中州の日々~亜鳥紫音 業務日誌~

半歩の違い

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shion-atori

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一歩分の差はなかったと思いたい。

終盤までほぼ互角の勝負ができていたと思う。
俺は深月を使わなかったし、流馬も滅びの炎やアグニーを出さなかったが、
それ以外の出せる手はほとんど出し尽くした勝負になった。

お互い得意としている剣技や体捌きでは僅かに俺に分があり、
そこを補助する魔力の扱いやフェイント、観の目などは俺は流馬に及ばない。

最後の交差、あの時に流馬のほうが半歩分身を入れてきた。
俺も相打ち覚悟で突っ込んだのだが、前に出る意志、勢い、強さが足りなかった。
結局地面に転がるのは俺で、立っているのが流馬という至極順当な結果にしてしまった。

負けるのは悔しい。やる前から負ける可能性の高い勝負だったがそれでも悔しい。
あの時こう動いていたら、もう少し引いていれば、あるいは押していれば勝てたかもしれない。
勝負の後はそんなたらればばかり考えてしまう。
李刻にたらればを多く考えることは明日の強さに繋がると説いてきたがなんのことはない。
悔しいからたらればを考えてしまうだけなのだ。

本当に悔しい。

追伸:譲もセラに敗れたため勝負はご破算になった。
譲はあれだけ先を読まれてしまうと勝てません、
決斗さん相手に手の内を見せすぎましたと語った。
負けた姿に爽やかさと華があった。今日の譲は本当に綺麗だった。
自分の勝負に精一杯で気付けなかったが昨日の夜、
空を見上げている金執事も綺麗だった。
たぶん、一昨日以前に負けた皆も綺麗な顔をしていたと思う。
悔しさに顔を醜く歪めているのはきっと俺だけだ。


カテゴリ: [闘技] - &trackback() - 2011年08月13日 00:19:00

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