中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

終末の終幕

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shion-atori

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戦いは終わった。多くの怪我人は出たが、俺達は誰も死ぬことなくこの終末を乗り切った。

朝方、竜王の身体に異変が生じ、なんだか名状し難きモノになっていった。
それを見た時、仲間達は半ば自棄になったように様々な意見を出してきた。
金執事は大学を使った篭城作戦に切り替えるよう進言してきた。
李刻は俺に隊長の義務として一発逆転の策をひねり出せと言ってきた。
ポン刀メイドはあまりの異様と強大さに自爆攻撃を提案してきた。
弾輝は大学を開放し、結界組にも戦ってもらおうと言った。
シィルは一度この深宮を脱出し、戦力を整えてから奪還しようと望んだ。
リンはダイダロスで深宮の地表ごと竜王を消し飛ばす作戦を考えた。
ノルンは深月の力でなんとかできないのかと聞いてきた。俺の深月も流馬のアグニーも
エネルギー不足だと告げると、口を閉ざし部屋に下がった。
絆は、地上で対神級対消滅爆薬を使いすべてを無に返すことを立案した。
刹那は、突然見え始めた何百というパターンの死の予言に気を失った。

そんな中、俺と流馬はどの作戦もとらず、二人で混沌竜王と戦うことを選んだ。
諦めの混じった心で戦うことほど危険なことはないと知っていたからだ。
残ったわずかなエネルギーで深月、アグニーを活用し、諦めずひたすらに
牽制を繰り返した。倒すことよりも倒されないこと、相手のやろうとしている
ことを妨害することを念頭においた不毛とも言える長い戦いだった。
途中から他の皆も戦いに参加し、勝ち目のない戦いに全員全力で挑んだ。

まあ、俺と流馬には勝算があった。流馬もそうだったらしいが、
今朝起きた変化に対して俺が一番最初に思ったことは

こんなにおいしい場面にあいつが現れないはずがない

ということだった。

実際に現れたのは昼過ぎ、光の束が降り注いで異形の物体から
核である竜王と聖音姫、そして琴を弾き飛ばし、竜王をそのまま海底へと
押し返した。琴と聖音姫はその場に残った。異形の物体はそれでも暴れ続けたが、
オメガなしでも戦えると判断したのか光の巨人は世界の引き上げに向かった。

大きく三つにわかれた混沌竜王は中州、ダイダロス、中央市街を襲おうと動いた。
ダイダロスの防衛力とルーシィのことを信じ、俺達は中州、市街、ダイダロスと
近いほうから撃破していくことにした。市街に被害は出るだろうと金執事と弾輝が
市街に先回りしたが、それは結果的に無用の心配となった。

俺達が中州の一体を倒した時、他の二ヶ所ではすでに戦闘は終了していたらしい。

ダイダロスの一体は、師匠とトモエさんが瞬殺したそうだ。ハルカは修理中らしいが
やはりこの二人には大した被害はなかった。どうやったら倒れるのか誰か教えてほしい。

市街の一体は深宮大学から援軍として出てきたウィザードが倒したらしい。
中でも決斗は衝子、楯、閃一くん、叢雲さんの装備を借り、さながら人間兵器か
ハリネズミようだったと弾輝が言っていた。

姫さんの映像が復活して必死に世界のことを託す演説を繰り返しており、
誰からともなく大爆笑になった。生きているからこその笑いだった。

その後、ゲンさん、ルセリアが戻ってきた。ライラック(未来)はライラックとの
接触をさけるため、中州には来ず、深宮大学の地下施設に行ったらしい。
ゲンさんは俺が先に戻っていることを不思議がり、そして背が縮んだか、と聞いてきた。
少し凹んだ。

ルセリアを皆に紹介したらロリコン扱いされた。酷すぎる。かなり凹んだ。

夕方、三木譲と悟が中州を訪れた。
おかえりと言ったら二人とも妙に恥ずかしそうにしていた。
シャイタン=バァルは六百六十六に砕かれ紅き月の向こうに葬られたそうだ。

明日祝勝会を行うこととなり、今日は解散となった。もうみんな休んでいる。
俺も今回の顛末を書き終わったら早く寝たいと思う。

表向きの被害は重軽傷者(破壊されたヴァルキリー含む)五十五人、死者0人。
以上が今回の終末事件の顛末である。大勝利と言っても過言ではないだろう。

だが、俺の目標は達成できなかった。左京の消滅とライラックの意識不明。
この二つを取り戻さない限り、俺の終末は終わらない。

追記:夜、ルセリアと寝ていたら譲が襲撃してきた
せっかく戦いぬいたのに終わった直後に殺されかけた
やはり譲だけはどうにもならない、無理


カテゴリ: [終末] - &trackback() - 2010年02月27日 23:32:08

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