られない)
④機能障害 ●疼痛と腫脹のために出現   ●運動制限は疼痛と腫脹に比例する
⑤関節の動揺性 ●関節運動を制限する靱帯の断裂により異常方向への運動や可動域を越えた運動の出現
骨折か軟損か微妙だったら おそらく捻挫だろうけれど、腫れもあるのでヒビの可能性もあります。1回レントゲンを撮ることをお勧めします。
靱帯の治癒機序 ①損傷靱帯が連続性を保っているか血行の良い組織で覆われていること ②適度な長軸圧が加わっていること ③外力から守られていること
損傷後数時間で ①白血球、リンパ球が損傷部位に集まる
24時間後 ①単球、マクロファージが優勢となり、 ②壊死組織の貪食を行う
その後 ①線維芽細胞が増え始め、 ②細胞外基質を生産し ③コラーゲン形成が行われる
2週間後 ①断裂靱帯間に肉芽が形成される
数週間後 ①線維芽細胞の形態は扁平化する
2ヶ月後 コラーゲンの配列の軽度の乱れや細胞数がやや多い物の正常に近い状態まで修復される
靱帯、関節包の損傷で初期処置の目的 炎症症状をいかに最低限に抑えるか RICES →血腫を大きくしないため →小さいと硬化するまでの期間が短い
R REST 安静
I Icing 冷却
C COMPRESSION 圧迫
E ELEVATION 挙上
S STABILIZATION 固定
炎症の5大兆候 ①疼痛 ②腫脹 ③機能障害 ④熱感 ⑤発赤
⑤発赤 外傷性の場合発赤しない!外傷性は無菌性の物が多いため。鑑別に使う
靱帯、関節包の損傷で固定の目的 断裂靱帯の修復(程度に応じた一定期間の固定)
靱帯、関節包の損傷で固定肢位は? 捻挫を起こした肢位の逆の肢位を強制する(損傷靱帯を近づける)
靱帯、関節包の損傷で固定の原則とは? ①受傷肢位を取らせない ②可能な限り短期間に固定 ③必要のない固定はしない ④受傷関節にとどめる ⑤動かしてはいけない運動のみの固定にする
靱帯、関節包の損傷で固定期間は?(組織損傷として) ①関節包損傷(2~3W) ②靱帯損傷(6~8W)
靱帯、関節包の損傷で固定法は?第一度 包帯、絆創膏(ほとんど治癒する)保存的治療
第二度 包帯+副子、ギブス(関節変形、可動域異常、機能障害を残すことがある)保存的治療
第三度 観血的療法(OPE)、金属副子、ギブス(靱帯縫合術)
最終更新:2006年10月11日 00:00