『文字の起源と歴史』まとめ その2 2006/12/15
東アジアの文字
1.文字の概念の発達
東アジアは西アジアとは全く別箇に「文字」と「記録」の概念を手に入れたのか。
→不明
≪検証材料≫
@漢字の祖先である「甲骨文字」の誕生は紀元前1200年ごろ。
甲骨文字
・殷王朝時代の甲羅や骨を使った占い結果を記すために使われたといわれる。
・殷王朝は政教一体型国家。
・占いは主に収穫や天候にまつわるもの?
・現在解読は不完全。
A甲骨文字の誕生より2000年前に楔形文字・ヒエログリフはあった。
Bシルクロードは存在していたか?
・絹の道の前身、玉の道があったらしい。
・玉の道は殷王朝の王族に玉石を中央アジアのタリム盆地から運んでいたらしい。
・紀元前5世紀に中国には、前18世紀頃のメソポタミアに発したガラス製造の技術はあった。
◆文字の概念が中国で独自に生まれたことを考えるのは難しい。
◆漢字も収穫への高い関心から発生した記録術であった。
→しかし、発達手順は違っている。
2.漢字文化
・漢字は表意文字である。
・漢字は発祥地のみならず、様々な文化に「輸出」され、使用されている。
→しかし、漢字を書けば通じるということは完全には当てはまらない。
≪理由≫
@漢字は個々の意味と同時に運ばれ定着したが、文法は定着できなかった。
→中国語と異なる言語族に属する言語(日本語、韓国語、ベトナム語など)では不便。
↓
現地語の文法に取り込まれる中で、漢字の並び順などが変化する。
A漢字は完成したまま一式のセットで輸出されていなかった。
→輸出された文字、その後使用され続けた文字、簡略化された文字で数が違う。
→輸出先で独自に作り出した文字もある(例:日本語の菊)
3.漢字と補助文字
漢字と併用される文字の代表として、ひらがな・カタカナ・ハングルなどがある。
@ハングル
元朝の使用していたアルファベット系文字の原理を取り入れ、表音文字を作る。
15世紀、国王によって製作された28文字の母音と子音の文字を組み合わせて音節を作る。
識字の弊害になっていた漢字の難解さを排除するため。
Aひらがな・カタカナ
発祥は平安時代。
しかし現在の形に整ってきたのは江戸時代。
更に、正書体として整備されたのは明治以降。
漢字を崩して、当時の漢字の音を拾う。
清音が各45文字。そのほか25文字。