中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

力と影

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shion-atori

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アースガルドから緊急の連絡が入り出撃。

現場に到着すると何人かのヴァルキリーが倒されていた。
後ろから突然馬鹿が迷惑をかけて済まないと声をかけたらた。
知らない声だった。
警戒態勢でやってきた俺達に気取られず至近距離まで接近してきた存在。
迎撃体勢を取りつつ振り替えると、そこにはこれでもか、というくらい
忍者な格好をした男が立っていた。もう外人がするコスプレの域だった。

セラから連絡が入りその男が前に聞いたゴウマであることがわかったが、
判明までの短い間に琴、鈴、ルセリアの三人が倒された。
ゴウマの戦法は的確に弱いところから徹底して叩くものと思えた。
そして本人もそれを否定しなかった。基本戦術の一つだが躊躇のないそれに
李刻などは怒りを隠せていなかった。俺もいい気分ではなかった。

だが、ジンが俺達を潰そうとしたのは俺達が先に敵意を向けたからだった。
それよりももう一体が問題だった。
目覚めるなり女と食料を奪うため行動を起こそうとしたらしい。
アイラ。ディーン、シェルが迎撃し海上に移動、戦闘が継続していた。
トモエはセラの護衛のためダイダロスに残っているらしい。
金侍はまた百舌の早贄の如く刺さっていた。とりあえず放置しておいた。

現場に到着すると目の前に暴力があった。血走った目の巨漢、ガングリル=ファーガという
名のそれはボロボロになりながらも明らかに戦いと、自由に酔っていた。
俺達が到着するとファーガは新たな獲物を得たという感じで、笑った。

戦ってみると実力は他のヴァルキリーから特に抜きん出ているということはなかった。
だが、実力者ということに変わりはなく一対一ならかなりの苦戦を強いられただろう。
あと、最初から戦っていた三人はどうやら奈落の影響を警戒していたらしい。
そういえば以前に奈落の力を得た機体だと聞いたな。
とにかく殴っておとなしくさせた。

戻ってくるとゴウマが興味深そうにルセリアのA=Kを見ていた。
俺達に気付くとすぐに立ち去ったが。
しかし忍者装束でロボットに興味があるとは、外人のマニアのような男なのか。
ディーンに尋ねるとゴウマは無趣味な人間だと答えられた。
見ていた理由はルセリアのA=Kが昔彼が操っていた人形に似ているのだそうだ。

ガングリルに菓子を与えると非常に気に入ったらしく夢中で食っていた。
騒ぎを起こすとそういう嗜好品から流通が止まるので困るとディーンと話していると
ガングリルもそれは困る、騒ぎを起こす馬鹿あh俺が叩き潰すとか言って話に乗ってきた。
そういう行動や今日のような行動を騒ぎということを説明すると
じゃあしばらく女はいいや、と答えてきた。女性ってこいつにはあまり重要事項じゃないのか。
ディーンはガングリルを力で手に入れることしか知らない野蛮人と評していた。
ガングリルはディーンを他人をカスとも思わない殺人狂だと反論していた。
ゴウマも知らないうちに会話の輪に入っていた。一言も喋らなかったが
ディーンは別れる際にあんなに楽しそうなゴウマは見たことがないと言っていた。

今日は凄惨な戦闘を覚悟していたが比較的平和に終了したと思う。
ヴァルキリー達は警戒していたが、あれは配慮の足りないガキ大将と
無口で器用なただの男だな。少し安心した。


カテゴリ: [事件] - &trackback() - 2010年09月26日 00:11:51

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