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|BGCOLOR(AEEB9C):327 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 00:58:01 ID:sUeePPBZ0| 七月も終わろうとしている日の昼下がり、ゲームセンター「バーボンハウス」へ向かう一人の男がいた。 …孟徳だ。 昼の喧騒を楽しむかのように、ゆっくりと歩いている。 ヽ(`Д´)ノ「久しぶりに昼からのんびりできるな。卞に内緒で仕事を休んじまったが…たまにはいいよな。」 どうやら妻に内緒で一日だけ有給休暇を使ったらしい。 しかし、せっかく取った休みでもゲームセンターへ行くところは流石というか何というか… ヽ(`Д´)ノ「何となく、こうして内緒で休むと学生時代を思い出すな……ん?」 ふと見ると、前から小学生の団体が歩いてくる。 土曜日でもないのに、やけに下校時間が早い。 何故だろう、と少し考えた孟徳だったが… ヽ(`Д´)ノ「…ああ、今日で一学期が終わりなのか。」 思えば小学校の時なんぞ、随分前の事になっちまったな…と考えつつ、団体の横を通る。 と、そこで団体より少し遅れて歩いてくる小さな男の子が視界に入った。 よく見ると、その男の子は複数のランドセルと手提げ鞄を持ち…いや、持たされていると言った方が正しいか。 しかもその顔には涙を溜めていた。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):328 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:00:40 ID:sUeePPBZ0| ヽ(`Д´)ノ(あれは…) その時、すぐ横にいた団体の中の数人が大きい声を張り上げる。 小学生A「おせーぞ『雑用』!何チンタラやってんだよー!」 小学生B「早く歩いてこいよノロマー!使えねー奴だなぁ、てめーは!」 この声を受けて、後ろにいた男の子が足を速める。 だが同時に、押し殺した呻き声も同時に聞こえてきた。 その声を聞くと同時に、彼らはさらに追い討ちをかける。 小学生B「おい、泣いてんぞアイツ!」 小学生A「きっめー!こんくらいの事で何泣いてるんだよ、ばーか!」 孟徳は改めて、声を出した数人を見る。 …全員が例外なく笑っていた。 だが、どう見ても好意的な笑い顔ではない。 ヽ(`Д´)ノ(こいつら…) その瞬間、孟徳は昔の事をふと思い出した。 次々と思い出す昔の記憶。 …とても辛い、しかし忘れる事はできない小さい頃の記憶が… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):330 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:03:42 ID:sUeePPBZ0| -------------------------- 孟徳・小学校二年生の時。 この頃の孟徳は気が弱く、また背が学年一小さい事も相まって散々からかわれていた。 ただ、こうして言葉でからかわれるだけならば「まだ良かった」のだ。 (.^ー^)「おーい孟徳、ちょっとこっちに来いよ。」 (;´-`)「な、なに…?」 昼休み、いつも孟徳をからかって遊んでいる同級生から呼ばれた。 孟徳は嫌な予感がしつつも、気の弱さ故に今日も行ってしまう。 見ると、同級生の手にはガムテープが握られていた。 (;´-`)「い、一体何の用なの?僕は特に何もしていないけど…」 (.^ー^)「なーに、今日はお前にちょっとおしゃれさせてやろうと思ってなー」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):331 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:05:13 ID:sUeePPBZ0| そう言った瞬間、彼はガムテープの粘着部分を引き出して孟徳の頭髪に乱暴に貼り付けた。 それも何枚も何枚も… 孟徳はその行為を何とか静止しようとするが、同級生はお構いなく強引に貼り付けてくる。 ( ;-;)「や、やめてよー!やめてーっ!」 (.^ー^)「じっとしてろコラ!…よっしゃできた、ガムテファッションー」 孟徳の髪は、殆どガムテープを貼り付けられてペタンコ状態になっていた。 この時点で孟徳は既に泣きそうになっていたが、さらにそこへ追い討ちが入った。 (.^ー^)「んー…いざやってみると、あんまし似合わないなー」 ( ;-;)(ま、まさか…) ---- |BGCOLOR(AEEB9C):333 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:07:24 ID:sUeePPBZ0| そのまさかだった。 彼は孟徳の髪に張り付いているガムテープを掴み、その次の瞬間… バリバリッビリィッ! ( ;-;)「うわあああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」 くっついていたガムテープを力任せに剥がしたのだ。 剥がれていくガムテープと同時に、孟徳の頭髪も抜け落ちていく。 精神への痛みと、頭髪を引きぬかれる痛みが同時に孟徳を襲う。 完全にガムテープを剥がしきった同級生は、冷たく孟徳に言葉を投げかける。 (.^ー^)「やっぱりこっちの方がいいわ。気のせいか最初よかワイルドでいい感じになってるぜ、ははは。」 そのまま去っていく同級生。 孟徳はその場でうずくまり、泣き続けていた。 ( ;-;)「うっ…ううぅぅぅ……」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):335 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:09:18 ID:sUeePPBZ0| これを発端に、孟徳は様々な嫌がらせを受けるようになった。 「やる側」にすれば、ただ面白がってやっているだけなのだろうが… それらの行為によって孟徳が怪我をしたりした場合、 周りの人間は口裏を合わせて「孟徳が勝手に怪我をした」という事にされた。 ノートや筆記用具をいつの間にかゴミ箱に捨てられていたり、給食をわざと汚い盛り方にされたり、 いつのまにか上履きが雨の中の校庭、しかもど真ん中に放置されていたり… 肉体的な攻撃の他、精神に来るような嫌がらせも毎日のように受けた。 …そんな事が二年間続いた。 今まで耐えていた孟徳も、流石に限界に来てしまった。 ある日、学校から帰ってきてすぐに部屋の隅にうずくまる。 ( ;-;)(もう…嫌だ……学校なんか……行きたくないよ…) 近くに置いたランドセルの中には、教科書とノート。 そして、壊された筆箱と同級生に無理やり詰め込まれたゴミが入っていた。 孟徳はこれだけ色々とやられているのに、親には相談を全くしていない。 …彼は「親には心配をかけたくない」と、一人で背負い込んでいたのだ。 しかしそれが逆に孟徳を追い詰めてしまう事にもなった… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):337 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:11:17 ID:sUeePPBZ0| その時だった。 家の玄関のチャイムが鳴り、誰かが部屋に近付いてくる。 その足音は、同じ位の年の子のようだが… ???「孟徳君、いるんでしょー?入るよー」 ( ;-;)(…?この声は…?) ドアが開き、その子が入ってきた。 (´・ω●)「やっほー、久しぶりー…って、どうしたの?」 入ってきたのは元譲だった。 この二人は住んでいる地区の違いで別の学校に通っているものの、 小さい頃から良い遊び仲間としていつも一緒だったのだ。 もちろん、こうして時々孟徳の家にも遊びに来る。 ( ;-;)「…あ、元譲君…ごめん、少し待ってて…」 元譲に背を向けたまま、涙を拭く孟徳。 一方、元譲は孟徳が泣いていた事を気にしていた。 部屋の隅にうずくまり、泣いている…こんな状況を目の当たりにすれば、普通は何があったと聞きたくなる。 …そして五分後、ようやくいつもの表情を取り戻した孟徳に元譲が話しかけた。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):339 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:13:35 ID:sUeePPBZ0| (´・ω●)「…落ち着いたみたいだね。一体何があったの?」 ( ´-`)「…ううん、何でもないよ。」 (´・ω●)「何も無かったようには見えなかったよ?溜めこまないで、一度話してみてよ。」 ( ´-`)「………」 元譲のその一言を受け、孟徳は静かに話し始める。 ( ´-`)「…うん。実は……」 孟徳は元譲にこれまでの事を喋った。 入学してからすぐ始まった嫌がらせ、二年に上がってから暴力が加わった事。 そして、毎日のように続く嫌がらせに耐え切れなくなった事… とにかく、今まで黙っていた事を全て話した。 (´・ω●)「…たまに妙な所を怪我しているなと思っていたけど、そういう事だったのか。      もっと早く言ってくれれば良かったのに…」 ( ´-`)「…でも元譲君とは通っている学校も違うし、相談してもあまり意味が無いかなと思って…」 (´・ω●)「…それはちょっと違うんじゃないかな。」 ( ´-`)「え…?」 孟徳が何故という顔で元譲を見る。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):341 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:15:30 ID:sUeePPBZ0| (´・ω●)「確かに僕は孟徳君とは違う学校に通っているから、直接的に助けることは出来ない。      だけど、こうして相談相手になることはできる。      こうして喋るだけでも、大分違うものだよ?」 ( ´-`)「…でも、話したって殴られたり嫌がらせを受ける事が無くなる訳じゃないでしょ?だから…」 (´・ω●)「じゃあ何でこうして話してくれたの?君の考えだと、こうして僕に話す事自体無意味じゃないの。」 ( ´-`)「………」 元譲が言葉を続ける。 (´・ω●)「信頼できる家族や友達に悩みを打ち明けて、相談に乗ってもらう。      これは結構重要な事だと思うんだ。      孟徳君だって本当は誰かに悩みを打ち明けたかったけど、心配をかけたくなかったから喋らなかったんでしょう?」 ( ´-`)「…それは…」 (´・ω●)「気持ちは何となくわかるよ。ただ、それを続けるのは体にも心にも良くないと思うんだ。」 ( ´-`)「う…」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):342 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:17:30 ID:sUeePPBZ0| 元譲が孟徳に近付き、一言告げる。 (´・ω●)「"僕達"は嫌がらせや暴力に対抗できる力が無いしね。      だったらひたすら我慢するか、何とか逃げるかするしかないと思うよ。      それでもきつくなったら、家族か友達に相談して『心』を軽くした方が良いんじゃないかな。」 ( ´-`)「……うん……」 (´・ω●)「…友達なんだしさ、こういう事は気軽に相談してよ。      少しは孟徳君の支えになれたら嬉しいからさ。      『嫌がらせの痛さ』に負けちゃいけないから…ね。」 孟徳の顔は、いつの間にか穏やかな表情に戻っていた。 元譲と話しているうちに、心にあった何かが消えたからかもしれない。 『もう少し頑張ってみよう』 そんな気持ちが孟徳の心に芽生え始めていた… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):345 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:21:00 ID:sUeePPBZ0| ( ´-`)「あ、ところで…」 (´・ω●)「何?」 ( ´-`)「さっき『僕達は』って言ってたけど…あれはどういう意味なの?」 (´・ω●)「…ああ、その事?」 その後に帰ってきた言葉は、意外なものだった。 (´・ω●)「…僕も学校で色々やられているんだよ。      だから『僕達』って言ったのさ。」 ( ´-`)「………!」 孟徳は正直ショックを受けた。 元譲もまさか同じような境遇にあったとは… 自身がそのような状態にも関わらず、こうして相談に乗ってくれた事。 それを考えた途端、孟徳は自然とある言葉を口に出していた。 ( ´-`)「…元譲君、僕も君にとっての相談相手になれるよね?」 その問いに、元譲はすぐに答えを返した。 (´・ω●)「当たり前じゃない。…その時はよろしくね。」 大人になっても続いている友情。 それは、今思えばこの事が決定打になったのかもしれない… ---------------------------------- |BGCOLOR(AEEB9C):348 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:26:40 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ(…思えば、あの時の元譲の言葉のおかげで乗り切れたんだったよな…) 孟徳は改めて泣いている男の子を見る。 気のせいか、昔の自分がだぶって見えた… 足を速め、孟徳は男の子の近くへと行く。 そして、顔を見ずに声をかけた。 ヽ(`Д´)ノ「…坊主、負けるんじゃないぞ。       我慢しても良い、時には思い切って逃げる事も重要だ。       だが…理不尽な力に屈して負ける事だけは駄目だ、わかったな。」 男の子「え……」 男の子は孟徳を見上げる。 孟徳は更に言葉を続けた。 ヽ(`Д´)ノ「俺も、昔は君みたいに色々と皆からやられていたんだよ。」 その言葉を言い終わった後、孟徳は初めて男の子に顔を向けた。 ヽ(`Д´)ノ「しかし、乗り切ればきっといい事がある。俺もそうだったからな。       だから…頑張れよ。」 それだけ言って、孟徳はその場から立ち去った。 男の子から数歩離れた場所で、孟徳の耳に一つの言葉が聞こえた。 『ありがとう…ございます』 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):349 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:28:34 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ(…いつもの俺らしくなかったな…       まあ、いつもと違う日だし…たまにはこんな事もあらあな。) ヽ(`Д´)ノ(っと、そうこうしているうちにゲーセンに着いたな。) いつも通り自動ドアをくぐり、店内に入る。 そして、いつも通りの店長の声が聞こえてくる。 (´・ω・`)「やあ。ようこそバーボンハウスへ。このコーラはサービスだから落ち着いて飲んでほしい。」 ヽ(`Д´)ノ「よう、店長…そうだな、ありがたく頂くよ。」 (´・ω・`)(珍しいな、普段なら無視するのに…一体どうしたんだろう。) 孟徳は店長からコーラを受け取り、一気に飲み干す。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):350 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:30:51 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「そういやコーラを飲むのも久しぶりだな。ガキの頃は暑いときによく飲んだものだが…」 (´・ω・`)「大人になると、大体暑い時はビールが相場になってくるしね。たまにはこういうのも良いでしょ?」 ヽ(`Д´)ノ(…何だか今日は昔を思い出す事が多いな…) 飲み終えたコーラの瓶を店長に返す孟徳。 ヽ(`Д´)ノ「店長、コーラありがとうな。ちょっと大戦やってくるわ。」 (´・ω・`)「ああ、楽しんできてね。」 孟徳は足早にサテライトへ向かっていく。 そんな後姿を見て、店長は不思議な感じを拭えなかった。 (´・ω・`)(一体どうしたんだろうな?いつもの孟徳とはどこか違う…) ウィーン (´・ω・`)「おっと来客だ。いらっしゃいませー」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):351 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:32:45 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「やっぱりこの時間だと誰もいないな…せっかくだし、久しぶりに群勇伝でもやるかな。」 ICカードを取り出し、デッキを用意する。 そして、硬貨を投入しようとしたその瞬間… (´・ω●)「こんな時間から三国志大戦かい?仕事はどうしたの?」 ヽ(`Д´;)ノ「うお!?」 なんとそこにいたのは元譲だった。 驚いた勢いで、投入しようとした100円玉がサテライトから転げ落ちる。 ヽ(`Д´;)ノ「いきなり驚かすなバカ!…今日は有給を取って来てるんだよ。」 (´・ω●)「わざわざ有給を取ってまで三国志大戦をやりにきたの?本当は有給という名のサボりじゃないのかい。」 しっかり見透かされていた。 やはり長い付き合いだけの事はあるのだろう。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):353 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:34:52 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´;)ノ「う……そ、そんな事言ったら、お前だって今日は仕事の筈だろうが!        お前こそサボってるんじゃないのかよ!」 (´・ω●)「…はは、実はそうなんだ。急に何だか休みたくなっちゃって…      孟徳と同じで、僕も『有給休暇という名のサボり』だよ。」 少しの間、沈黙がよぎる。 しばらくして、二人同時に笑い始めた。 ヽ(`Д´)ノ「へへへ…」 (´・ω●)「ふふふ…」 ヽ(`Д´)ノ(´・ω●)「あはははははは!!」 しばらく二人は笑い続け、ようやく笑いがおさまった孟徳が声を発した。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):354 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:36:41 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「結局お前も俺と一緒かよ。二人揃って何やってるんだろうなぁ。」 (´・ω●)「まあ、いいじゃない。一日くらいこういう事をやったって…」 ヽ(`Д´)ノ「同意するよ。…こういう所は昔から考えが一緒だよな、俺達って。」 (´・ω●)「そうだね。思えば長い付き合いだよね…僕達。」 ヽ(`Д´)ノ「多分一生の付き合いになるんじゃないか。何だかんだ言って、この縁は切れなさそうだしな。」 (´・ω●)「…かもね。いや、そうなると思うよ。」 笑いあいながら話す二人。 一通り会話が終わった後、孟徳が思いついたように声を発した。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):356 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:39:09 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「せっかくサテに二人しかいないんだ、店内対戦やらねえか?」 (´・ω●)「もちろんやるよ。僕もプレーするつもりで来たからね。」 ヽ(`Д´)ノ「ただし、最初の1ゲームはお前のおごりな。さっき驚かせた罰だ。       おかげで入れようとした100円玉がどっか行っちまったんだからよ。」 (;´・ω●)「えええ…まあいいか。わかった、1ゲーム分はおごるよ。」 元譲が二台のサテライトにそれぞれ硬貨を投入し、店内対戦を選ぶ。 そして、それぞれデッキの配置を終わらせる。 ヽ(`Д´)ノ「叩きのめしてやるからな、覚悟しろよ?」 (´・ω●)「そっちこそ油断しないようにね。行くよ!」 開戦のドラが鳴る。 対戦中の二人の顔は真剣そのものだった。 しかし、同時に楽しんでいる顔もしっかりとのぞかせていた。 …子供の頃二人で楽しく遊んでいた、あの頃と同じように… /END/ ----
|BGCOLOR(AEEB9C):327 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 00:58:01 ID:sUeePPBZ0| 七月も終わろうとしている日の昼下がり、ゲームセンター「バーボンハウス」へ向かう一人の男がいた。 …孟徳だ。 昼の喧騒を楽しむかのように、ゆっくりと歩いている。 ヽ(`Д´)ノ「久しぶりに昼からのんびりできるな。卞に内緒で仕事を休んじまったが…たまにはいいよな。」 どうやら妻に内緒で一日だけ有給休暇を使ったらしい。 しかし、せっかく取った休みでもゲームセンターへ行くところは流石というか何というか… ヽ(`Д´)ノ「何となく、こうして内緒で休むと学生時代を思い出すな……ん?」 ふと見ると、前から小学生の団体が歩いてくる。 土曜日でもないのに、やけに下校時間が早い。 何故だろう、と少し考えた孟徳だったが… ヽ(`Д´)ノ「…ああ、今日で一学期が終わりなのか。」 思えば小学校の時なんぞ、随分前の事になっちまったな…と考えつつ、団体の横を通る。 と、そこで団体より少し遅れて歩いてくる小さな男の子が視界に入った。 よく見ると、その男の子は複数のランドセルと手提げ鞄を持ち…いや、持たされていると言った方が正しいか。 しかもその顔には涙を溜めていた。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):328 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:00:40 ID:sUeePPBZ0| ヽ(`Д´)ノ(あれは…) その時、すぐ横にいた団体の中の数人が大きい声を張り上げる。 小学生A「おせーぞ『雑用』!何チンタラやってんだよー!」 小学生B「早く歩いてこいよノロマー!使えねー奴だなぁ、てめーは!」 この声を受けて、後ろにいた男の子が足を速める。 だが同時に、押し殺した呻き声も同時に聞こえてきた。 その声を聞くと同時に、彼らはさらに追い討ちをかける。 小学生B「おい、泣いてんぞアイツ!」 小学生A「きっめー!こんくらいの事で何泣いてるんだよ、ばーか!」 孟徳は改めて、声を出した数人を見る。 …全員が例外なく笑っていた。 だが、どう見ても好意的な笑い顔ではない。 ヽ(`Д´)ノ(こいつら…) その瞬間、孟徳は昔の事をふと思い出した。 次々と思い出す昔の記憶。 …とても辛い、しかし忘れる事はできない小さい頃の記憶が… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):330 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:03:42 ID:sUeePPBZ0| -------------------------- 孟徳・小学校二年生の時。 この頃の孟徳は気が弱く、また背が学年一小さい事も相まって散々からかわれていた。 ただ、こうして言葉でからかわれるだけならば「まだ良かった」のだ。 (.^ー^)「おーい孟徳、ちょっとこっちに来いよ。」 (;´-`)「な、なに…?」 昼休み、いつも孟徳をからかって遊んでいる同級生から呼ばれた。 孟徳は嫌な予感がしつつも、気の弱さ故に今日も行ってしまう。 見ると、同級生の手にはガムテープが握られていた。 (;´-`)「い、一体何の用なの?僕は特に何もしていないけど…」 (.^ー^)「なーに、今日はお前にちょっとおしゃれさせてやろうと思ってなー」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):331 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:05:13 ID:sUeePPBZ0| そう言った瞬間、彼はガムテープの粘着部分を引き出して孟徳の頭髪に乱暴に貼り付けた。 それも何枚も何枚も… 孟徳はその行為を何とか静止しようとするが、同級生はお構いなく強引に貼り付けてくる。 ( ;-;)「や、やめてよー!やめてーっ!」 (.^ー^)「じっとしてろコラ!…よっしゃできた、ガムテファッションー」 孟徳の髪は、殆どガムテープを貼り付けられてペタンコ状態になっていた。 この時点で孟徳は既に泣きそうになっていたが、さらにそこへ追い討ちが入った。 (.^ー^)「んー…いざやってみると、あんまし似合わないなー」 ( ;-;)(ま、まさか…) ---- |BGCOLOR(AEEB9C):333 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:07:24 ID:sUeePPBZ0| そのまさかだった。 彼は孟徳の髪に張り付いているガムテープを掴み、その次の瞬間… バリバリッビリィッ! ( ;-;)「うわあああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」 くっついていたガムテープを力任せに剥がしたのだ。 剥がれていくガムテープと同時に、孟徳の頭髪も抜け落ちていく。 精神への痛みと、頭髪を引きぬかれる痛みが同時に孟徳を襲う。 完全にガムテープを剥がしきった同級生は、冷たく孟徳に言葉を投げかける。 (.^ー^)「やっぱりこっちの方がいいわ。気のせいか最初よかワイルドでいい感じになってるぜ、ははは。」 そのまま去っていく同級生。 孟徳はその場でうずくまり、泣き続けていた。 ( ;-;)「うっ…ううぅぅぅ……」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):335 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:09:18 ID:sUeePPBZ0| これを発端に、孟徳は様々な嫌がらせを受けるようになった。 「やる側」にすれば、ただ面白がってやっているだけなのだろうが… それらの行為によって孟徳が怪我をしたりした場合、 周りの人間は口裏を合わせて「孟徳が勝手に怪我をした」という事にされた。 ノートや筆記用具をいつの間にかゴミ箱に捨てられていたり、給食をわざと汚い盛り方にされたり、 いつのまにか上履きが雨の中の校庭、しかもど真ん中に放置されていたり… 肉体的な攻撃の他、精神に来るような嫌がらせも毎日のように受けた。 …そんな事が二年間続いた。 今まで耐えていた孟徳も、流石に限界に来てしまった。 ある日、学校から帰ってきてすぐに部屋の隅にうずくまる。 ( ;-;)(もう…嫌だ……学校なんか……行きたくないよ…) 近くに置いたランドセルの中には、教科書とノート。 そして、壊された筆箱と同級生に無理やり詰め込まれたゴミが入っていた。 孟徳はこれだけ色々とやられているのに、親には相談を全くしていない。 …彼は「親には心配をかけたくない」と、一人で背負い込んでいたのだ。 しかしそれが逆に孟徳を追い詰めてしまう事にもなった… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):337 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:11:17 ID:sUeePPBZ0| その時だった。 家の玄関のチャイムが鳴り、誰かが部屋に近付いてくる。 その足音は、同じ位の年の子のようだが… ???「孟徳君、いるんでしょー?入るよー」 ( ;-;)(…?この声は…?) ドアが開き、その子が入ってきた。 (´・ω●)「やっほー、久しぶりー…って、どうしたの?」 入ってきたのは元譲だった。 この二人は住んでいる地区の違いで別の学校に通っているものの、 小さい頃から良い遊び仲間としていつも一緒だったのだ。 もちろん、こうして時々孟徳の家にも遊びに来る。 ( ;-;)「…あ、元譲君…ごめん、少し待ってて…」 元譲に背を向けたまま、涙を拭く孟徳。 一方、元譲は孟徳が泣いていた事を気にしていた。 部屋の隅にうずくまり、泣いている…こんな状況を目の当たりにすれば、普通は何があったと聞きたくなる。 …そして五分後、ようやくいつもの表情を取り戻した孟徳に元譲が話しかけた。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):339 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:13:35 ID:sUeePPBZ0| (´・ω●)「…落ち着いたみたいだね。一体何があったの?」 ( ´-`)「…ううん、何でもないよ。」 (´・ω●)「何も無かったようには見えなかったよ?溜めこまないで、一度話してみてよ。」 ( ´-`)「………」 元譲のその一言を受け、孟徳は静かに話し始める。 ( ´-`)「…うん。実は……」 孟徳は元譲にこれまでの事を喋った。 入学してからすぐ始まった嫌がらせ、二年に上がってから暴力が加わった事。 そして、毎日のように続く嫌がらせに耐え切れなくなった事… とにかく、今まで黙っていた事を全て話した。 (´・ω●)「…たまに妙な所を怪我しているなと思っていたけど、そういう事だったのか。      もっと早く言ってくれれば良かったのに…」 ( ´-`)「…でも元譲君とは通っている学校も違うし、相談してもあまり意味が無いかなと思って…」 (´・ω●)「…それはちょっと違うんじゃないかな。」 ( ´-`)「え…?」 孟徳が何故という顔で元譲を見る。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):341 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:15:30 ID:sUeePPBZ0| (´・ω●)「確かに僕は孟徳君とは違う学校に通っているから、直接的に助けることは出来ない。      だけど、こうして相談相手になることはできる。      こうして喋るだけでも、大分違うものだよ?」 ( ´-`)「…でも、話したって殴られたり嫌がらせを受ける事が無くなる訳じゃないでしょ?だから…」 (´・ω●)「じゃあ何でこうして話してくれたの?君の考えだと、こうして僕に話す事自体無意味じゃないの。」 ( ´-`)「………」 元譲が言葉を続ける。 (´・ω●)「信頼できる家族や友達に悩みを打ち明けて、相談に乗ってもらう。      これは結構重要な事だと思うんだ。      孟徳君だって本当は誰かに悩みを打ち明けたかったけど、心配をかけたくなかったから喋らなかったんでしょう?」 ( ´-`)「…それは…」 (´・ω●)「気持ちは何となくわかるよ。ただ、それを続けるのは体にも心にも良くないと思うんだ。」 ( ´-`)「う…」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):342 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:17:30 ID:sUeePPBZ0| 元譲が孟徳に近付き、一言告げる。 (´・ω●)「"僕達"は嫌がらせや暴力に対抗できる力が無いしね。      だったらひたすら我慢するか、何とか逃げるかするしかないと思うよ。      それでもきつくなったら、家族か友達に相談して『心』を軽くした方が良いんじゃないかな。」 ( ´-`)「……うん……」 (´・ω●)「…友達なんだしさ、こういう事は気軽に相談してよ。      少しは孟徳君の支えになれたら嬉しいからさ。      『嫌がらせの痛さ』に負けちゃいけないから…ね。」 孟徳の顔は、いつの間にか穏やかな表情に戻っていた。 元譲と話しているうちに、心にあった何かが消えたからかもしれない。 『もう少し頑張ってみよう』 そんな気持ちが孟徳の心に芽生え始めていた… ---- |BGCOLOR(AEEB9C):345 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:21:00 ID:sUeePPBZ0| ( ´-`)「あ、ところで…」 (´・ω●)「何?」 ( ´-`)「さっき『僕達は』って言ってたけど…あれはどういう意味なの?」 (´・ω●)「…ああ、その事?」 その後に返ってきた言葉は、意外なものだった。 (´・ω●)「…僕も学校で色々やられているんだよ。      だから『僕達』って言ったのさ。」 ( ´-`)「………!」 孟徳は正直ショックを受けた。 元譲もまさか同じような境遇にあったとは… 自身がそのような状態にも関わらず、こうして相談に乗ってくれた事。 それを考えた途端、孟徳は自然とある言葉を口に出していた。 ( ´-`)「…元譲君、僕も君にとっての相談相手になれるよね?」 その問いに、元譲はすぐに答えを返した。 (´・ω●)「当たり前じゃない。…その時はよろしくね。」 大人になっても続いている友情。 それは、今思えばこの事が決定打になったのかもしれない… ---------------------------------- |BGCOLOR(AEEB9C):348 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:26:40 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ(…思えば、あの時の元譲の言葉のおかげで乗り切れたんだったよな…) 孟徳は改めて泣いている男の子を見る。 気のせいか、昔の自分がだぶって見えた… 足を速め、孟徳は男の子の近くへと行く。 そして、顔を見ずに声をかけた。 ヽ(`Д´)ノ「…坊主、負けるんじゃないぞ。       我慢しても良い、時には思い切って逃げる事も重要だ。       だが…理不尽な力に屈して負ける事だけは駄目だ、わかったな。」 男の子「え……」 男の子は孟徳を見上げる。 孟徳は更に言葉を続けた。 ヽ(`Д´)ノ「俺も、昔は君みたいに色々と皆からやられていたんだよ。」 その言葉を言い終わった後、孟徳は初めて男の子に顔を向けた。 ヽ(`Д´)ノ「しかし、乗り切ればきっといい事がある。俺もそうだったからな。       だから…頑張れよ。」 それだけ言って、孟徳はその場から立ち去った。 男の子から数歩離れた場所で、孟徳の耳に一つの言葉が聞こえた。 『ありがとう…ございます』 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):349 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:28:34 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ(…いつもの俺らしくなかったな…       まあ、いつもと違う日だし…たまにはこんな事もあらあな。) ヽ(`Д´)ノ(っと、そうこうしているうちにゲーセンに着いたな。) いつも通り自動ドアをくぐり、店内に入る。 そして、いつも通りの店長の声が聞こえてくる。 (´・ω・`)「やあ。ようこそバーボンハウスへ。このコーラはサービスだから落ち着いて飲んでほしい。」 ヽ(`Д´)ノ「よう、店長…そうだな、ありがたく頂くよ。」 (´・ω・`)(珍しいな、普段なら無視するのに…一体どうしたんだろう。) 孟徳は店長からコーラを受け取り、一気に飲み干す。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):350 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:30:51 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「そういやコーラを飲むのも久しぶりだな。ガキの頃は暑いときによく飲んだものだが…」 (´・ω・`)「大人になると、大体暑い時はビールが相場になってくるしね。たまにはこういうのも良いでしょ?」 ヽ(`Д´)ノ(…何だか今日は昔を思い出す事が多いな…) 飲み終えたコーラの瓶を店長に返す孟徳。 ヽ(`Д´)ノ「店長、コーラありがとうな。ちょっと大戦やってくるわ。」 (´・ω・`)「ああ、楽しんできてね。」 孟徳は足早にサテライトへ向かっていく。 そんな後姿を見て、店長は不思議な感じを拭えなかった。 (´・ω・`)(一体どうしたんだろうな?いつもの孟徳とはどこか違う…) ウィーン (´・ω・`)「おっと来客だ。いらっしゃいませー」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):351 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:32:45 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「やっぱりこの時間だと誰もいないな…せっかくだし、久しぶりに群勇伝でもやるかな。」 ICカードを取り出し、デッキを用意する。 そして、硬貨を投入しようとしたその瞬間… (´・ω●)「こんな時間から三国志大戦かい?仕事はどうしたの?」 ヽ(`Д´;)ノ「うお!?」 なんとそこにいたのは元譲だった。 驚いた勢いで、投入しようとした100円玉がサテライトから転げ落ちる。 ヽ(`Д´;)ノ「いきなり驚かすなバカ!…今日は有給を取って来てるんだよ。」 (´・ω●)「わざわざ有給を取ってまで三国志大戦をやりにきたの?本当は有給という名のサボりじゃないのかい。」 しっかり見透かされていた。 やはり長い付き合いだけの事はあるのだろう。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):353 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:34:52 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´;)ノ「う……そ、そんな事言ったら、お前だって今日は仕事の筈だろうが!        お前こそサボってるんじゃないのかよ!」 (´・ω●)「…はは、実はそうなんだ。急に何だか休みたくなっちゃって…      孟徳と同じで、僕も『有給休暇という名のサボり』だよ。」 少しの間、沈黙がよぎる。 しばらくして、二人同時に笑い始めた。 ヽ(`Д´)ノ「へへへ…」 (´・ω●)「ふふふ…」 ヽ(`Д´)ノ(´・ω●)「あはははははは!!」 しばらく二人は笑い続け、ようやく笑いがおさまった孟徳が声を発した。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):354 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:36:41 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「結局お前も俺と一緒かよ。二人揃って何やってるんだろうなぁ。」 (´・ω●)「まあ、いいじゃない。一日くらいこういう事をやったって…」 ヽ(`Д´)ノ「同意するよ。…こういう所は昔から考えが一緒だよな、俺達って。」 (´・ω●)「そうだね。思えば長い付き合いだよね…僕達。」 ヽ(`Д´)ノ「多分一生の付き合いになるんじゃないか。何だかんだ言って、この縁は切れなさそうだしな。」 (´・ω●)「…かもね。いや、そうなると思うよ。」 笑いあいながら話す二人。 一通り会話が終わった後、孟徳が思いついたように声を発した。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):356 名前:傷痕 -孟徳の過去-[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 01:39:09 ID:ileZsxNM0| ヽ(`Д´)ノ「せっかくサテに二人しかいないんだ、店内対戦やらねえか?」 (´・ω●)「もちろんやるよ。僕もプレーするつもりで来たからね。」 ヽ(`Д´)ノ「ただし、最初の1ゲームはお前のおごりな。さっき驚かせた罰だ。       おかげで入れようとした100円玉がどっか行っちまったんだからよ。」 (;´・ω●)「えええ…まあいいか。わかった、1ゲーム分はおごるよ。」 元譲が二台のサテライトにそれぞれ硬貨を投入し、店内対戦を選ぶ。 そして、それぞれデッキの配置を終わらせる。 ヽ(`Д´)ノ「叩きのめしてやるからな、覚悟しろよ?」 (´・ω●)「そっちこそ油断しないようにね。行くよ!」 開戦のドラが鳴る。 対戦中の二人の顔は真剣そのものだった。 しかし、同時に楽しんでいる顔もしっかりとのぞかせていた。 …子供の頃二人で楽しく遊んでいた、あの頃と同じように… /END/ ----

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