中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

護の才能

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shion-atori

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三木の駄菓子屋が対岸から見ても分かるほど繁盛している。
これ見よがしにレトロに造った店構えと商品ラインナップ、それでいて
清潔感を失わせない陳列方法と接客が本土の人間の目を引いているようだ。
客にも好評のようでリピーターが増えそうな感じが見て取れた。

アースガルドに非現実を求めて来た客に別の角度から非現実的な店を見せる。
簡単なようで深宮のどの店舗もまったく考慮していなかったことを
この兄弟は島を訪れてすぐ、アースガルドが構想の段階で具体的に何も
動いていなかった時に実行していたのだ。

悟に話を聞くとこの絵図は深宮に来てすぐの段階で護が引いた通りのものだそうだ。
十分な利益が出るからこの地にしばらく留まろうと資金も彼が出したらしい。
外装を妙に古めかしく造っていたのはこれを見越してのことだったのだ。
護が金を稼ぐだけなら簡単と言っていたのは伊達ではなかった。
彼のことを兄に言ったらきっとすぐにヘッドハンティングに来るだろう。
そのくらいとてつもない商才を護は持っていると思われる。

それなのに、容姿端麗、才色兼備な彼は何故あんなに残念なのだろう。
きっと性格だな。まあ天才と変態は紙一重だからしかたないのかもしれない。


カテゴリ: [普通] - &trackback() - 2010年11月07日 00:55:07

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