半農半XYZ・脱都会する青年群像
田中正治
2)”半農半X”とは、「一人一人が天の意に沿う持続可能な小さな暮らし(農的生活、シンプルな暮らし方、自給自足なくらし)をベースに天与の才(X=使命、ミッション、役割)を世のために活かし、社会的使命を実践、発信し、全うしていく生きかた」と塩見さんは規定している。ちょっと重いかなという感じはするが、提唱者の心意気が伝わってくる。
http://www.satoyama.gr.jp
4)コンビニとIT、スピードとアバンチュールの都会が、高齢化と高コストにおののいている。もう一つの豊かさ、もう一つの生きかたを、人々は摸索しているように見える。大量物質主義、マネー支配・競争社会にうんざりした若者達の中から、半農半Xの地下水がほとばしり始めている。人々の確かな連なり、お互いの助け合い、信頼のネットワークを求めて。
鴨川は、東京から車かJRで2時間の距離で、山あり海ありの人気スポットだ。若者や定年退職の人達が移住してくる。でも、農山漁村にくればHappy!というものでもない。工業型の価値観の転換、X=自分独自の価値観と夢、それに生きる技術とネットワークを持ってくることが、おもしろい人たちと連なるポイントだと思う。
自分の本当の仕事、本当の生きかた探しに積極的に挑戦する若者を歓迎したい。”晴耕雨読””余生”などくそ食らえ、おもしろいコミュニティーを作るぞ!と叫ぶ団塊のおじさん・おばさんを歓迎したい。農山村は、都市からの逃避の場ではない。都市・農村・山村・漁村が新しい価値観で開かれ、Web状に連なった人々の中で行動したい。農山村は、創造的価値とユニークな人間と事業の協同(アソシエーション)をベースにした、斬新な文化・コミュニティー創造の場でありたい。”半農半X”が、そのキーワードのひとつになっている。
最終更新:2006年08月23日 15:55