357 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 14:18:36 ID:x/gDlZ2OO
じゃあ、いっちょ行ってみる。

~ある日のバーボンハウス~
一人の男がその店の扉を開く。
(´・ω・`)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ。このコーラサワーはサービスだから受け取ってほしい」
( ^д^)「うほっ、いい男」
現れたのは朗らかな笑みを携えた少年、宝だった。
(´・ω・`)「のってくれてありがとう。今日は一人かい?」
( ^д^)「はい、まぁ大抵は一人ですけどね」
(´・ω・`)「それもそうだね。すまない」
( ^д^)「ちょw謝らないでくださいよw」
(´・ω・`)「でも、君はこの言葉をきいたとき、言葉にはできない“寂しさ”みたいなものを感じただろう」
( ^д^)「い、いや、べつに」
(´・ω・`)「この殺伐としたバーボンハウスで、そういうちょっとした気持ちを失わずに楽しんでほしいと思ってこの発言をしたんだ」
( ^д^)「て、店長?」
(´・ω・`)「さぁ、三国志大戦をしようか」
( ^д^)「誘導乙」
( ^д^)「まぁ、最初からそのつもりだったんですけどね」
(´・ω・`)「いつもの大驀進デッキかい?」
( ^д^)「いえ、今日はちょっと趣向を変えて」
そういうなり宝はデッキケースから一枚のカードを取り出す。
(´・ω・`)「ほう、SR夏侯淵か」
( ^д^)「以前相手が使ってるのを見て三倍速も楽しそうだなと思いましてね」
そういいながらサテライトに魏軍のカードを並べる宝。
(´・ω・`)「また大量に買ってきたんだね」
( ^д^)「いちを全軍それなりのデッキは組めるようにしてますからね。フルコンプでも10万しないなんて良心的な価格でいいですよ」
(´・ω・`)「……」

358 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 14:19:31 ID:x/gDlZ2OO
( ^д^)「さて、まずは夏侯淵を主軸に構えるとして」
兵種ごとに綺麗に整えられたカード群を見ていき、何枚かを抜き出す。
(´・ω・`)「張コウ、カク昭、ウホ徳、司馬懿、曹真、どれも2コスなら扱いやすい部類に入るカードだね」
( ^д^)「個人的には2.5、2、1.5、1、1、の構成で行こうと思いまして」
(´・ω・`)「なら、低コストを馬で固めたいところだから、バランスを取って張コウで行ってみようか」
その後もコスト別にカードを探し出していき、10分ほどしたころにようやくデッキが完成した。
( ^д^)「できましたね」
(´・ω・`)「馬3、弓槍各1だから扱いも楽だと思うよ」
( ^д^)「では早速全国対戦と行きましょうか」
宝はそう言い終わるか終わらないかのうちに筐体に300円を投入し、全国対戦をえらぶ。

360 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 14:23:22 ID:x/gDlZ2OO
(´・ω・`)「槍が濃い目の号令にあたるとつらいね」
( ^д^)「桃園が流行ってますから怖いところですかね」
そうこういううちに対戦相手が見つかり、お互いのデッキが画面に写し出される。
( ^д^)「こ、これは」
宝軍
SR夏侯淵【(●ω・´)】
R張コウ【(-_-)】
SR曹丕【( ФωФ)】
SRカク【('A`)】
R楽進【( ^ω^)】

渓谷の美男軍 SR呂蒙、R丁奉、UC関当、UC孫権、UC孫桓

(´・ω・`)「麻痺徒弓か。足並みを揃えさせたら辛いね」
( ^д^)「まぁ、序盤から攻めきってしまえばこちらのものです。気負いせず行きましょう」
……………………
( ФωФ)「此度の戦の相手は呉軍の呂蒙と丁奉だ。まずは夏侯淵と楽進には敵陣の注目を集めにいってもらいたい。その隙にカクは城を狙い、張コウは敵陣の中央突破を狙ってもらいたい。」
(●ω・´)「任せておけ。惇や孟徳の無し得なかった覇業のため、この力を存分に震わせてもらう!」
('A`)「城攻めの任、確かに承った。我が知謀で呉軍のものどもを阿鼻叫喚に陥らせて見せましょうぞ」
(-_-)「中央突破か。久方ぶりに血がたぎるわ」
( ^ω^)「弓集めは任せろお!」

( ФωФ)「では、行くぞ、みなのもの!」
「応!!」

361 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 14:24:05 ID:x/gDlZ2OO
( ФωФ)「戦場が平野なのは助かるな。今のうちに兵糧を溜め込ませておけ、再起の法を取る準備くらいはしておくぞ」
(●ω・´)「なに、守りを固めるしかできない呉軍の輩なぞ、我が攻めで瞬時に壊滅させてくれる」
('A`)「油断なさるな。赤壁の屈辱を忘れたわけではあるまいに」
(●ω・´)「うっ」
( ^ω^)「でも、兵糧の消費は控えるにかぎるお。みんなでがんばるお!」
( ФωФ)「頼もしいかぎりだな」
開戦を告げるドラが鳴り、両軍は戦闘体制にはいる。
敵軍は自城前に重ならないように上手く柵を配置し、部隊は横並びになった。

(-_-)「完全に受けの形だな。夏侯淵殿!楽進!」
(●ω・´)「任せろ!」
( ^ω^)「こんなへなちょこ弓、おいらが全て弾き返してやるお!」
( ФωФ)「我が部隊も続くぞ、全軍前に出ろ!」

(丁奉)「くっ、呂蒙殿、馬の攻めが激しすぎて部隊が思うように機能しません」
(呂蒙)「焦るな。戦半ばまで崩れなければ勝機はある」

(-_-)「前に出ろ!一気に柵を打ち崩すぞ!」
(;^ω^)「さすがに騎馬の機動力をもってしてもこの数は辛いお…」
(●ω・´)「楽進よ、今は耐えよ。柵を打ち崩さねば計が成らん!」
( ФωФ)「容易に攻勢に出させるな、此方でも敵の数を減らすぞ」
飛び交う矢を楽進と夏侯淵が巧みにかわしながら張コウは柵の破壊を続ける。

364 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 14:28:21 ID:x/gDlZ2OO
(-_-)「ちっ、兵の消耗が激しい。そう容易には崩させてはくれんか。一旦退くぞ!」
(●ω・´)「張コウが撤退するか。だが、柵は4割方潰せた。我らも退くぞ!」
張コウの撤退を皮切りに、全部隊が一旦城へ引き返す。
(孫桓)「呂蒙殿、追撃の命を!今なら」
(韓当)「控えよ。敵にはあのカクが居る。迂濶に城を開けるわけにはいかん」
(孫桓)「しかし」
(呂蒙)「焦らずとも、勝機は自ずと転がり込む。焦らず待て」
('A`)(くくく、その慎重さが命取りになるとも知らずに…)

(●ω・´)「そろそろ出るぞ。戦も半刻を過ぎようとしている」
( ФωФ)「我が軍の士気も上々。よいだろう、出陣だ!」

(呂蒙)「来たか。だが、計は成った。こちらも打って出るぞ!」

( ^ω^)「おっ、敵将が整列してるお」
( ФωФ)「あれは、徒弓の陣形か。麻痺矢の計を打たれると厄介だが…夏侯淵!」
(●ω・´)「ああ、手筈通りだな」
( ^ω^)「?」
(-_-)「行くぞ楽進よ、夏侯淵殿の道を開くぞ」
( ^ω^)「はいだおー」

369 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:13:23 ID:x/gDlZ2OO
(丁奉)「ふん、愚かものどもめ。さぁ、一気に畳み掛けるぞ」「死を恐れるな、我に続け!」
(呂蒙)「これで魏軍も虫の息」
('A`)「そいつはどうかな?」
(呂蒙)「なっ!?」
('A`)「ふははは、まずは奇襲成功」
「呂蒙殿、孫桓殿の部隊が突然の奇襲に、ぐわぁぁぁ!」
('A`)「奇襲は成した。我らは退くぞ!」
(呂蒙)「おのれ、カク、城を狙うと見せかけて」
「呂蒙殿!前方から急速で接近するてきしょうわーーー!」
(●ω・´)「我が神速の極み、貴様らごときが受けきれると思うな」
(呂蒙)「夏侯淵か…丁奉は一旦引け、我れがなんとか持ちこたえる」
(●ω・´)「敵将呂蒙、その首もらい受ける!」
(呂蒙)「急げ、そう長くは持たん」
(丁奉)「くっ、必ず生きて戻ってきてくだされ…」
(-_-)「楽進、よく見ておけ。あれが魏軍の猛将の一騎討ちだ」
(;^ω^)「あんまり見とれてる余裕がありません、おっ?」
張コウと楽進が言葉を交わす間、そのわずかな時間で決着は着いた。受けるしか道のない呂蒙はすぐに撤退を余儀なくされたのだった。
(●ω・´)「ちっ、首を取り損ねたか。まぁよい、相手の快気を待ってやる義理は無い、一気にせめこむぞ!」
( ^ω^)「はやいお」
(-_-)「まさに疾風の攻め」
( ФωФ)「後方は私とカクに任せろ、お前たちは城を取りに行け!」
一気に畳み掛け、敵城壁を半壊まで持っていきかけたところで退却のドラが鳴った。
( ^ω^)「さすがに、防御が固いお」
(-_-)「相手にはあの守勢の名君がいる。そう簡単には落とさせてはくれん。無理攻めをして反撃を許しては元も子もない」
(●ω・´)「その通りだ。引き際はきっちり見極めろ。丁奉を引かせただけでも十分だ」
(孫権)「くっ、なんという攻め。俺の守勢の術が働くのがあとすこし遅ければ」
(呂蒙)「過ぎたことはよい。最後に敵城を取ったものが勝者だ」
(丁奉)「しかし、計を成すのは相当な厳しさがありますな」
(呂蒙)「相手より早く攻め上がる必要があるが…やはりそう簡単にはいかんか」
(韓当)「丁奉殿が出られないというのに…」
(呂蒙)「全体出るぞ。簡単には城はくれてやれん」

370 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:15:08 ID:x/gDlZ2OO
(●ω・´)「やはり打って出てくるか。槍に気を付けろよ」
( ^ω^)「さすがにそこまでバカじゃないお!っおっおっ!」
(-_-)「言っている先から。孫桓は俺に任せろ」
(;^ω^)「忝ないお」
(孫桓)「張コウが相手か。相手にとって不足は無いが…いささかきついな」
(-_-)「ふ、一騎討ちをする度胸もない将など、100年経とうと我には勝てぬわ!」
(孫桓)「ぐっ、あ、ありえない…」
(-_-)「安らかに眠れ」

(韓当)「孫桓!?討ち取られたか…」
⊂( ^ω^)⊃「人の心配をしている暇は無いお!」
(韓当)「若造が、舐めるな!」
⊂( ^ω^)⊃「漏れの騎馬隊にそんな攻撃が効くわけ無いお!」
(韓当)「かはっ!ガタが来たか。引き上げるぞ!討ち取られさえしなければ次がある」
( ^ω^)「逃がしちゃったお」
(-_-)「上出来だ。あとは夏侯淵殿のフォローに回るぞ」
( ^ω^)「はいだお!」

(呂蒙)「もはやここまでか」
(丁奉)「何を弱気な!最後まで戦いましょうぞ」
(呂蒙)「孫桓を失い、韓当と孫権も手負い。もはや負け戦よ」
(丁奉)「ならば、せめて敵将の首を一つでも!」
(呂蒙)「まて、丁奉…呉将の本質だな。連環の法を使え。少しでも戦いやすくしてやろう。我らもでるぞ」
( ^ω^)「うぉ、この辺り足場が悪いお」
(-_-)「無駄な足掻きを」
('A`)「臆するな。苦肉の策だ。もう僅かで悪地も抜ける」
( ФωФ)「最後まで戦おうとする、その意気は買おう」
(●ω・´)「だが、我が神速の前にはこの程度の悪地…ふっ、誘っているのか」
敵城前にたたずむ二つの影、それは紛れもなく呂蒙と丁奉だった。

371 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:16:26 ID:x/gDlZ2OO
('A`)「一騎討ちを所望か。受けてやる必要は」
(-_-)「いや、受けるな」
( ^ω^)「夏侯淵殿ならきっといくお」
(●ω・´)「…」
( ФωФ)「戦に無駄な犠牲はいらん。それが将なら尚更だ」
( ^ω^)「曹丕殿!」
(-_-)「一騎討ちを許さぬと!?」
('A`)「それがとうz」
( ФωФ)「必ず勝て」
(●ω・´)「!」
('A`)「曹丕殿?」
( ФωФ)「身の程知らずに力の差を教えてやれ」
(●ω・´)「承知。いざ、神速の極みを見せてやろう!」


(呂蒙)「無理はするな。今の呉軍にはおまえの力が必要だ」
(丁奉)「…勝つさ」
(呂蒙)「あぁ!」

(●ω・´)「いざ、勝負!」
(丁奉)「勝利の一手とさせてもらおう!」

373 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:17:35 ID:x/gDlZ2OO
(●ω・´)「ちっ、さすがに鋭いな」
(丁奉)「疾風の攻めとはよく言ったものだ。よく研ぎ澄まされた刃だ」
(●ω・´)「こうして!」
(丁奉)「ん?」
(●ω・´)「何合だって打ち合っていたい気分だ!」
(丁奉)「気が合うな。だが」
(●ω・´)(丁奉)「決着はつけねばならんからな!!」

10合目。本当に僅かな、しかし大きな差。
歴戦の将の胸を抉り取るようにして払われた刃。
飛び散る血飛沫、戦場ではなんら不思議ではない光景。


馬上から弾き跳ばされた丁奉の姿がそこにはあった。
(`メω・´)「よい太刀筋だ。この右眼を曝すのは久しぶりだ」
( ^ω^)(あれってお洒落じゃなかったのかお?)
(-_-)(惇殿の真似をしてつけたって話だったが、本当に右目がなかったのか)

(`メω・´)「いつか、再び戦場で見えることがあれば、また討ち合おう」
(呂蒙)「丁奉を城に入れよ!今なら間に合う!」

('A`)「首を取らないのですか?」
(`メω・´)「こちらも手酷くやられてしまってな」
('A`)「まぁいいでしょう」
( ФωФ)「この戦は征した。勝鬨をあげよ!」
( ^ω^)「おーだお!」
(-_-)「また生き延びたか」
('A`)「赤壁の屈辱を返すとまでは行きませんでしたか」
(`メω・´)「いつか、また」

374 名前:宝くんの極み[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:18:27 ID:x/gDlZ2OO
( ^д^)「ふぅ、序盤の一騎討ちは美味しかったですね」
(´・ω・`)「カクが孫桓に当たったのもよかった。槍さえなければ極みは最強の部類に入るからね」
( ^д^)「連環されてもあのスピードとは驚きですよ」
(´・ω・`)「あれ、進軍しないのかい?」
( ^д^)「えぇ。やっぱり普段使わないデッキは疲れるので。また後日ということで」
(´・ω・`)「あぁ、いつでもおいで。どうせ3がでるまでは過疎状態だろうから」
( ^д^)「そ、それもそうですね。また時間ができたら来ますよ。では」
(´・ω・`)ノシ



ω・`)=3「誰も来ない。アクエリするなら今のうち」
(AAry
~完~

376 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 15:25:42 ID:x/gDlZ2OO
以上で投下終了です。
支援をいただいておきながら、さるさんに引っ掛かるという大失態を起こしてしまったことをここにお詫びいたしますorz

感想等ありましたらよろしくお願いいたします。

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最終更新:2007年10月25日 21:42