中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

ライラックの尋ね人

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shion-atori

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夜遅くにエルフの村に到着。
迷わなかった幸運に感謝するべきか、
それともいらない諍いを起こした馬鹿二人に怒るべきか、
あるいは小野瀬の来歴が彼女の人生以上に複雑であるなど
想像もしていなかった俺の甘さを呪うべきか。

この深い森に入ったことで小野瀬のプラーナが共鳴し、発覚したことだが
彼女の前世は十年以上前に第一世界を救った勇者だったらしい。

森の勇者と呼ばれていた男はその後、フォーラ地方に開いた
クリーチャーホールを封じるため、地の精霊界に赴き、帰らぬ人となったそうだ。

時を経て再び大地の剣が活動を始めたため、滅びの予兆と勇者の復活を感じた
人々が各地を探し回り、異世界移動を行えるライラックに希望を託したのだという。

つまり、以前からライラックが探し回っていた人物は小野瀬だったということだ。
アホ祭りや奈落樹事件の時は結局顔を合わせることもなく、平時では勇者として
転生していない小野瀬のプラーナはライラックも探知できなかったのだろう。

小野瀬の潜在事項について二人が所構わず大声でいがみ合っていると
騒ぎを聞きつけたエルフに囲まれ、村に連行されることとなった。
顔見知りがいたため問題なく釈放されたが、もしこじれていたらと思うとぞっとする。
まあ、長のところに引き出されればそこで問題は解決したと思うが、
あの長だから下手をすると俺のことなど忘れているかもしれない。

俺が逆行前と同じ行動でヒュプノクリーチャーを攻略していたら
そもそも首脳陣と出会えていなかったのでアウトだった。
こんなにも時が経ってからその恩恵を受けるとは、縁とは本当に奇妙なものだ。


カテゴリ: [普通] - &trackback() - 2012年12月04日 00:40:30

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