中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

魅鬼神楽

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shion-atori

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正直驚いた。
何度か神に捧げる舞は見たことがあるが完全に別次元のものだった。

堕神降しの深輝、その巫の顕現をはっきりと感じた。

見ているうちに無数の魔王が集まってきた。
皆譲に自らの力を委ねるためにきていたようだ。
絆は声もなく魅入り、博士もまた感嘆の呟きをもらしていた。
二人とも我知らず引き寄せられたそうだ。

舞が終わり、すべての魔王が去った後、譲は震える声で俺に告げた。

怖がられてもいい、嫌われるのも、気味悪がられるのも当然だ。
だが、本当の自分を見て欲しかった。
真似事と言わずに、自分の本当を真正面から見て欲しかった。
それが原因で離れてしまったら、もう追いかけないから、と。

俺は正直な感想を述べるにとどまった、というかそれが限界だった。
今思い出すと恥ずかしさで顔から火が出そうになる。

譲には逃げられた。顔面に一撃食らわせての鮮やかな逃走だったので
まったく対処できなかった。

悟が心底面白そうな表情でサムズアップしてきたので最悪の事態には
ならなかったと信じたい。


カテゴリ: [約束] - &trackback() - 2012年02月22日 00:11:18

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