中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

ヴァルキリー相殺

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shion-atori

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閃一と流々が来たが聞き分けのない子供に構っている場合ではない。
悟と譲の諍いだとか、決斗と楯がとかそんないつものことで
いつもいつも俺が仲介する理由などないからだ。
アースガルドでヴァルキリー同士が殺しあおうとしていると連絡があった。
そちらのほうがはるかに重要で緊急性が高い。ノルンも困っていたようだしな。

現場に着くとテレサ、シィルを中心としたグループとファーガ、マリアを中心としたグループで
本当に相手を殺す気で争っていた。一番生き生きと殴って回っていたのは止めるべき立場の流馬だったが。
いつもは争うことのないだろうシェルとシィルが別陣営だった。
ディーンがガングリルに味方し、ルーシィがそれに敵対するという事態も起こっていた。

俺が着いたことを察知すると双方一旦戦闘を中止し会話のテーブルについてくれたが、
どうにも問題の根源はアースガルドにおける自分達の就労形態にあるようだった。
テレサ達は出来る限り就労時間を長くし、一人一人の負担を軽減するべきだと主張し、
マリア達は効率のいい就労形態で個人が自由に動ける時間を増やすべきだという考えだった。
俺はどちらかと言えば四角四面に囚われない柔軟な対応ができるマリア達の主張に近い考えだ。
固すぎる考えの組織はこの思考を崩されれば脆い。そう意見を述べておいた。

しかし結局意見は纏まらなかった。再度の戦闘は起こっていないが一瞬即発の事態は残った。
不毛な言い争いだ。もっと誰もが自由に生きればいいのに。

中州に戻るとルセリアに睨まれた。俺が何かしたのかと尋ねると子供の話を聞かなかったのが
どうにも許せないらしかった。そんなことは時間のある時だけにしてくれ。
甘やかし過ぎたか。少しきつく言っておいたほうがいいかもしれん。


カテゴリ: [普通] - &trackback() - 2010年10月02日 00:09:52

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