限定イベントテキストまとめ

ある梅雨の日に

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート

『ミッション:ある梅雨の日に』を発見しました

 ある梅雨の日に

 雨が降る。
 しとしとと、などといった情緒はない。
 乱暴に水瓶をひっくり返したように、圧倒的な水量が天から落ちてきていた。

 梅雨。
 いわゆる雨季であり、年に一度律儀にやってきて、お釣りを残さず帰っていく。
 大量に雨が降るわけではあるが、それだけと言えばそれだけの期間である。

 しかし、ロッカータ村ではこの時期、少々変わったものが降る。
 水や、あるいは気温などでそれが変化したものではなく。
 全く別の、いったいどこから降ってくるのかさっぱり分からないものがである。

 固めのハリセンボンが降ってきて大惨事となった昨年の教訓を生かし。
 ロッカータ村では今年の梅雨の期間中、南の島にバカンス旅行に出かけることに町内会で決まった。
 しかし、この間村からは完全に人が消えてしまうため、危惧されるのが治安である。

 そこで、日がな村を警備してくれる、夜回り隊ならぬ日回り隊の結成を町内会で企画しました。
 日回り隊のみなさんには、旅行中の村をしっかりと守っていただきます。
 色々降ってくるとは思いますが、頑張って警備をよろしくお願いします。

『マップ:ロッカータ村』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
ロッカータ村
 雨が降っている。
 空は分厚い雲が覆い尽くし、光はうっすらとしか届かない。
 落ちてくる気配はないが、雷が遠くの方でゴロゴロと響いていた。

「よく降るねえ…」
 一人留守番を命じられた町内会長のじいさんが、お茶をすすりながらぽつりと漏らす。
 (PC名)たちがいるのは公民館だが、このじいさんの家でもあるらしい。
 集会場として大きな部屋が一つあるが、それ以外は普通の民家だった。
 町内会長であるからして、それなりに立派な家ではあるが。

 (PC名)は縁側に立ち、空を見ていた。
 降り止まない雨。大粒の雨が地面を叩き、泥水を跳ね上げている。

 その時、空がきらりと光った。
 雲の切れ目、晴れ間が見えたわけではない。
 小さく、鋭い。

 それは刃の煌めきだった。

ロッカータ村
 空飛ぶ武器屋が商品をぶちまけた。
 そう言われれば納得できそうな。
 そんな感じに、武器が降っていた。

 槍。剣。斧。刀。
 雨に混じってそれらが降ってきて、地面に突き刺さる。
 よく見れば一本一本デザインが違うが、それを楽しめるような状況でもなかった。

 だが、こういう事態を想定していたのか。
 この建物の屋根は鉄板を瓦代わりに敷き詰めており、貫通してぐっさりというようなことは避けられそうだった。
「おとどしは、ボーリングの玉が降ってね。それからみんな屋根を頑丈にしたんだよ」
 のんびりと、町内会長が口を開く。
 屋根に落ちた刃が跳ね返り、かーん、かーんと金属音を響かせていた。

 庭に突き刺さる武器を眺めながら、
「実はその前の年にボーリングのピンが降ってね」
「シゲさんが、じゃあ来年はボーリングの玉じゃねえか、なんつって」
「あの言葉を信じていれば、あの惨劇は防げただろうに」
「シゲさんをあんなことにしちゃったものだから」

「まあ、うまいこと言ったみたいな顔をしたシゲさんも、悪いのは、悪いんだけどねえ」
 そんな昔話を、懐かしそうにしていた。

  • 当日昼(戦闘直前)
ある梅雨の日に
 (PC名)たちは公民館に併設する倉庫に来ていた。
 大きなものが倒れるような、どすんという音が聞こえたからである。

 その倉庫は秋祭りなどで使う御輿が数台納められているらしい。
 他にも、しめ縄や太鼓などのお祭りグッズが眠っている。
 町内会長の私物のプラレールは昨年末に片付けられてしまった。

 駆けつけると、倉庫は破壊されていた。
 おそらく、槍や剣の雨がそれを行ったのだろう。倉庫の屋根は補強されていなかった。
 御輿が倒れ、中はかなり無惨な状態である。

 そして、追い打ちをかけるように。
 新たな刃の雨と。無人の村を狙う敵が姿を見せた。

第◇◇パーティは『戦闘』を選択しました (行動ポイント-3 / 残り2ポイント)

梅雨時の敵に遭遇した!

  • 当日昼(戦闘終了後)
イベントマップ『ロッカータ村』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを6得た

ある梅雨の日に
 無遠慮に、無慈悲の刃が降り注ぐ。
 倉庫はもはや武器庫のような状態になってしまっていた。

「母屋の屋根の補強で、お金が尽きてしまってね」
 そんな光景を見ながら。
 いつの間にかすぐそばまできていた町内会長のじいさんが呟く。
 それは寂しさを突き抜けて、どこか達観したような口調だった。

「まあ、あそこの中からはどうせ私のものはなくなってしまったから」
「別に、どうなってもいいんだけどね」
 切り刻まれる御輿。
 ブツ切りになったしめ縄。
 穴だらけの太鼓。

 それからしばらくして。
 いくつかの柱を真っ二つにされ、完全に倉庫は倒壊した。

ミッション『ある梅雨の日に』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た

(PC名)はSPを1得た

(PC名)は『雨水のお浸し』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
ある梅雨の日に

今回のイベントは終了しました

現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『カエル』が修得可能になった

奪われた願い

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
 
(PC名)は短冊に『(願い事内容)がほしいです』と書きました
(PC名)は(願い事内容)を得た

『ミッション:奪われた願い』を発見しました
 
奪われた願い
 
 『愛情は爆発だ』をスローガンに掲げる愛爆保育園。
 たとえそこがどこであろうと、七夕はつつがなくやってくる。
 今年も園児たちは短冊に願いを託し、園長先生が買わされた無駄に広いだけでどうにもならない田舎の竹林から毎年送られてくる笹にくくりつけた。
 
 星の物語などを聞きながら。
 毎年のように、最後に笹を爆破すれば愛爆保育園の七夕祭りは終わる。
 はずだった。
 つぶらな瞳をひっさげて、それは保育園に現れた。
 薄汚れた、ちょうど指で開けたぐらいの穴がいくつも開いた帽子とマントをつけた。
 一目見れば、誰しもが分かる。そいつはパンダだった。
 
 初め、パンダを見た園児たちは一様に、かわいいかわいいを連発したという。
 ただのモノクロの熊だが、あれにはおそらく、そう言わせる魔力があるのだろう。
 しかしそれも長くは続かなかった。終わらせたのは、パンダ自身である。
 
 腰に下げたコルトパイソンを抜き、空に向けて一発。
 それだけで園児たちは表情を失い、口を噤んで揃って体育座りをしたという。
 
 そしてパンダは短冊をいくつも飾られた笹を奪い、軽トラで去っていった。
 (PC名)たちが笹に短冊を飾り付け、お願いなどをし終わった頃。
 背後に気配を感じ、振り向くとそこにはパンダが立っていた。
 西部劇のガンマンのような格好で、銃身でくいと帽子のつばを押し上げる。
 見えた表情は、やはりパンダ以外の何物でもなかった。
 
 (PC名)たちの笹を奪って逃げようとするパンダをとりあえず一撃の下に粉砕し。
 我々の願いは守られた、と安堵する。
 
 だが、敵は一パンダではなく、複数パンダ。
 そして、大量の笹は奪われたままである。
 
 みんなの願いが詰まった短冊。
 このままでは、願いが届くのはパンダの胃袋になってしまう。
 
 全ての願いのため。
 笹を奪い返すのだ!
 
『マップ:暴虐のアジト』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
暴虐のアジト
 暴虐のパンダ団。
 それは、パンダによって構成された笹専門の強盗団である。

 世界各地で起こった、同時多発的笹強盗事件。
 犯行声明はなかったが、犯人の目星は簡単に付いた。
 なぜならばパンダだったからである。
 パンダ団のアジトは、割と有名である。
 ウェニーニョ動物園のパンダ館、そここそが、悪のパンダの巣窟なのである。

暴虐のアジト
 アジトへと潜入し、動物園を巡る。
 キリン館、イヌ館、そしてその奥がパンダ館だった。
 パンダの頭を模した、サーカスの仮設テントのような建物がパンダ館である。
 その奥、隠れるようにして巨大倉庫が併設されていた。
 倉庫のすぐ側にはずらりと軽トラが並び。
 荷台を見ると、そのうちの数台には短冊のついたままの笹が乗せられていた。
 その時、倉庫のシャッターががらがらと開いた。
 どうやらパンダ団の一人が一服しに出てきたらしい。
 笹の葉を巻いたタバコのようなものに火をつけ、煙を吐き出す。
 
 その目を盗み、(PC名)たちは倉庫の入口へとやって来た。
 中には盗まれた笹が山と積まれており。
 そして、その笹を短冊ごとおいしそうに頬張るパンダ団の姿があった。
  • 当日昼(戦闘勝利後)
イベントマップ『暴虐のアジト』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを□得た

奪われた願い
 ぶろろろろろろろろろろろ。
 願いと笹を乗せた軽トラが去っていく。
 その願いを、叶えてくれる誰かのもとへと。
 暴虐のパンダ団は反省し、明日からは真面目にパンダ館で働くという。
 だがそれも、いつまで続くかは分からないだろう。
 なにせ、パンダだからである。

 タイヤに捕まってゴロゴロするだけの生活は魅力的である。
 だが、パンダは笹の魔力には勝てない。
 それはもはや、覆すことのできない生命の神秘である。

ミッション『奪われた願い』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
 
(PC名)はSPを1得た
 
(PC名)は『パンダパン』を手に入れた
(PC名)は魂片:『暴虐パンダ』を手に入れた
  • 当日夜(休息処理後に表示)
奪われた願い
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『パンダ』が修得可能になった

海に浮かぶ月

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:海に浮かぶ月』を発見しました
海に浮かぶ月
 照りつける太陽。潮風の匂い。焼け焦げた肌。白いビキニ。
 ここはヴィヨニネンビーチ。
 情熱と背徳の街である。
 夏も終わりに近づきつつある中、ビーチはある問題に頭を抱えていた。
 それは大量発生したクラゲである。

 クラゲたちは海面を埋め尽くし、底まで見渡せるほど澄み切っていた海を闇に閉ざしてしまった。
 波打ち際には打ち上げられたクラゲが少しずつ水分を失いながら無惨に転がり。
 次から次へと、新たなクラゲが上陸を果たそうとしていた。
 海はすでにクラゲたちの支配下にある。
 だがこのままでは、陸までも彼らに支配されてしまうだろう。
 砂浜にぐったりしたゼリーが敷き詰められ、なんだか気持ち悪くて歩けないことこの上なしである。

 クラゲからビーチを、そして海を取り返してくれ。
『マップ:ヴィヨニネンビーチ』を発見しました

CAUTION!
 クラゲは大量に発生しており、倒しても倒しても追加で出現します。
 可能な限り、できるだけ多くのクラゲを退治してください。
 10ターン終了までに、初期登場数以上を退治できれば戦闘結果に関わらずミッションは成功です。
 ただし、倒したクラゲの数によって追加でボーナスがあります。

 10ターン終了時、ミッションクリアの条件を満たしていれば戦闘は勝利扱いとなります。
 敗北時、条件を満たしていればミッションは成功となりますが、戦闘そのものは敗北となります。

 なお、選択した難易度により、出現するクラゲの総数に違いがあります。
 その総数を超えた場合、ターン経過を待たずに戦闘終了して勝利となります。

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
ヴィヨニネンビーチ
 人々が夏の陽気に浮かれ過ごす、南国ビーチ。
 トロピカルなんだか毒々しいんだか分からない色の飲み物を口に運び、サクランボにキスをする。

 そんな浮かれ気分は、とうの昔に破壊されていた。
 見渡す限り、真っ白な海。
 全てはクラゲの傘に覆われていた。

 リズミカルに打ち寄せる波に乗って、砂浜にクラゲが打ち上げられる。
 それでも海に浮かぶクラゲが減ったような様子はなく。
 少しずつ、その支配力を陸上へと伸ばしつつあった。
「どうだいっ!」
 ビーチにあった唯一の人影。
 それは実はずいぶん前からそこにあったのだが、触れずにいれるのもそろそろ限界らしかった。
「さあっ! どうだいっ!」
 ポージングを変えて、さらに声を掛けてくる。
 それは極端に小さなブーメラン水着を着た、筋肉の塊だった。

ヴィヨニネンビーチ
「わたしは! このビーチの! ライフ! セーバー!」
 一言一言、ポージングをしながら。
 最後は大胸筋を強調したポーズで止まり、こちらに白い歯を見せてにかっと笑った。

「リンドヴァル・マッスルフィンチだ。見られることも仕事だと思っているから、気にするな」
 存分に見ろ、と。むしろ見ろと。
 自らの大胸筋を拳で叩いてアピールしてくる。
「だが、その視線、僅かに一秒でもいい、海へと向けて欲しい」
 くるりとその場でターンして、こちらに背を向ける。
 両腕を上げて、こんどは背筋をアピールしながら。

「クラゲだ。沖から流れ着き、あっという間にこの辺りを埋め尽くした」
「私自身でもかなりの数を処分したが、とても追いつかない」
「だから、多くの手を借りることにしたのだ。その手の一つ、ぜひ貸してくれたまえ」
 徐に上半身を前に倒し、開いた両足の間から笑顔を背後に送ってくる。
 (PC名)たちは筋肉から距離を置く意味でも、急ぎめに海へと向かった。

  • 当日昼(戦闘勝利後)
クラゲを全部で▽▽匹撃退しました
海に浮かぶ月
 クラゲとの戦いが終わり、結果が眼前に晒される。
 それがどういったものにせよ、終わりだということは確かである。
 死屍累々と転がった惨状は、(PC名)たちの目的を達するに充分だった。
 視線を上げて海を見れば、そこは青く、クラゲの姿は点々としか見えない。
 多くのクラゲハンターの手により、海の平和は守られたのだ。

イベントマップ『ヴィヨニネンビーチ』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを7得た

海に浮かぶ月
 残骸が埋め尽くす砂浜で、(PC名)たちは沈み行く夕日を眺め見ていた。
 陽の光を反射して、海が黄金色に輝く。
 そこにはもう、クラゲの姿は一匹もなかった。
 足の踏み場、それ以外すべてクラゲという砂浜で、筋肉質の男はポージングを決めていた。
 胸板が夕日を反射して、きらりと光る。
 たっぷり塗ったオイルがその煌めきと筋肉の陰影を際立たせていた。
「耕耘機を貸してもらえるよう、頼んでおいた」
 体の向きをわずかに変えながら、自らの輝く胸板を愛おしそうに眺め見る。
「明日の朝一、砂浜をクラゲごと耕し尽くしてやろうと思う」
 このまま放置して自然に消えるには、おそらくその前に夏が終わるだろう。
 それはなんとなく、得策に思えた。
 
「耕耘機の振動がこの大胸筋をさらに美し鍛え上げるだろう」
「そうは思わないか?」
 思う思わないもなく、彼の言葉はすでに、(PC名)たちの耳には入って来なかった。

ミッション『海に浮かぶ月』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
 
(PC名)は『クラゲの刺身』を手に入れた
 
クラゲの退治数は××匹です
 
エクストラボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はステータスボーナスを◇得た
  • 当日夜(休息処理後に表示)
海に浮かぶ月
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)は水着の生成が可能になりました
ただし、アビリティ『防具生成』を取得している必要があります

まつろわぬ神々の行方

発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート

『ミッション:まつろわぬ神々の行方』を発見しました

まつろわぬ神々の行方

 村に太鼓の音が鳴り響く。
 それは収穫を祝う。あるいは願う。祈りを乗せた、音楽である。
 その村の祭りでは、神々を招く。
 食べ物や、酒、女。そして、音楽を餌にである。
 
 それは天まで届き、地の底にまで響く。
 あらゆる神々と、あらゆる悪魔に。
 豊穣を司る、すべての力あるものたちに。
 それさえ司っていれば、後はおおむね大目に見る形で。
 だがしかし。
 音楽は耳を選ばず、招かれざる客にもまた届く。
 
 豊穣の神々の格好をした何か。
 それに混じって、五穀豊穣を妨げるマイナー神格っぽい何かもまた祭りに来るのだ。
 呼んでもないのに。
 今年も祭りは行われ、奴らはやってくるだろう。
 この、豊穣のほの字もないようなマイナー神格どもを、追っ払っていただきたい。
 呼んでないので。
 
 いらない神は、いらないのである。
『マップ:秋祭り会場』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
秋祭り会場
 山の麓から続く石段は九十九段あり、上った先にある赤い鳥居が神社と下界とを隔てている。
 そこから数十メートルほどの参道が真っ直ぐ伸びた先に社殿が見えた。
 境内に人影はなかった。
 昨夜までに祭りの準備は整い、今は静寂に包まれている。
 
 紅白の提灯が中空に並び、夜の訪れを待っていた。
  • 当日夕方
秋祭り会場
 祭囃子が聞こえてくる。
 羅狐神社の境内に作られたお祭り会場。
 月と星の光が落ちてきて、頭上に並べて吊られた提灯の明かりと合わさる。

 秋祭り会場は、太鼓を中心とした祭り囃子と、優しい光に包まれていた。
 様々な屋台が、境界線のようにずらりと並んで外壁を作っている。
 ベビーカステラ、たこ焼き、イカ焼き、金魚すくい、スーパーボールすくい…………
 お決まりと言っていい、そのような屋台が軒を連ねていた。

 その内側は人で溢れている。
 浴衣姿で、みな一様に狐のお面をつけていた。
 櫓の周りで踊ったり、屋台で買い物をしたり。
 それぞれの方法で、この祭りを楽しんでいるようだった。

まつろわぬ神々の行方
 狐のお面をつけた人々。
 その手には、フランクフルトやヨーヨー、そして金魚の入った袋。
 それらは屋台での戦利品であろう。
 両手をそれらで塞ぎながら、それでも次の屋台へと巡っていた。
 その祭りが、割れる。
 どこかの老人が海を割ったがごとく、人の波が左右にすっと割れて広がった。
 
 (PC名)たちを取り残して、境内の真ん中に大きなスペースが空く。
 太鼓の音は響いていたが、人の喧噪は不思議なほどに消えていた。
 そして、それはまるで百鬼夜行のように。
 祭りへとやって来た。
 
 人が消えて、作られた入口から。
 招かれざる神々の登場である。
  • 当日夜(戦闘発生)
  • 当日夜(戦闘終了後)
イベントマップ『秋祭り会場』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを7得た

まつろわぬ神々の行方
 神々の敗北に、歓声が上がった。
 それはこの祭りが始まって、最大の盛り上がりだった。
 
 帰れ、帰れの大合唱に、招かれなかった神々は祭りを後にする。
 その背中はどこか、というか明らかに寂しそうだった。
 やがて祭りは再開された。
 祭り囃子が鳴り響き、喧噪が戻る。
 狐のお面をつけた人々に混ざって、招かれた側の神々も屋台に並んでいた。
 それを見て泣き出す子供もいたが、その声も喧噪にかき消える。
 
 このまま祭りは朝まで続く。
 招いた神々、その役割を持つものをもてなしながら。
 そして、招かれざる者は。
 帰れコールに心を痛めつつ、家でふて寝である。

ミッション『まつろわぬ神々の行方』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『五穀米』を手に入れた
(PC名)は魂片:『まつろう神』を手に入れた

まつろわぬ神々の行方
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『羊飼い』が修得可能になった

かぼちゃたちの反乱

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:かぼちゃたちの反乱』を発見しました
かぼちゃたちの反乱
 ハロウィンシティ――セブンスムーン。
 闇に属する街は光の中で眠り、夜になると目を醒ます。
 その街を闊歩するのは、闇を友とするものどもである。
 
 そして、このセブンスムーンに新たな眷属が加わった。
 それはカボチャ頭の怪人たちである。
 一年のある時期、カボチャが大量に消費される。
 刈り取られ、くり抜かれ、晒される。
 その痛みと苦しみと屈辱に、カボチャたちの堪忍袋の緒が千切れてしまった。
 
 ついにカボチャは反旗を翻し、カボチャ頭の怪人へと成り果てたのである。
 そしてセブンスムーンへと集い、安息を得るに至った。
 だが、それで物語は完結しない。
 世界は未曾有のカボチャ不足である。
 カボチャ高は止まることなく、ストップ高のスイカ安である。
 ハロウィンパーティも、カボチャなしではただのめでたいコスプレパーティである。
 
 だから、行かねばならない。
 カボチャ狩りである。
 街に入るには資格が必要である。
 自らを闇の眷属と示す、資格である。
 
 その資格は、それらしい格好によって与えられる。何事も形から、である。
『マップ:セブンスムーン』を発見しました
  • 当日朝前(難易度選択後)
かぼちゃたちの反乱
 ハロウィンシティ――セブンスムーン。
 闇に属する街は光の中で眠り、夜になると目を醒ます。
 その街を闊歩するのは、闇を友とするものどもである。
 街に入るには資格が必要である。
 自らを闇の眷属と示す、資格である。
 
 その資格は、それらしい格好によって与えられる。何事も形から、である。
  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
セブンスムーン
 ハロウィンシティ。北地区。
 常夜通りと現夜通りの交わるその地点に、(PC名)たちはいた。
 街に人気はない。
 天気も悪いせいか薄暗く、まるでゴーストタウンのような雰囲気である。
 
 アスファルトの上にたまった埃が、冷たい風に攫われていく。
 どこに運ばれていく、というわけでもない。ただ消えていく。
 ここには何もない。
 街でさえない。ただの残骸である。
  • 当日夕方
セブンスムーン
 (仮装)の格好をした(PC名)。
 思い思いの出で立ちで、(PC名)たちは夜の街に立ち尽くしていた。
 朝、昼、夕方、と太陽の向きこそ違えど、街に変化はない。
 野良犬の一匹さえいない、死んでしまった街である。
 日は落ちようとしていた。
 限界まで傾いた陽光が、街を真っ赤に染め上げる。
 赤は本来暖かみのある色だが、街が持つ雰囲気がそうさせるのか、猟奇的な想像だけが頭を支配していた。
 
 日が落ちようとしていた。
 地平線に、半分まで太陽が隠れる。
 夜は近い。
  • 当日夜(戦闘開始前)
かぼちゃたちの反乱
 夜のとばりが下りる。
 闇が街を覆う。
 命あるものは眠りにつき、心をなくしたものが浮かび上がる。
 逢魔の交差点で、この街に来て初めて何者かと出会った。
 魔女やゾンビなどの扮装をした人々。
 それらは何をするでもなく、歩いていた。
 
 どこから来たのかは分からない。
 気がついたときにはもう、街は彼らで溢れていた。
 その中で、出会う。
 カボチャをかぶった怪人である。
  • 当日昼(戦闘勝利後)
イベントマップ『セブンスムーン』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを○得た

かぼちゃたちの反乱
 行き交う人々。
 その間にカボチャがゴロゴロと転がるが、彼らに気にした様子はなかった。
 
 ただ歩いていた。
 どこかから、どこかへ向かって。
 ぶろろろろろろろ、と。
 気の抜けたエンジン音を連れて、現夜通りを南から軽トラがやって来た。
 運転席から、緑の作業着を着た中年男性が降りてくる。
 
「どうもねー。じゃあこれ、もらってくねー」
 適当に挨拶をして、足下に転がるカボチャを軽トラの荷台に載せていく。
 時間を掛けて、山と積んで。
「じゃあねー。またすぐ鉄さんが来るからねー」
 そしてまた。
 ぶろろろろーと去っていく。
 行き交う人々。転がるカボチャ。
 それは朝、街に光が溢れるまで続く、光景である。

ミッション『かぼちゃたちの反乱』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『ハロウィンパンプキン』を手に入れた
(PC名)は魂片:『ハロウィンかぼちゃ』を手に入れた

かぼちゃたちの反乱
 
今回のイベントは終了しました
  
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『かぼちゃ』が修得可能になった

怪鳥七面相

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:怪鳥七面相』を発見しました
怪鳥七面相
 7つの鳥の顔を持つ大泥棒。
 付いたあだ名は『怪鳥七面相』。
 そんな彼、あるいは彼女か、誰も知らないが――
 
 そんな鳥から、いつものように予告状が新聞社に届いた。
 これがその全文、一部は記者の解説である。
『ほろっほー』(お決まりの彼、あるいは彼女の冒頭のあいさつである)
『冬の訪れを前に、毛繕いは万全かチュン』(お決まりの語尾はチュンである)
『早速だがターゲットを教えてあげYO』(だが、すぐキャラ付けを忘れる鳥頭である)
『世界の最前線、通称白い家。そこが舞台だチュン』(ちなみに白い家は6度目である)
『二羽の七面鳥の石像。我が輩には他人とは思えぬ代物なり』(急にキャラを足してくるのである)
 
『では、今回もバーッド行ってトリ逃げさてもらおう』
(これがお決まりの彼、あるいは彼女の決めぜりふである)
 舞台は『白い家』。
 元々は孤児院であり、今では美術館である。
 
 『二羽の七面鳥の石像』とは、収穫を祝うために捧げられた七面鳥をモチーフとしている。
 首のない七面鳥と、恩赦を与えられ救われた七面鳥。
 その二羽をかたどった石像である。
 別に美術館の目玉でもなんでもないが。
 黙って盗られるのはシャクである。
 
 『怪鳥七面相』。その名にふさわしい怪盗かどうか。
 見物に行くのも、悪くはないかも知れない。
『マップ:白い家』を発見しました
  • 当日朝前(難易度選択後)
 白い家
 『白い家』と呼ばれる洋館は、まさに白い家だった。
 庭園の中央に作られた噴水からは白いライオンが水を吐き出し。
 少し離れたところでは、白兎や白馬や白熊が草などを食んでいた。
「ミスタープレジデント、とお呼びください」
 館長のアルフレッド・U・プレジデント。
 彼への挨拶を済ませた後、自らの呼び名を主張してきた。
 立派な白ヒゲをいじりながら期待に満ちた目でこちらを見てきたので。
 
 とりあえず、(PC名)たちは何も言わないでおいた。
  • 当日昼
 厳重なる警備
  美術館の第7展示室。
 『二羽の七面鳥の石像』を中央に、壁際にも様々な芸術品が並べられている。
 この部屋のメインテーマなのか、鳥に関するものが多かった。
 そのせいもあるのだろうか。
 展示室に配置されたのは普通の警備員が四人に、ペリカン頭の警備員が一羽。
 四人は懐中電灯と警棒を手に、一羽は隠し持ったパン屑をちょいちょいつまみながら。
 
 計五人態勢により、万全の警備網が敷かれていた。
  • 当日夕方(戦闘開始前)
 警備を破る羽音
 何事もなく、一日が過ぎようとしていた。
 日が傾き、窓の外ではカラスやニワトリやスズメやハトが鳴いている。
 
 建物の構造上、もともと陽光の入りにくい展示室である。
 すでに数時間前から、部屋の照明がつけられていた。
 ガコンッ、と合図のような音を立てて、突然全ての照明が落ちた。
 展示室が闇と、そしてなんとなく皆が黙りこくったせいで静寂に包まれる。
 その中で。
 
「ホローーーッホッホッホッホッ!!!」
 独特な高笑いで。
 闇を振り払い、沈黙を掻き消して。
 怪鳥七面相こと、怪盗スカイハイ・スカイウォーカーがついにその姿を現した。

怪鳥七面相
 部屋が明かりに包まれる。
 照明が戻ったわけではない。
 光は天井に近い場所に作られた巨大な窓から差し込んでいた。
 
 その光に照らし出されて、壁に巨大な鳥のシルエットが浮かぶ。
 それは窓際に仁王立ちする怪盗の影だった。
「ブワサァッ!」
 翼の音ではなく、実際に口でしっかりと発音して。
 怪盗は窓から飛び降り、意外に軽やかに着地した。
 
「待たせたチュン。我が輩こそ稀代の怪盗、スカイハイ・スカイウォーカー」
「我が輩より高く飛ぶ鳥はなく、早く飛ぶ鳥はなく、飛べない鳥には走って勝つ」
「全ての鳥を統べるもの。鳥の王、とは我が輩チュン」
 ドバト頭の鳥の王は滑らかに名乗りを済ませ、すっくと立ち上がる。
 汚れ一つない白いタキシードの背中からは、灰色の翼が生えていた。
「一つ、訂正しよう。チュンチュン」
「待たせては、いない。そう! すでにお宝はいただいている!」
 部屋の中央に視線を送ると、彼の言葉通り、そこに石像はなかった。
 そこには一羽のペリカンが、警備員の格好で立っていた。
「羽が早くて、すまんね」
 ふっ、とドバト頭は短いクチバシを歪ませ、不敵に笑った。
 石像は失われ。
 ペリカンの嘴の下についた袋が、歪に巨大に膨らんでいた。
 
 このまま奪われるわけにはいかない。取り戻すのだ!
  • 当日夕方(戦闘勝利後)
怪盗スカイハイ・スカイウォーカー撃破
「頭をいくら潰そうとて、翼があればいくらでも生えてくる!」
「我らが七面鳥賊団の翼は消して、折れぬ!」
 
「丁重に、鳥葬を求む!」
「ホローーッホッホッホッ!」
 断末魔代わりの高笑いとともに、ドバト頭はばったりと倒れた。
(PC名)は魂片:『怪盗スカイハイ』を手に入れた

イベントマップ『白い家』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを○得た

怪鳥七面相
「ベトベト……ですね」
 プレジデントが、台の上に戻された石像を見上げながらぽつりと漏らした。
 
 怪鳥七面相の脅威は去り、取り戻した石像は破損もなく無事だった。
 だが、一度はペリカンのクチバシの下の袋にしっかり納められた代物である。
 
 よくわからない液体で、なんだかベトベトだった。
 ベトベトになった『二羽の七面鳥の石像』。
 首のない七面鳥と、恩赦を与えられ救われた七面鳥の像である。
 
 盗難被害はなかったが、両手放しには喜べない。
 何か重たい空気が、この場にいる全員の肩にのしかかっていた。
 展示室にはパン屑と、色んな種類の鳥の羽が散らばっていた。
 見ているだけで何やら、鼻がむずむずしてくるようだった。
 
 チーン、と鐘の音が沈黙を破る。
 その音は部屋の外からだったが、ひどく静かな部屋に響き渡るには充分だった。
「おお。七面鳥が焼けたようです」
「秘書のモニカが晩餐の用意をしております。どうぞ、こちらへ……」
 全て忘れてしまおう、とばかりに、プレジデントがそそくさと扉へと歩いて行く。
 断る理由もなく、(PC名)たちは彼について展示室を後にした。

ミッション『怪鳥七面相』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『七色七面鳥』を手に入れた
  • 当日夜
怪鳥七面相
今回のイベントは終了しました

現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました

サンタクロース殺人事件

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:サンタクロース殺人事件』を発見しました
サンタクロース殺人事件
 クリスマスの迫る師走某日。
 自宅前で、サンタクロースの死体が発見された。
 数日前から降り積もっていた雪の上に、サンタは大の字になって横たわっていた。
 腹部に槍状の武器で貫かれた跡があり、それが致命傷と思われる。
 死因はその傷からの失血死であるとの推測が容易なほど、大量の血が流れていた。
 着用していた白いパジャマも、白かったはずの雪も、血を吸って真っ赤に染まっていた。
 九人の容疑者が雪深いペンションに集められた。

 夫の浮気に悩むサンタの妻。
 慰謝料問題の片付かない元妻。
 浮気相手の専属看護婦。
 身代わりでの刑期を終えたばかりの老執事。
 組織のNo2から贈られたペルシャ猫。
 過酷な労働環境に耐えてきた双子のトナカイ。
 毎夜のパーティにうんざりの隣人。
 屋敷の裏の森に隠れ住む殺人鬼。
 甘言を弄し、一所に集められた容疑者たち。
 それぞれに動機と機会を持つ、充分に疑わしい九人である。

 犯人はこの中にいる。
 暴力的探偵術により、犯人を突き止めて欲しい。
 要するに、ぶっとばして口を割らせるのである。
『マップ:聖ペンション』を発見しました
  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
聖ペンション
 九人の容疑者が雪深いペンションに集められた。
 夫の浮気に悩むサンタの妻。
 慰謝料問題の片付かない元妻。
 浮気相手の専属看護婦。
 身代わりでの刑期を終えたばかりの老執事。
 No2から贈られたペルシャ猫。
 過酷な労働環境に耐えてきた双子のトナカイ。
 毎夜のパーティにうんざりの隣人。
 屋敷の裏の森に隠れ住む殺人鬼。
 容疑者は九人だが、すでにある程度の目星は付いている。
 あとは圧倒的な暴力によって自白させるのみである。

 最終的に自白した一人、それこそが犯人である。
 語りたがりな犯人の口蓋を、あの手この手でこじ開けるのだ。
 並んで立つ容疑者たち。
 その顔に浮かぶは、焦りか苛立ちか。
 彼らの向かいに立ち、誰にとも付かない曖昧な方向に勢いよく人差し指を突き立てる。

 そして、名探偵(PC名)の強引な探偵術が火を噴いた!!!
  • 当日昼(戦闘終了後)

サンタクロース殺人事件
 雪に閉ざされたクローズドサークル。
 死体は一つ、容疑者は六人と三匹。
 拳で語る(PC名)たちの手によって、見事犯人はあぶり出されたのである。

夫の浮気に悩むサンタの妻が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は夫の浮気に悩むサンタの若妻、ローラ・クロースだった。
 夫は老いた元妻と別離し、そしてまた妻を棄てようとしていたのだ。

 決定的だったのは、被害者であるサンタ氏のポケットに入っていた離婚届である。
 そこにはダイイングメッセージとして、ローラ・クロースの名が刻まれていたのだ!

 筆跡は完全にサンタ氏のものであり、疑う余地はない。
 彼は今際の際に、たまたま手にしていた離婚届に犯人の名を書き記したのである。
 つまり、それは離婚届などではなく、告発文だったのだ。
「あんな…あんな女に負けたなんて……」
 それら事実を突きつけるとローラは崩れ落ち、自白へと至った。

慰謝料問題の片付かない元妻が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は慰謝料問題の片付かない元妻、ニタ・ウォーナックルだった。
 
 彼と彼女が夫婦であった時代の話である。
 サンタ氏は生来の浮気性であり、浮気の度にボディブローを喰らっていたという。
 彼女は『ベビーフェイスの撲殺魔』との異名をとる元喧嘩屋で、手が出るのが早かったのだ。

 彼女は腹部への攻撃に並々ならぬ意欲を持っており、そして今回。
 サンタ氏は腹部への致命的な一撃で死亡したのである!!

 これはもはやパターンと言ってよく、逃れられない宿業なのだ。
 しかも彼女はこの家に招かれてはいないのだから、もはや決定的である。
「はんっ。渋ってねえでさっさと払うもん払ってればよかったんだ」
 それら事実を突きつけるとニタはふて腐れた様子で、自白へと至った。

浮気相手の専属看護婦が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人はサンタ氏の浮気相手である看護婦、ミランダ・ゲールだった。

 サンタ氏は2mを優に超える巨漢であり、傷は正面から背中に突き抜けていた。
 だが手には防御創はなく、まともな手段でそのようなことが可能だとは思えない。

 薬でも用いなければ、だ。

 彼女は医者ではないが、サンタ氏への簡単な医療行為は行っていたという。
 なんらかの薬を投与することは容易だったであろう。
 動機は不明だが、犯罪の陰に女あり、とも言うし。
 何かしらあったに違いないのである。
「あたいの愛は重いのさ……」
 それら事実を突きつけるとミランダは静かに微笑み、自白へと至った。

身代わりでの刑期を終えたばかりの老執事が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人はサンタ氏の身代わりで服役していた老執事、エドモン・ジャッカルだった。

 15年の刑期を終えたとき、全ては変わっていた。
 妻と娘は名字を変え、親友の名は墓石に刻まれ、自身の名は闇に消えていた。
 孫の名は知る権利すらない。
 自身の立場、それだけは変わっていなかった。

 執事の椅子へと戻ったジャッカルは、獄中で考えていた計画を実行する。

 15年前、自身がかぶった罪。
 それと全く同じ状況を再現し、全く同じ罪を彼は犯し直したのだ。
 罪と罰の順序が逆転したが、その帳尻を合わすための罪を。
「わたくしはなんら後悔しておりませんとも…」
 それら事実を突きつけるとジャッカルは静かに目を閉じ、自白へと至った。

組織のNo2から贈られたペルシャ猫が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は組織のNo2から贈られた、ペルシャ猫のエメラルダだった。

 問題だったのはアリバイである。
 犯行時刻、エメラルダは近所の猫を集めた猫会議に出席していたと主張していたのだ。
 会議での目撃者は一匹や二匹ではなく、そのアリバイは盤石たるものと思われていた。

 だが、アリバイ確認を他の猫に行ったところ、なんと。
 にゃーにゃー言うばかりでまったく話にならなかったのである!

 つまりアリバイは不成立であり、嘘のアリバイを主張するなど犯人のすることである。
 サンタ氏が死亡し、発見されるまでの間にNo2が組織の掌握に動いたことも加味すれば。
 このペルシャ猫が、組織No2の男により送り込まれたヒットマンであることは明白だった。
「ぶなー」
 それら事実を突きつけるとエメラルダはふてぶてしい表情を崩すことなく、自白へと至った。

過酷な労働環境に耐えてきた双子のトナカイ(兄)が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は過酷な労働環境に耐えてきた双子の片割れ、兄トナカイだった。

 初め、双子のトナカイによる共犯が疑われた。
 双子トリックである。
 しかもトナカイの双子なので、それはもう見分けが付かないのだ。

 だが、この二頭は知る限りずっと一緒にいたので、双子トリックを挟み入れる隙がなかったのである!!

 そうなってしまえばもはや、単独犯行しかあり得ない。
 兄トナカイは普段から酒場などでサンタ氏への殺意を口にしており、実行犯は彼だろう。
 弟トナカイがどの程度この犯行に関わったのか、それを明らかにすることはできなかった。

 もしかしたら、この兄弟トナカイにしてやられたのかもしれない。
 なにせ弟トナカイは、無罪放免なのだから。
「となーとなー」
 それら事実を突きつけると兄トナカイはまっすぐ前を見つめ、自白へと至った。

過酷な労働環境に耐えてきた双子のトナカイ(弟)が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は過酷な労働環境に耐えてきた双子の片割れ、弟トナカイだった。

 捜査は暗礁に乗り上げ、事件は迷宮入りかと思われた。
 だが、犯人はミスを犯していたのだ。致命的なミスを。
 なんと、凶器である自身の角についた血を落としていなかったのである!!

 血はすでに渇き、赤黒く染まった角が雄弁に物語る。
 私がやりました、と。
 誰か巨漢が弟トナカイの首をがっちりホールドしてサンタ氏に突き刺しでもしない限り。
 それは動かぬ、彼自身が犯人であるという証拠だった。
「となとなー」
 それら事実を突きつけると弟トナカイは頭を垂れ、自白へと至った。

毎夜のパーティにうんざりの隣人が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人はご近所トラブルにうんざりの悩める隣人、ベン・トロワだった。

 彼はサンタ氏に対して、何度も訴訟を起こしていた。
 元妻を寝取られたのを皮切りに、
 夜な夜なパーティを開催して大音量で音楽を垂れ流す。
 ちょっとずつ塀がこっち側に動かされて土地が削られている。
 うちに届いた新聞を郵便受けのところで先に読んでいる。

 それらはほとんど真実だったが、彼の主張が通ることはなかった。
 そして彼はついに、訴状を刃に変えて凶行へと走るのである。

 近所への聞き込みを少ししただけで、このように動機は明らかだった。
 深夜に庭にいたという目撃証言もついでながら付け加えておく。
「うう……これでようやく……やっくり眠れる……」
 それら事実を突きつけるとベンは泣き崩れ、自白へと至った。

屋敷の裏の森に隠れ住む殺人鬼が犯人だった場合

 (PC名)が示した犯人は屋敷裏の森に隠れ住む殺人鬼、ゴーシュだった。

 遺体の腹部には槍状の武器で刺された傷があった。
 だがその他に、うっすらとだがタイヤ痕がサンタ氏のズボンに残されていた。
 つまり、刺傷は偽装工作であり、被害者は車で轢き殺されたのだ。

 となれば答えには自ずと辿り着く。
 犯人は、車で轢くタイプの殺人鬼だったのだ。
 そしてなんと、近所に軽トラで轢き殺すのが好きな殺人鬼がいるではないか!

 もはや疑う余地はない。
 仮に間違っていたとしても、とりあえず殺人鬼なので有罪である。
「う…うごう゛ぁー……うう゛ぉー……」
 それら事実を突きつけると殺人鬼は呆然と立ち尽くし、自白へと至った。

 だが、犯人が誰であるかなどは些細な問題である。
 動機も、手段も、そんなものは問題ではない。犯人がいる、それで事件は解決である。

 事件が片付けば、探偵は去るのみ。
 追いすがる少女の声も、投げつけられる生卵も、すべて背中に受けて。

 ただ、去るのみである。

イベントマップ『聖ペンション』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)はステータスボーナスを□得た

サンタクロース殺人事件
 探偵とは、死を招く職業である。
 探偵のいる限り、事件はなくならない。
 たとえ探偵が殺されても、新たな探偵がその事件を解決するだろう。
 探偵と事件は一蓮托生、共存共栄なのである。
 ニワトリが先かタマゴが先か。
 そのような循環の輪の中に、探偵と事件は存在する。
 事件が探偵を呼び、探偵が事件を呼ぶ。

 サンタは死んでしまった。
 だが、事件はなくならない。そのためにも第2、第3のサンタは生まれてくるだろう。
 だから、サンタが死んでも、来年のクリスマスはきちんとやってくるのである。

 安心なのである。

ミッション『サンタクロース殺人事件』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た

(PC名)はSPを1得た

(PC名)は『遺品のクリスマスケーキ』を手に入れた
  • 当日夜(休息処理後に表示)
サンタクロース殺人事件
今回のイベントは終了しました
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『トナカイ』が修得可能になった

トナカイ屋オープン記念
 クリスマス限定、トナカイ屋がオープンしました。
 商品はトナカイ全般です。トナカイを色々して、商売しています。
 今回はオープン記念ということで。
 クリスマスプレゼントとして、トナカイを一頭お送りいたします。

 トナカイは色々と使い道がございますが、今回我々は服飾品をお勧めしております。
 軽いのに暖かい、そんなトナカイコーデはいかがでしょう。
 なお、加工もトナカイ屋で受け付けております。
 どしどしオーダーメイドしてください。うちのシェフも捌く気満々で待っております。
クリスマスプレゼントが届きました。
トナカイを用いて防具へ加工することができます。
加工の登録は『基本登録』で行ってください。

鬼ヶ島の鬼退治

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:鬼ヶ島の鬼退治』を発見しました
鬼ヶ島の鬼退治
 鬼の哭く島、鬼ヶ島。
 ここは地獄であり、鬼たちの楽園である。
 
 鬼ヶ島の周囲は鎖のように渦潮が繋がっており、近づくことができない。
 だが、それは同時に島から外へ出ることもできないことを意味する。
 つまり、鬼の存在はそこにあってないものと同じということだった。
 鬼ヶ島にもっとも近い陸地には、豆の名産地である鳩ヶ岳村がある。
 この村は鬼ヶ島を目前にしながら、渦潮のおかげで鬼に怯えることなく暮らしていた。
 
 だが、とある豆の収穫日、鬼たちは船で海を渡って村へと襲来した。
 そして彼らは村の若い女と正直爺さんが裏庭に隠していた金銀財宝を奪い去ったのだ。
 村人たちはなぜだと海に向かって叫んだ。そして気づいた。
 島を封じ込めていた渦潮の鎖が、なぜだか忽然と姿を消していたのだ。
 
 突如姿を消した渦潮。
 このまま消えたままでは危険は続き、復活してしまえば奪われたものを取り返す術はなくなる。
 
 どっちもどっちである。
 村人の願いはただ一つ。
 鬼たちの一掃である。
『マップ:鬼ヶ島』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
鬼ヶ島
「風が湿ってやがる。こいつは荒れるぜ」
 舳先に片足乗っけて、船長気取りの水夫が呟く。
 空は晴れ渡り、波は穏やかで荒れそうな気配はない。
 エンジンも快調で、村の漁港から出発して鬼ヶ島までの船旅は順調そのものだった。
「てめえ! 鬼の餌にされたくなきゃちゃんと潮見てやがれ!」
 舵を握った船長が、青筋浮かべながら吠え立てる。
「てゆうか眼帯外せボケぇ! 片目で距離測れんのかカスぅ!」
「事故って漂流したら殺して料理して食わねえで捨ててやっかんなクソガキぃ!」
 
 舳先の水夫は左目の眼帯を押さえ、
「無くしたはずの目が疼く。どこかで見てやがるのか、俺から奪った目で……」
 何かのごっこ遊びを続けていた。

鬼ヶ島
 鬼ヶ島。
 上空から見れば鬼の顔っぽい形をしているらしい。
 そのけつ顎の部分から、上陸すべく島へと近づく。
 
 聞いていた話の通り、島を囲んでいたという渦潮は消えていた。
 そして島に棲む鬼からの迎撃もなく。
  拍子抜けなほどあっさりと、船は接岸を果たした。
「血の臭い……俺の中の鬼の血が反応してやがる……!!」
「うるせえ! てめえの鼻が腐ってるだけだ! さっさと錨降ろしてこい!」
 操舵の必要がなくなった船長が、船首まで来て水夫のケツに蹴りを入れる。
 蹴られた水夫は、
『くうぅ。忘れるな、我が痛み…』と呟きながら、船尾へとぼとぼ歩いて行った。
 
 錨を海中へと放り投げ、岸に杭を打ち込んでロープで船をつなぎ止める。
 下ろしたタラップを渡り、ケイたちはついに鬼ヶ島に上陸した。
  • 当日昼(戦闘直前)
鬼ヶ島上陸作戦
 二人を船に待たせ、レオンたちは鬼ヶ島へと足を踏み入れた。
 砂浜にはボロボロのボートがいくつか放り出され、その中に漁網が適当にしまってある。
 渦潮の影響で舟で漁に出ることはできないので、砂浜から網を投げて漁をしているのだろう。
 それらボートは、とても海に出られるような状態ではなかった。
 砂浜から島の奥へと、簡単に整備された道が林の中を続いていた。
 それを抜けると、木々が伐採された広いスペースに出る。
 
 そこには家が、刃を空に向けて地面に突き刺さった無数の槍に囲まれていた。
 地面に突き刺さった無数の槍。
 それぞれの刃先には頭蓋骨が引っかけられている。
 その頭蓋骨は人間のものだったが、額の辺りに一本ないしは二本の角が生えていた。
 
 ケイたちの気配に気づいた何者かが、家の扉を内側から開いた。
 
 そこにいたのは、紛れもなく鬼だった。

  • 当日昼(戦闘勝利後)
鬼ヶ島
 鬼の顔の形をした島の、顔で言うところの右の鼻の穴にあたる洞窟。
 そこに、村から連れ去られた女たちは幽閉されていた。
 
 檻の鍵を壊すと、彼女らは我先にと洞窟を飛び出していく。
 そして、左の鼻の穴にあたる隣の洞窟へと入っていった。
 
 鬼が奪った金銀財宝がそっちの洞窟に隠してあったらしいが。
 後になってケイたちが見たときには、空箱がいくつか転がるだけだったという。
 左耳に当たる部分に隠し港があり、女たちはそこに停泊していた鬼の船で村へと帰っていった。
 全員なんだかキラキラしていたが、それはきっと彼女らに笑顔が戻ったせいだろう。
 
 太陽の光を受けて、主に耳や首元や指などが、キラキラと輝いていた。

イベントマップ『鬼ヶ島』をクリア!
 クリアボーナス
 (PC名)はステータスボーナスを7得た

鬼ヶ島の鬼退治
「もしもこの世に鬼がいるとするなら、その鬼は人の姿をしているはずだ」
「るっせえバカヤロウ。寝言ばっか言ってっとマグロ漁船に行かすぞ」
 船長と水夫の何気ない会話に迎えられ、レオンたちは船へと戻ってくる。
 女たちが鬼の船で村に戻ったことと、財宝は無くなっていたことを告げた。
「敵の船を奪って逃げるか。あの女らしいぜ、まったく」
「てめえが喋ったことのあるような女は攫われねえで村にいるよ」
 鼻の下を人差し指で擦って呟く水夫の背中に、船長が静かに言葉を刺す。
 
「……花子の姿とか、見かけないし」
「鬼が拒否ったやつに、ただ避けられてんだよ気付けダボ」
 水夫は前髪をぐい、とかき分け、
「これだから、女ってやつはやめられねえぜ」
「分かったから錨上げて来い。出発すんぞ」
 若干しゅんとした様子の水夫は、以降は無言で船長と出港準備を進めていった。

ミッション『鬼ヶ島の鬼退治』をクリア!
クリアボーナス
 (PC名)は魂塵を△△Ash得た
 (PC名)はSPを1得た
 (PC名)は『福豆』を手に入れた
  • 当日夜(休息処理後に表示)
ある梅雨の日に
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『小鬼』が修得可能になった

呪いの雛人形

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:呪いの雛人形』を発見しました
呪いの雛人形
 ある屋敷にて、呪いの人形が発見された。
 
 屋敷のあるじは人形の収集家だった。
 あらゆる土地で、あらゆる手段を用いて人形を掻き集めた。
 そして部屋を、家を人形で埋め尽くし、その中で彼も埋もれて暮らしていた。
 怪異が始まったのは、ある二体の人形がこの屋敷にやって来てからだという。
 表情のない白塗りの顔。
 それに対比して煌びやかな着物姿の、男女一対の人形だった。
 その人形を手にしてから、屋敷中の人形に異変が起こり始めた。
 
 全身の毛という毛が伸びて止まらない黒髪人形。
 顎の部品ががっくんがっくんなる腹話術人形。
 狂ったようにシンバルを鳴らし続ける猿人形。
 優雅に能を舞うフラワーロック。
 動くこけし。
 呪いの館と化した屋敷。
 すでに、そのあるじは収集家ではなく、男女一対の人形である。
 
 収集家の生死は不明。
 いくつかの意味で助けを必要としていない可能性も大いにある。
 だが、それでも、それはそれとして行くしかないのである。
『マップ:呪いの人形屋敷』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
呪いの人形屋敷
 ゆっくりと、扉が開く。
 だが、(PC名)たちはそれに触れてさえいない。
 近づいただけで、歓迎するかのように玄関扉が押し開かれた。
 その瞬間、視界がふさがる。
 巨大な熊のぬいぐるみが宙を舞い、こちらに抱きつこうと飛びついてきていた。
 すでに目の前ではあったが、余裕を持ってかわす。
 熊はそのままの体勢で玄関から飛び出し、べたんと地面に張り付いた。
 
 それを背に、屋敷へと押し入る。
 中は人形で溢れていた。
 リアルな人体模型から、ファンシーなぬいぐるみまで。
 数と種類が重要であると言わんばかりに、統一感なく掻き集め、並べられていた。
 玄関ホールから、奥へ。
 屋敷のあるじからの招きはない。
 背後で玄関の扉が閉まる音を聞きながら。
 (PC名)たちは、奥へと進んでいった。

呪いの人形屋敷
 部屋の前まで行くと、玄関と同じように独りでにドアは開いた。
 灯りはないらしく、中は暗い。
 一歩だけ、部屋へつま先を入れた。
 
 ぼっ、と正面に炎が二つ灯る。
 ろうそくの炎が二つ、部屋の奥にある祭壇のようなものの上に並んでいた。
 照らされて、二つの炎の間に浮かび上がる。
 黒い着物を着た男と、赤い着物を着た女の人形。
 祭壇に胡座をかいて並び、正面、つまりこちらを見つめていた。
 
 どちらも顔は白塗りで、同じ表情をしている。
 喜怒哀楽、どれでもあってどれでもない、だがそれは無表情には見えなかった。
 その人形の目から、赤い液体が流れ出る。
 そして口元が、薄く横に引いただけの黒い線が、笑ったような気がした。


  • 当日昼(戦闘勝利後)
呪いの人形屋敷
『ありがとう!』
 声は部屋の外からだった。
 くぐもった声がさらにドアに遮られ、やたらと聞き取りづらかったが。
 
 がちゃり、とドアが開く。
 そこに立っていたのは巨大な熊のぬいぐるみだった。
 のそのそと、熊のぬいぐるみが歩いてくる。
 それは一度見た、屋敷に入ってくる際に飛びついてきた熊だった。
 その証拠に、と言うわけでもないが。全身、特に膝や肘が泥で汚れていた。
「やあ。僕はクレイマー。人形大好きクレイマーとは僕のことさ!」
 熊の着ぐるみと言うことでそれなりには可愛げのあるポーズを決めながら。
 
 おそらくはこの屋敷の元々のあるじなのだろう。
 着ぐるみ姿の人形収集家が、コミカルに挨拶と自己紹介を投げてきた。

イベントマップ『呪いの人形屋敷』をクリア!
 クリアボーナス
 (PC名)はステータスボーナスを□得た

呪いの雛人形
「白塗りの顔をした、似た感じの二体の人形がいただろう?」
 熊の着ぐるみを着た男。声からして、男だろう。
 人形収集家、クレイマー・ウィルキンソンは静けさを取り戻した我が家に舞い戻り、散らかった人形を拾って棚に戻していた。
 熊の手で、器用に。
 
「あれは別々に手に入れたものなんだけど。それっぽいから、並べて飾ってみたのさ」
「そしたらなんていうか、呪いマックス的な?」
 なんとも軽い口調で。
 クレイマーは地面に突っ伏した人体模型を壁にかけ直しながら言ってきた。
「これもなぜだか脱げなくなっちゃうし。パジャマなんだけどね、これ」
「でも、呪いが解けたなら脱げるよね、きっと」
 熊の頭を自身の両手で掴み、真上にぐいっと引っ張る。
「もう何日も着っぱなしだから、すごいことになっちゃってるんだよね、中」
「なんていうかもう、ぬっちゃぬっちゃのぎっとぎと、みたいな」
 言いながら、頭を引っ張りジョイント部分の首がちらりと覗く――
 あたりで、すごいことになってる中身が頭をよぎり、(PC名)たちはその手を止めさせた。
 
「え? なんで? あ、もしかして熊好き? この方がいいなら、いいけど」
「でも中身も熊っぽいよ。しかも今なら熊っぽさ倍増中だよ。獣臭付きだよ」
 熊の着ぐるみとはまったく逆ベクトルのリアル熊っぽさなのだろうが。
 とりあえずこのままで、とクレイマーに伝える。
 
「まあ、気持ちは分かるよ。熊はとても可愛いからね」
 どこかの誰かの気持ちが分かったらしい熊が、うんうんと頷いていた。
「ありがとうの気持ちは伝えても伝えきれないからさ」
「僕は基本、形ある物を伴わない気持ちは信用しないようにしてるんだ」
 
「ということで、これは僕の気持ちだよ」
 そういって、熊が感謝を込めて渡してきたのは。
 一緒に呪いも込められた、一体の雛人形だった。

ミッション『呪いの雛人形』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
 
(PC名)はSPを1得た
 
(PC名)は『雛あられ』を手に入れた
特別ボーナス
(PC名)は魂片:『呪われ雛人形』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
呪いの雛人形
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました

花扮前線北上中

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:花扮前線北上中』を発見しました
花扮前線北上中
 今年も花見の季節がやってきた。
 だが、同時に、敵もまたやってくる。

 花に扮したヤツらこと、花扮である。
 花扮たちは花見客そっちのけに桜の木を蹴りつけ、花を散らしてしまうのである。
 それも適度にやってくれれば、桜吹雪も綺麗だな、とでも言えようが。
 散りきるまで蹴るものだから始末が悪い。

 それ以外に特に害はないが、放っておくのも気分が悪い。
 というわけで、花扮駆除作戦が発動されることとなったのである。
 今回、花扮たちをおびき寄せるために偽花見会場を用意した。
 桜の木もサクラのみなさんも、すべて偽物である。
 そうとも知らず花扮たちは、桜の木を蹴りつけるべくやってくることだろう。

 そこを一網打尽に叩くわけである。
 さあ。調子に乗っている花扮たちから、花の扮装をひん剥いてしまおうではないか。
『マップ:偽花見会場』を発見しました

  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
偽花見会場
 偽花見会場は賑わっていた。
 用意された偽桜の周囲にブルーシートが敷かれ、花見客はそれぞれにグループを作ってその上を陣取っていた。

 花見客はすべて仕込みのサクラである。
 だが、偽ものとは思えないほど、サクラのみなさんは乱れていた。
 酒を飲んだり浴びたり桜の木に飲ませてあげたり。
 芝居だからと手を抜かず、本気と見紛うばかりの出来上がりっぷりだった。
 そんな飲めや歌えの大騒ぎも、いつかは終わる。
 サクラの彼らの間を抜けて、のっしのっしと会場を横切る異様な姿があった。

 すね毛ボーボーの二本足を生やした巨大花。
 迷うことなく一直線に桜の木の前まで歩いて行って、そしてさも当然の行為のように。
 おもむろに振り上げた足を、桜の木の幹に叩きつけた!
 強烈な一撃が幹に突き刺さる。
 だが、花びらが舞い散ることはなかった。
 文字通り、強烈な一撃が突き刺さっている。
 幹を踏み抜いた巨大花の足はそれを軽々と貫通し、反対側に突き出していた。

 巨大花は足を引き抜こうと力を込める。
 だが、何やら液体の塗られた幹に絡め取られ、抜け出すことはできなかった。

 それはすでに、囚われていた。
 宴が終わる。
 獲物は餌に食いついた。
 狩りの時間が始まる。
  • 当日昼(戦闘勝利後)

イベントマップ『偽花見会場』をクリア!
 クリアボーナス
 (PC名)はステータスボーナスを□得た

花扮前線北上中
 偽物の桜。
 元となったものは何らかの木ではあるが、名は知らない。
 散り落ちた桜の花びらを枝に適当に貼り付けられただけの名もない木である。

 おそらく偽装を行った者でさえ知らないだろう。
 この季節、桜ではない植物に価値などない。
 幹の部分に花扮をみっちり張り付かせた、おとりの偽桜。
 塗りたくられた鳥もち的な粘着物質は油でできており、よく燃えるらしい。

 つまり、燃やすらしかった。
 桜の木に偽装された何かの木に火がともされ、ゆっくりと燃え上がった。
 火は花びらに燃え移り、火の粉となって舞い落ちる。
 ピンクではなく赤い花が、春の夕暮れの空を朱に染めていた。

 キャンプファイヤーを囲んで、サクラのみなさんは二次会を始めていた。
 もう邪魔者はいない。
 仮にいたとしても、あれを蹴りつける勇気はないだろう。

 もはや完全に花見ではなくなってしまったが。
 サクラのみなさんには、おおむねどうでもいいことだった。

ミッション『花扮前線北上中』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
 
(PC名)はSPを1得た
 
(PC名)は『花見弁当』を手に入れた

  • 当日夜(休息処理後に表示)
花扮前線北上中
 
今回のイベントは終了しました
 
現在位置、HP、疲労度がイベント開始前の状態に戻りました
イベント挑戦ボーナス
(PC名)はコスチューム『お花』が修得可能になった

大きい魔鯉はお父さん

  • 発生(前日夜、強制イベントおよび休息処理後)
イベントスタート
『ミッション:大きい魔鯉はお父さん』を発見しました
大きい魔鯉はお父さん
 鯉の養殖を生業とする村、ガイナシュア。
 村の面積のおよそ7割を占める池で、美しい紋様を持つ鯉を育てている。
 残りは家と畑で、畑で作っているのは鯉の餌である。
 鯉の養殖において、注意しなければいけないことがいくつかある。
 とはいえ基本的に鯉の飼育は容易であり、この道のプロである彼らにしてみれば。
 無理に失敗しようとでも思わなければ失敗しない。
 その程度には、簡単な仕事だった。無論、簡単ではあっても楽ではないが。

 だが、どれだけの熟練者であろうと、注意しなければいけないことは間違いなくある。

 それは魔鯉の存在である。
 当たり前の話だが、メダカがクジラになったりはしない。
 同じように、鯉は鯉として生まれ、鯉として死ぬ。

 だが、稀に、その成長過程において道を外れる場合がある。
 原因は不明だが、鯉から別の生物――魔鯉へと変貌を遂げるのである。

 変化した魔鯉は水から解き放たれ、空を泳ぎ始める。
 そして体は爆発的に成長し、10メートルを超えてもなお巨大化し続けるという。
 魔鯉への変貌を阻止する方法はいまだ分かっていない。
 できることは対処療法。魔鯉へと転じた個体を無理矢理池に戻すことだけである。

 魔鯉は池から飛び立ち、雲の向こうへと消える。
 そして群れを成し、世界の空を泳ぎ続ける。

 商品の逃亡。それを阻止できるのは君たちだけである。
『マップ:ガイナシュア養殖池』を発見しました
  • 当日朝(食事およびマップ移動処理後)
ガイナシュア養殖池
 ガイナシュア村。
 山村ではあるが、人工的に作られたため池で鯉の養殖は行われていた。

 池の水はあまり綺麗とは言えず、水面から数十センチほどでもうその先は見えない。
 その下を泳いでいるものの姿は見えない。
 水面を魚が跳ねる。
 その音に視線を向けたときにはすでに、水面に拡がる波紋だけが残されていた。

 また別の方向で音がする。
 魚が跳ねて波紋が作られる。それは先ほどよりも大きな波紋だった。
 そしてまた、魚が跳ねる。
 繰り返されるその光景は、次の次の水音が鳴るまで続いた。

 次の次、繰り返しを終わらせる音は、音だけをしてみれば多少大きかったぐらいのことである。
 だが音源を視界に捉えてみれば、違いは一目瞭然だった。

 今までのように、水面には大きな波紋が作られていた。
 その中心、30センチほど上空にそれはふわりと浮かんでいた。
 白い体に、紅と黒の墨を零したような模様の鯉。
 大きさは優に1メートルは超えているだろうか。
 胸びれと腹びれが大きく発達し、蟲の羽のように横に広げていた。

 餌をねだるときのように、口を大きく開ける。
 そして、一気に空気を飲み込んだ。その口に、その体内に。
 するとまるで風船のように、鯉の体が膨らんだ。
 丸く膨らんで、次の瞬間には横にぎゅんと伸びる。

 その一連の呼吸一つで、鯉の体長は倍近くにまで急成長していた。

ガイナシュア養殖池
 養殖池から飛び出した鯉は一匹だけではなかった。
 最初の一匹が空気を吸って巨大化した直後、それに倣うように次から次へと鯉が池から飛び上がる。

 そして空気を吸って自らの体を膨張させていく。
 その頃には、最初に水から上がった鯉がもう一段階膨らみ、ヒレを使って泳ぎだそうとしていた。
 行き先はもちろん、空である。
 池の上には、板で格子状に組まれた足場が浮かんでいる。
 それに乗っていけば、池の半分ほどまで歩いて行けるようになっていた。

 (PC名)たちは足場に飛び乗り、空へと飛び立とうとしている鯉たちの側まで歩いて行く。
 鯉の成魚から、魔鯉の稚魚へと成り代わった彼らの元へと。
  • 当日昼(戦闘終了後)
ガイナシュア養殖池
 魔鯉は空を泳ぐ。
 だが、その巣立ちに失敗し、水の中に落ちると二度と飛び立つことはないという。
 大きくなったヒレは抜け落ち、数ヶ月して元に戻る。
 元とは、池の中を泳いでいた頃の、水を掻くためのヒレにである。
 村人達の声援を背に、魔鯉たちを池へと叩き落としていく。
 質の悪いもぐら叩きのような光景だった。

 そんな(PC名)たちの姿を突如影が覆う。
 太陽を遮る巨大な何かが空に浮かんでいた。
 見上げれば、そこには数十メートルにまで成長した魔鯉たちが並んで泳いでいた。

 そのシルエットが、どんどん巨大になっていく。
 それはこちらに向かい、ゆっくりと降下し始めていた。
 村人達の声援が悲鳴に変わる。
 蜘蛛の子を散らすように逃げていく中で、(PC名)たちも池の上の足場からの退避を始めていた。

 準備を終えた魔鯉の稚魚たちが空へと上がっていく。
 それをとめるものはもう誰もいなかった。

イベントマップ『ガイナシュア養殖池』をクリア!
クリアボーナス
 (PC名)はステータスボーナスを□得た

大きい魔鯉はお父さん
 地上すれすれまで降りてきた魔鯉たちは池の上を飛んでそのまま通り抜けていく。
 こちらには何の興味もない、魔鯉の稚魚たちにさえ興味がないようだった。
 彼らの巨体に弾かれ、池へと振り落とされる稚魚もちらほらいるほどである。

 そして稚魚たちと一緒に、接近して泳ぐ魔鯉同士もぶつかり剥がれた鱗が数枚池へと落ちていく。
 水しぶきが上がり、足場の一部を壊していった。
 池を通過すると、また魔鯉は空へと急上昇していった。
 稚魚たちもその後を追う。
 スピードには大きな差があるが、必死に付いて行こうとしていた。

 風のように、過ぎ去っていく。
 止まることなく、寄り道も何もない。
 来年またここに来るのか、そこに先ほど付いて行った稚魚たちも混ざっているのか。
 それは分からないが、ともかく、今年の魔鯉たちの巣立ちは終わったようだった。
 池には小さな鯉と、(PC名)たちや魔鯉が池へと叩き落とした巨大な鯉が泳いでいる。
 水面へと近づき、餌をねだって口を突き出していた。

 畑になっていた白くてふわふわしたパンのような実を一つちぎって投げる。
 着水した瞬間、大きさに関係なく全ての鯉が暴れ出し。
 大混乱の中で、たった一つの餌を取り合っていた。

ミッション『大きい魔鯉はお父さん』をクリア!
クリアボーナス
(PC名)は魂塵を△△Ash得た
(PC名)はSPを1得た
(PC名)は『ちまき』を手に入れた
特別ボーナス
(PC名)は魂片:『魔鯉』を手に入れた

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最終更新:2013年05月06日 13:02