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業務日誌/2011年11月03日/砕けた幻日

    

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結局俺はこの事件何もすることができなかった。
昨日の日誌を書いた後、寝て起きると日誌を含めて世界からすべてが消えていた。
水も食事も必要なく、どこをどう歩いても飛んでも何の変化もない毎日。
永遠に続く今日だった。

だが俺は認識とは別の理由で耐え切った。
ようするに、どんな状況でも日誌は一日に一回は書けるという確信だ。
感覚で何万日経とうとも、日誌を書くことができるまでは今日なのだ。
焦らず、絶望せず、模索し続ける。
時間は敵がいくらでも与えてくれる。
そう思って虚無の幻日を生き抜いた。

ある日突然空が割れた。
現われた譲とローズ=フラウとともに世界の果てを見つけ、
俺をシャイマールへと誘う誘惑者エイミーの写し身を滅ぼした。

エイミーは深宮にいるウィザードのうちシャイマールの器になりえそうな者を選んで
精神のみを月匣に閉じ込め、それぞれの絶望の形を見せていたのだそうだ。

夢でも物理事象でもない魔術なので外から破ることはできず、
中のウィザードはそれが攻撃であることにまず気付けない。
気付く前に自身の絶望に飲み込まれてしまう。
解決方法のない攻撃だったようだ。

俺の幻日の中に三木が出てこなかったのは魔王について
深く考えさせないためだったと推測できる。

実際今回も昨日俺がネコ神のために深月へ呼びかけた行為が偶然事象のズレを発生させ、
それが譲とローズに俺の声を届ける結果となって突破口を切り開いただけにすぎない。

事象のズレを発生させる深月、
魔王の姦計を破る術に長けたローズ=フラウ、
それを実行にうつせるだけの実力を持った譲、
これらのピースが揃っていたから俺は、あるいは他の誰かは魔王とならずに済んだ。

ともあれ、俺達は現実へと帰還した。
戻った後、絆がエイミーの見せる世界は幻ではない、
あくまでも未来に起こり得る現実である、と忠告してきた。

それを否定することは不可能だった。
それは、この日誌が残っていることが何よりの証明だからだ。

皆はやがて今回の幻日を夢のように忘れていくらしいが、
俺は忘れても日誌が覚えているだろう。
迎えてはならない悲劇の未来の姿を。

何にせよ、若くて五体満足な身体を今は喜んでおくか。


カテゴリ: [事件] - &trackback- 2011年11月03日 00:28:37

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