中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

技術の進歩

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shion-atori

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昔の俺がどうしてあんな奇行を行ったのか、
昨日は気が動転して考えられなかったが
今日再び分析すると理由は想像できた。

最近になるまで月匣を操る技術は
ウィザード側には存在しなかった。

そして俺はまだ幼く、誤魔化し紛れながら
力を使うことができなかったのだろう。

さらに俺の先達、三還泰三朗は明治生まれで
洒落の効いた人物だった。

おそらく真正面から事件に当たる生真面目な
性分だったシオン=アドリーは
ウィザード仲間には子供とあなどられないため、
敵やイノセントには自分の素性を知られないため
祖父が愛読、あるいは讃えていた怪人二十面相や
アルセーヌ=ルパンのような秘密の偶像を装ったのだろう。

あるいは祖父が孫の将来のためにそれとなく誘導したのかもしれない。

今のように夢使いの大系や記憶操作の機械技術、
あるいは月匣による直接隠蔽の技術が未完成だった時代ゆえに
仮面の英雄は生まれたのだろう。

それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。


カテゴリ: [普通] - &trackback() - 2012年07月11日 00:36:19

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