中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

人的爆撃

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shion-atori

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アースガルドに派遣されてきたのはよく訓練されたメイド軍団だった。
といってもウチの蒼紅と違ってイノセントのメイドサーヴァントだが。
兄の説明では蒼紅金の能力設定の際に協力してもらった者達らしい。
少々働きを見せてもらったが、確かに仕事ができてサービスを隅々まで
行き渡らせる目配りができて他者にその穴を埋めさせる指令を出せる、
しかもタイプは様々だが全員が美人というこれ以上ないくらい要求以上の
人材だ。人数は三十人ほどだが十分過ぎる戦力になるのではないだろうか。

まとめ役のレヒト=ヴァイスブルクさんに話を聞いていると些細な矛盾を感じた。
それの裏を取っていくと彼女らが亜鳥系列の人材派遣会社の人間などではないことが判明した。
実際に亜鳥系列の人材派遣会社が存在し彼女らはそこに所属しているのだが、
その業務内容、実績にいくつかおかしな点が見受けられたのだ。

そのことをレヒトさんに尋ねると真相をあかしてくれた。
彼女らは亜鳥本家で働いている本物のメイドで会社は彼女らが所属として
使っている便宜上のみのものなのだそうだ。

慌てて兄に連絡すると帰っていない家のハウスキープをさせ続けるより充実しているだろうから
アースガルドと俺の監視ついでに派遣会社として働くよう命じた、と普通に返してきた。
家の掃除は定期的にどこかよそのハウスクリーニングに頼むことにするそうだ。

どうりで昨日の今日で人材選抜から派遣までの手続きを終えられるはずだ。
兄の監視の件を俺に説明したことも含めたお人好しさには本当に頭が上がらない。
ただしこういう形の人的爆撃はもう少し穏やかに行ってもらいたいとも思う。
蒼紅の件と同様に急で一方的過ぎる差配だ。

あとレヒトさんには俺を篭絡しようとする行為は無駄だと伝えておいた。
俺に意識させようとする行動がいくつかあった、しかも若干の後ろめたさを残したものだ。
誰の差し金か入れ知恵か知らないが面倒なことを考えるヤツもいるものだ。

兄でないことを心の底から願う。


カテゴリ: [来訪] - &trackback() - 2010年11月02日 00:10:11

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