中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

ヤドリギ再び

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shion-atori

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今日は大きな襲撃がなかった。ライラックも峠を越え、
ひとまず命の危機は去ったようで、まだ目は覚まさないが、
昨日までの危うさは感じなかった。伊達に不死身を名乗って
いないということだろう。気が緩んだのかもしれない。

俺は、北に出現した脅威にも気付かなかった。

朝、ヴァルキリー達がセラに呼ばれたと言って出て行った時に
その意味をもっとよく考えていればディーン、ライラ、テスラ、
三人が倒れることはなかったかもしれない。

戻ってきたシィルはヤドリギは私達の手で倒さねば意味がないと
言ってくれたが、そんな時こそ俺達仲間を頼ってくれと思った。

シィルの話では、ヤドリギ「エンブラ」の作り出した黒いダイダロスから
ダイダロスを死守するためヴァルキリー達は己の分身と戦ったそうだ。

博士の除草剤は効果がなかったらしい。存在の格が違うため
根と違い本体には効かないと博士は言っていた。

戦いはライラとテスラが無限の再生を司る器官を破壊するため、
内部に侵入し、多数のヴァルキリーのコピーとともに自爆した後、
ディーンが沈んでいたタイタンを無理矢理起動、オーバーロードさせ
黒いダイダロスに特攻し、諸共に破壊しつくしたとルーシィは語った。
ディーン自身もまたその破壊に巻き込まれ大破したということだ。

三人ともコアは傷ついておらず、ボディも修復可能な状態だと
トモエさんに聞いたが、回復には時間がかかるという話だった。

俺は、朝にディーンが言った「少し審判を受けてくる」という
言葉の意味さえ考えようとはしなかった。
俺は何回間違え、何回他人を傷つける。
低脳にも程がある。傷つくならまず
この世界で罪を犯した俺なければならないのに。


カテゴリ: [終末] - &trackback() - 2010年02月23日 23:35:46

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