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|BGCOLOR(AEEB9C):772 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:06:04 ID:miAqx0oQ0| ここはいつも平和なバーボンハウス。 そんな平和なこのゲームセンターで、驚きの声を上げる少年が一人。 (;><)「ち…ちんぽっぽちゃん!?」 常連は突如聞こえた大声に驚くが、少年の正体を見て「ああ、彼なら仕方ない。」と全員が思った。 …しかし、声を上げた少年が、特に奇声を上げてゲームをしたり、特別マナーが悪かったりするわけではない。 彼が大声を上げても仕方が無い理由…それは、彼のパートナーである (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽー!」 彼女が原因であった。 元々は象使い。そして今は、牛金という隠れた強カードを使いこなしている、「ちんぽっぽ」という君主。 実力はそれなり。 …しかし、長年のパートナーがつい大声を上げてしまうようなデッキ構成とプレイングを、彼女が持っている。 常連たちは、即座にこう判断した。 「ああ、また彼女が変な… こういうとアレだが、常人には理解できないデッキを組んだんだな。 そして、それを見て、彼がつい声を上げてしまった。」…っと。 ちんぽっぽのデッキには、牛金がいる、蔡文姫がいる。今回は白馬陣はお休みらしい。 しかし…、見慣れないカードが、彼女のデッキに組み込まれていたのだ。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):773 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:13:33 ID:miAqx0oQ0| SR小虎 溜めの回復という、独自すぎる計略を持って現れた、悲劇の女性。 その愛らしい姿に魅了された君主は何人かいたが …しかし、その独自すぎる計略と、SRという価値。そしてそのレートの高さが災いし…、余り使われることが無く排出停止になった。 今でも決して通じない事はないカード。 だが…、それでも、ちんぽっぽの他のカードとは釣り合いが取れていない。 大体、動き回るのが主になる牛金と飛天なのに ……他のカードが、LE張遼とSR曹操なのは、長年付き合っていたわからないですのみならず、 ほぼ全ての君主が、…戸惑うだろう。 (*‘ω‘ *)「ぽ~♪」 しかし、そのデッキの使い手である彼女は、満足そうな笑みを浮かべていた。 (;><)「…で、でも! いくらなんでも、飛天神速魏武デッキに…、呉の武力1弓はまったくあわないと思います! ぼ、僕なら寧ろ、楽進や張春華辺りに変えて…。」 (*‘ω‘ *)「ぽー!」 (;><)「え?黙ってみていろって?」 …こうなったらもう止まらない。彼女にも何か考えがあるのだろう。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):774 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:22:18 ID:miAqx0oQ0| (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~。」 ちんぽっぽはICカードを刺し、300円を入れて、何の躊躇も無く全国対戦を選択する。 軍師は周瑜だ。良く良く考えれば、牛金と姫以外は高レートカードである。 よほどプレイしないか、それも運か財力が無ければ決して組めないデッキであろう。 …最も組めたところで、使いこなせるかどうかは微妙な所だが…。 模擬戦で運よく曹操と張遼が出てきて、レベル7まで育った周瑜を見届けた後、対戦相手のサーチが始まる。 その相手はすぐに見つかった。 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~♪」 (´・ω・`)「うん、確かに今の忠義は「楽に勝てる」故に、多かれ少なかれプレイヤーの腕を落としている。 …だから、忠義が出て欲しい。そういうわけだね?」 (;><)「て!てんちょ~! いつの間に!」 (´・ω・`)「…戦いの時は来た!」 誰も「鄧艾乙」と言ってくれない。 しかし、戦いの相手のデッキが画面に表示され、店長の言うとおり、戦いの時は来た。 回れ回れ軍 UC法正、UC関平、UC張飛、R魏延、C廖化 大車輪デッキ。 この時点で、ちんぽっぽの殆どの選択肢が消えた。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):775 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:28:08 ID:miAqx0oQ0| (´・ω・`)「神速は突撃できない。飛天で相手をせずにすり抜けても攻城不足。 そして…牛金も駆けることができない…。」 (*‘ω‘ *)「ぽ~……。」 (;><)「な、何とかなるんです!」 フィールドは、右方向に櫓が4つ並んでいる以外は何も無い草原。 (*‘ω‘ *)「……ぽ~。」 (´・ω・`)「曹操を前に出して、それ以外の全員を櫓の後ろにか…。 しかしそうなると、相手の凡将が辛くなるね。」 (;><)「ちんぽっぽちゃん…。」 わからないですの、今にも消え入りそうな声と同時に、開戦の文字が画面全体に現れた。 相手は数カウントの間、凡将をこちらの陣に走らせるだけで、何もしてこない。 おそらく曹操を探しているのだろう。 …見つかった刹那、大車輪の群れが飛んでくる事は間違いない。 相手は法正以外、中~低知力だ。しかし法正は伏兵。 序盤に走らせるのは、1コストで車輪状態にもならない凡将が一番である。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):777 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:38:34 ID:miAqx0oQ0| やがて、相手全体のラインが戦場の真ん中辺りに上がり、そしてちんぽっぽの士気が溢れそうになる。 (*‘ω‘ *)「…ぽ~!」 彼女は我慢できず…牛金と蔡文姫を右端から攻めさせる。 突如の攻めに、相手は対応できず、するりと1コス二人の攻城を許してしまう。 壁に、1発ずつ。 …しかし、結局は凡将に阻まれ、蔡文姫は撤退する。 凡将は続けて牛金に向かおうとするが…。 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」 ここで牛金の猪突猛進が発動する。 武力13の高速騎馬は難なく凡将から逃げ出す…が、 ジャーンジャーン ―愚か者めが…!― 士気3を払って、撤退してしまう。 (´・ω・`)「これは…っ!」 伏兵解除と共に、法正の計略が発動する。 ―我の攻撃を止められるか!― 大車輪状態となり、こちらを蹂躙しようとする敵軍。 だが、ちんぽっぽは読んでいた。 (*‘ω‘ *)「ぽ!」 ―これぞ必勝の策!― 軍師周瑜の炎が、敵を包み込む。 相手が足を取られている間に、 ―皆のもの!力を見せよ!― 曹操が計略を発動する。 しかし、…計略の対象は、自分と張遼のみ…。 小虎は呉の武将だ。故に、計略の対象にはならない。 これは半分、曹操の伏兵を自力で解除するための計略だ。 …今の状況なら、敵の城を奪える……。士気6を払っての、苦渋の選択! ---- |BGCOLOR(AEEB9C):778 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:47:11 ID:miAqx0oQ0| 周瑜の火から逃れていた法正と凡将も、武力13と14の二人には適わない。 相手は全滅だ。…そしてその隙に、曹操と張遼、そして遅れてきた小虎が、城を思う存分攻撃する。 しかし、馬が二体では落とすまではいかず…、結局は相手の復活を読んで退くしかなかった。 (´・ω・`)「さて、ここからどうするかな?」 相手は法正を使っている故に、神速や飛天、猪突猛進のもう一つの天敵である長槍はない。 だが…長槍は無くとも他の奥義がある。 それに、本気でぶつかりあって勝てる相手ではない。 …相手の城を無理矢理落とすのも考えたが、相手の騎馬が二体では少々辛い。 (*‘ω‘ *)「………。」 しかし悩んでいる暇は無い。敵は城から出てきて、大手を振って侵攻してくる。 …本気でぶつかりあって……、ぶつかり…あって? 士気は、今は8。 そうだ、ぶつかりあって勝てないかもしれないが、しかし、相手に城を落とさせなければ良いんだ。 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」 ちんぽっぽは全員を出撃させ… ゆっくりと進軍し、相手との乱戦状態に入る。 ―皆のもの!力を見せよ!― そして、曹操の計略が発動する。 それを見て相手も、車輪の指揮を発動させる。 武力差はある…しかし、回る槍と、兵種補正で、…すぐに削られる。 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽー!」 …だが、彼女は動じない。 削られるものは回復すれば良い…!  彼女は、その為にいるんだから! ―しょうこ、がんばるよ!― 蔡文姫が、相手の法正と共に落ちる。 それと同時に…瀕死の状態にあったちんぽっぽ軍に、恵みが齎される。 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):779 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 11:53:28 ID:miAqx0oQ0| 【孫呉の祈り】 (´・ω・`)(でも……。) 名前とは裏腹に、曹魏の兵達を回復させるそれは…しかし、呉、魏双方の天敵の敗北の一手にはなった。 相手はあわてて、ホウ統の増援を発動させるが…、しかし時間は既に稼いだ。 相手がもう一度車輪の指揮を発動させるにも…指揮官は先ほど落としている。 最早、ちんぽっぽの勝利は決定的だった。 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~!」 (´・ω・`)「おめでとう。すばらしい戦いだったよ。」 (;><)「す…凄い勝利でした。」 その後、望んでいた忠義デッキとの戦いでは、プレイテクの差を見せつけ、次の弓単体デッキでは飛天と神速、そして猪突猛進が大活躍した。 …が、その二つの戦いでは、小虎の存在価値は余り無かった。 一応1コス弓兵としての活躍はしていたが…。 (;><)「……で、でも、何で突然小虎なんですか?」 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~!」 (;><)「え?拾った!? …そ、そういえば…スリーブが何か違いますね…。」 (´・ω・`)「……ああ、それは「彼女」のだね。 無くしたと思っていたら…こんなところにあったのか…。」 (;><)「え?え?どういう事ですか?」 ---- |BGCOLOR(AEEB9C):781 :ゲームセンター名無し:2008/04/22(火) 12:01:20 ID:miAqx0oQ0| 混乱気味のわからないですに対し、店長が説明する。 (´・ω・`)「いやぁ…、ここの常連に、小虎使いの女の子がいるんだ。 …いや、いたと言った方がいいかな? 彼女は…道端で変な奴にぶつかられ、小虎を奪われてしまったんだ…。 他のカードはUC、Cだったからすぐに分ける事が出来たけど…、排出停止でレートが跳ね上がり…小虎だけは、手の届かない場所に…。 けど、……スリーブに細工がしてあって、自分以外には決して外に出せないようにしていたから、いつか返してくれるだろうって…。」 だけど、まさか捨てられていて…、それをちんぽっぽちゃんが拾っているとは…。 店長がここまで話し終えた後、ちんぽっぽはすぐに小虎を店長に差し出す。 (*‘ω‘ *)「…ぽ~。」 (´・ω・`)「……返す、か。君は本当に、欲が無いねぇ…。」 あきれた口調だが、顔は笑顔だ。きっと褒めているんだろう。 (´・ω・`)「…だけど、彼女も今は諦めがついている。 それに、『これは…小虎が私に与えた試練だと思う。だから、彼女がいなくても…勝ってみせる! そうすれば私の傷も…なおるよ!』と言ってたし…、今、返すのは逆効果だと思う。」 (;><)「…でも、店長が預かるのなら…良いのではないでしょうか?」 (*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ~!」 (´・ω・`)「…捨てられていたから、ならば一度だけでも使ってあげようと思った。 持ち主がわかるのなら…その人の元へ行くべき…か……。」 ちんぽっぽとわからないですは、その後悠久の車輪を数プレイして帰っていった。 (´・ω・`)「…捨てる神あれば、拾う神あり…か……。」 いつもはぬいぐるみを抱きかかえ、悲壮な表情をしている少女。 その少女が一瞬「笑った」かのように見えたが…、しかし店長は、気づかなかった。 ―ありがとう、しょうこをまたつかってくれて…。― ----

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