577 名前:戦場を駆け回る文官1[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:16:50 ID:RUTWs1190
「やあ(ry――おや、グラサン君じゃないか。また君のプレイが見れるのは嬉しいね」
「征魏覇王のあんたが俺のプレイを見ても、参考にもならないだろう」
「いや、昔に店内対戦でやってもグラサン君の勝ちばかりだったじゃないか。未だにグラサン君に勝った事が無いよ……」

――おや、そろそろ戦場に赴くのかのう?
昔は様々な君主方に重用されてきたが、今では……
しかし、このグラサン殿は別じゃな。このわしを大事に扱って下さる。他の方々と違って、わしの声は聞こえないようじゃが――

「……俺が勝ったのは、運が良かっただけだろう。とにかく、やってくるよ」
「僕は後ろで見させてもらうよ。どんなデッキかな」

――おお、久々の戦場じゃな……グラサン殿の指揮ならば、どんな敵でも蹴散らすだろうて

「ほう、これは……荒巻さんと同じデッキだね」
「そうなのか? 俺と同じ考えをする奴がいるとはな」
「む、COM戦の途中で対戦相手が見つかったようだね。頑張ってね」

(メ▼▼)軍 三州 勝率76.8% 「9連勝中」
『R馬超 UC木鹿大王 UC盧植 C金環三結 C張松』

地獄マウント軍 五州 勝率78.3% 「4連勝中」
『C廖化 R姜維 R鮑三娘 LE劉備(横山) LE張飛(本宮)』

――なんと、劉備殿が敵じゃと……
しかし、これも戦場の定め。わしはグラサン殿に付いて行くだけじゃ――

「桃園からの息吹が狙いみたいだね。剛槍なら大丈夫だと思うけど」
「いや、剛槍は使わないと思うぜ……まあ、見てからの楽しみだ」

579 名前:戦場を駆け回る文官2[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:19:37 ID:RUTWs1190
――む、そなたは馬超将軍ではないか
――これは張松殿。敵方を張松殿の誘導で大いに掻き乱す事を期待していますぞ
――おう、見事に掻き乱してやるわい!

「南蛮ステージで、中央に岩があるね。これなら、相手は分散されるから戦いやすいんじゃないかな」
「そうだな。これなら誘導も大きい効果が期待出来る」

伝令「間もなく開戦する模様です。張松殿の部隊は、右端にて敵城へ向かい、攻城を狙えとの事です。しかし、敵軍が迎え撃ってきたらすぐ退けとの事」
伝令「また、木鹿将軍の部隊は城内で待機。金環将軍の部隊は、左端で張松殿と同じく左端にて攻城を狙い、盧植将軍と馬超将軍の部隊は城門にて敵軍を迎え撃つ模様です」

――流石はグラサン殿。自ら攻めずに敵軍を誘い、金環将軍が攻城に向かう事で敵軍を分散させる
そして、そこに木鹿将軍と馬超将軍が突き破る……という訳ですな

張松「おお、ご苦労。さて、敵軍の主力を誘い込めば良いのだが……どうなる事やら」

伝令「敵軍の配置が判明しました。城門前には廖化と鮑三娘の部隊が、右端の敵城前に姜維と張飛と劉備の部隊が配置されている模様です」
張松「わし等は敵軍を引き付ける為に、進軍するぞ!」

伝令「敵全軍が右端から進軍! 金環将軍の部隊は敵軍の騎兵隊が右端に集結したところで、左端から進軍しました」

――うむ、そろそろよかろう

張松「よし、ここで退く! しかし、一直線に戻るでない。距離が離れないように引き付けるのだ」

伝令「廖化の部隊が金環将軍の部隊に向かい、突撃! しかし、乱戦される前に攻城を成功しました!」
伝令「それ以外の敵軍は、こちらの作戦を気付いたようで進軍を中止。城に戻っていきます」

――敵軍が誘いに乗らなかったのは残念だったが、金環将軍の攻城が成功したのは大きいな

580 名前:戦場を駆け回る文官3[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:23:51 ID:RUTWs1190
伝令「金環将軍、撤退! これを機に、再び敵全軍が右端から進軍してきます!」
伝令「これに対して、盧植将軍の部隊は左端から攻城に向かい、木鹿将軍は城から出陣して馬超将軍の部隊の槍撃による援護を受けつつ敵軍を弾く体制!」

張松「木鹿将軍と馬超将軍が協力した攻めは天下一品と聞く。ならば、敵軍を逃がさないように誘導すべきではないのか?」
伝令「それにつきましては、君主殿からの伝令があります。張松殿は敵軍の主力を誘導し、木鹿将軍と馬超将軍の部隊と接触するようにしろとの事」

――おお、流石はグラサン殿。久々の戦とは思えぬほどの手腕ですな

張松「分かり申した。良いか、わしらはこれから敵軍の主力――姜維と張飛の部隊を挑発する!」
味方兵士達「おぉぅ――!」

――あれが張飛と姜維の部隊だな……まとまっている今こそ、好機!

張松「ほっほぅ~小僧はおねむのじかんじゃてぇ~」
味方兵士A「腰が抜けて動けないのか? それなら手を貸してやろうか」
味方兵士B「それとも、じょんべんを漏らしちまったか?」

張飛「ぐがあぁぁぁぁぁ! 馬鹿にしくさってぇ!」
敵兵士A「久々にキレちまったよ……屋上出ろや……」
敵兵士B「この俺を馬鹿にした事で、お前らは”不運(ハードラック)”と”踊(ダンス)”っちまったよ!?」
姜維「こら、お前達待て! これは罠だ! 私の命令が聞けないのか!?」

――ふふふ、上出来じゃな……後は馬超将軍と木鹿将軍に任せよう

583 名前:戦場を駆け回る文官4[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:27:37 ID:RUTWs1190
張松「退け――! 馬鹿を移されたらたまったもんじゃないからのう!」

張飛「お前達、今すぐ追ってあの老いぼれの首を切り落とすぞ!」
敵兵士達「おぉぅ――!」

――おうおう、凄まじい勢いで追ってくるようじゃな
しかし、昔に呂布が目に止まらぬほどの速度で追ってきた時よりは楽じゃろうて――

敵兵士C「ええい、逃げ足だけは速いですな! まだ追いつけません!」
敵伝令「張飛様、前方に敵軍の馬超と木鹿の部隊が迎え撃ってきました!」
張飛「ええいっ、邪魔する者達はたたっ斬れぇ――い!」

張松「馬超将軍、木鹿将軍。後は任せましたぞ!」
馬超「応! 張松殿もあれに追いつかれないように注意して下され!」
木鹿大王「おれに、まかせろ。ぜんぶ、たたきつぶす」

――なんと頼もしい言葉だろうか。
私は武将ではないが、この言葉を聞くと、戦場も良いかなと思える――

――自城前――

伝令「木鹿将軍の部隊が弾きつつ、後ろから馬超将軍の部隊による槍撃で援護。これにより、敵軍の張飛と姜維の部隊に大打撃を与えました!」
伝令「また、盧植将軍の部隊も見事攻城に成功し、帰城!」

――うむ、今はかなり優勢のようじゃな……おや?

姜維「皆、落ち着いたようですね。伝令によれば馬超の部隊による槍撃のせいで、大打撃を受けているようです」
姜維「これ以上槍撃を出させないように、馬超の部隊に挑発をします。そうすれば、私たちの後ろで手を拱いている(こまねいている)廖化殿や鮑三娘殿も突撃出来るでしょう」

――なんじゃと!? 一刻も早く馬超将軍に知らせなければ……


585 名前:戦場を駆け回る文官5[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:31:04 ID:RUTWs1190
張松「伝令、馬超殿に敵軍の姜維が挑発を狙っていると……」
伝令「ご安心下され。君主殿は挑発された時の為に木鹿将軍に策を授けているようです」

――なんと、グラサン殿ははるか先を見て指揮をなさっているのですか。
流石はグラサン殿……かの諸葛孔明殿も顔負けの智謀ですな

姜維「はい、暴れるのはそこまでです。何故なら」
敵兵士D「かくかくがじかじかで(ry」

味方兵士達「な、なんだってー!?(AAry 待て、詳しく聞かせろ!」
馬超「ええい、落ち着け! 落ち着くのだ!」

――馬超将軍には悪いが、グラサン殿が授けたという策も見てみたい

木鹿「ばちょう、このまま兵達にそうげきをし続けろとつたえてくれ」
木鹿「おれがおまえたちの盾となり、おまえたちをまもろう」

――なんと、木鹿将軍を犠牲にして姜維と張飛の部隊を撃破しようとするのか。
しかし、木鹿将軍は貴重な戦力。ここで犠牲すると、後が苦しくなるのでは――

馬超「――! しかし、これではそれがしの部隊が壊滅しなくとも、貴公の部隊が壊滅するのではないか? まさか、犠牲になるとは言うまいな?」
木鹿「……おれはぐらさん様から言われたことをするだけだ。それに、ばちょうの槍撃があれば、てったいはしない。ぜったいに」
馬超「木鹿将軍……分かり申した。それがしの命、貴公に預けよう。そして、貴公の命、それがしが確かに預かった」

――なんという男気……これは間違いなく漢じゃな

伝令「姜維が馬超将軍の部隊を挑発するも、木鹿将軍の奮闘によって乱戦出来ずに馬超将軍の部隊の槍撃によって姜維を撃破!」
伝令「さらに、そのまま張飛も撃破! 木鹿将軍の部隊は減った兵力を回復する為、帰城!」

――もしや、グラサン殿はこうなる事を分かっていて……?

587 名前:戦場を駆け回る文官6[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:36:14 ID:RUTWs1190
伝令「張松殿はこのまま馬超将軍の城攻めの援護をしろとの事」
張松「分かり申した。ところで、盧植将軍と金環将軍は?」

伝令「はっ、馬超将軍の反対側――左端にて攻城を狙いに出陣致しました」
張松「うむ。皆、聞いただろうな? 馬超将軍を援護して、攻城を成功させるぞ!」

伝令「劉備、撃破! 馬超将軍の部隊は城付近で攻城の準備を開始しました!」

――この分ならば、敵軍はたまらず兵法を使ってくる事じゃろうて

伝令「盧植将軍、鮑三娘の突撃により撤退! しかし、金環将軍の部隊が向上を成功しました!」
伝令「廖化、撃破! さらに城壁で馬超将軍の攻城が成功しました!」
伝令「そして、敵軍が兵法:再起の法を使用したようです! これを見た馬超将軍と金環将軍の部隊は帰城」

――よしよし、勝利はわしらにあり、じゃな

伝令「君主殿からの命令です。張松殿はこのまま敵城前で動きながら待機。敵軍の張飛が出陣してきたら挑発しろとの事」
張松「ふむ、そろそろ決着を付ける気ですな――分かり申した」

――恐らく、こちらの馬超将軍と木鹿将軍が敵軍と混戦する時に、勝負が決まるじゃろう
……わしの予想通りに行くのならば、わしは大役を任されるはず――

張松「残った時は大体四十刻……そろそろ敵軍が動き出す頃じゃな」

伝令「敵城により、土煙が多く上がっております! どうやら敵軍全軍が出陣してくるようです!」
張松「まことか!? 皆、敵軍の張飛を挑発出来るかどうかで勝負が決まる!」
味方兵士達「応! 声が擦れて(かすれて)も声を出し続けますぜ!」

――嗚呼、わしは何という果報者なのだろう。実に頼もしい部下を持てたものだ

588 名前:戦場を駆け回る文官7[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:38:27 ID:RUTWs1190
伝令「敵全軍、敵城から出陣! 敵軍の張飛の部隊は丁度張松殿の前方にいるようです!」
張松「良し、今から張飛を挑発する! 皆、上手くやれぃ!」

張松「ほっほぅ~小僧はおねむのじかんじゃてぇ~」
味方兵士A「腰が抜けて動けないのか? それなら手を貸してやろうか」
味方兵士B「それとも、じょんべんを漏らしちまったか?」

張飛「ぐがあぁぁぁぁぁ! 馬鹿にしくさってぇ!」
敵兵士A「久々にキレちまったよ……屋上出ろや……」
敵兵士B「この俺を馬鹿にした事で、お前らは”不運(ハードラック)”と”踊(ダンス)”っちまったよ!?」

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張松「退け――! こんな馬鹿共と付き合っている暇は無いわい!」

劉備「ち、張飛、落ち着くのだ! ……仕方ない、我等は張飛を助ける為に追いかけるぞ!」

――自城前――

伝令「敵軍全軍が進軍してきました! 出陣したこちらの馬超将軍と木鹿将軍が敵軍と接触した瞬間に、敵軍の鮑三娘が計略を使用したようです!」
伝令「その為、馬超将軍、木鹿将軍の両部隊は苦戦中! しかし、既に左端に盧植将軍と金環将軍が出陣し、敵城付近で攻城準備を開始!」
伝令「そこで君主殿からの命令です。張松殿は、金環将軍と盧植将軍に突撃しようとする廖化、鮑三娘両部隊を挑発し勝負を決めろとの事」

――やはり、大役を任されたようじゃな

張松「うむ、ご苦労。皆、聞いた通りにわし等に勝負を決める大役を任された! さあ、わし等の手で勝負を決めてやろうではないか!」
味方兵士達「おぉぅ――! これで手柄は俺たちのもんだ!」

――あれが鮑三娘と廖化の部隊か……ぬ、このままでは間に合わ

589 名前:戦場を駆け回る文官8[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:42:32 ID:RUTWs1190
「相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している……」
「おお、決め台詞が来たね。これでグラサン君の勝ちだろうね」

伝令「君主様、兵法:連環の法を発動! その為、敵軍の移動速度が遅くなりました!」
張松「おお、流石はグラサン殿!」

張松「おや、あれは実力を持ちながら凡将と呼ばれている廖化ではないか。劉備に付いて行かなければ凡将と呼ばれなかっただろうに」
味方兵士C「鮑三娘よ、気絶していないか? それとも、手足が震えて前衛で戦えないのか? それならば女だから仕方あるまい(笑)」

――良い、実に良いわい

廖化「凡将と呼ばれるのは慣れておるが、劉備様を侮辱するのは許さん!」
敵兵士達「鮑三娘様を侮辱するなぁ――! その首を切り落としてくれよう!」
鮑三娘「こら、これは罠よ! ええい、待ちなさい!」



―― ミタカ、我ガチカラ……! ――



伝令「金環将軍が敵城を攻略! これにて我が軍の勝利です!」
張松「おお! 皆、勝鬨を上げよ! 我等の勝利だ!」

味方兵士達「おおぉぉぉ――!」

――これじゃ、勝利したときの歓声がわしの身を震わせてくれる。
これがあるからこそ、戦場が良いとも思える――

590 名前:戦場を駆け回る文官 最終話[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:47:44 ID:RUTWs1190
「おめでとう。ところで、9連勝中とは……僕が思ったよりもやっているようだね」
「……試したいデッキが予想以上に多くてな――この張松が入っているデッキばかりだが」
「ほう、何か拘りでもあるのかい?」

「ああ。張松には、本当に世話になったからな。こいつのお陰で1で覇王にもなれた」
「まあ、今は一度引退した身だ。英雄でプレイするのはおこがましくて出来ないよ」
「なるほど……グラサン君の張松には店内対戦で酷く引っ張られたよね。今でも勝てなさそうだよ」

――おお……この張松、感激致しましたぞ

「さて、次だ。このデッキが通用するかどうかはこの一戦じゃまだ分からないからな」

――この張松、グラサン殿に付いて行きますぞ。力尽きるまで、永遠に――



                   ―終―


592 名前:戦場を駆け回る文官 後書き[sage] 投稿日:2007/03/15(木) 15:51:02 ID:RUTWs1190
これで「戦場を駆け回る文官」の投下は終了です。
皆様、如何でしたでしょうか?

もし、いいよーいいよーならば調子を乗っちゃって、また次回作の安価を取りますが……
ダメならば(ryという訳で。


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最終更新:2007年03月15日 21:49