529 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:19:22 ID:UqKTWDva0
それでは行きます!

三国志大戦2と言うゲームが稼働して、およそ一年半が過ぎ去ったその日。
ギコは仕事を終え、自宅への道を歩いていた。

(,,゚Д゚)(今日で……三国志大戦2が終わるのか)

思えば、このゲームをしている内に色々な事があった。
引き取られた先で勘当を受け、プレイヤーとしての道を見失い、恥ずべき行為を微塵も省みなかった。
しかし、そこから彼は変わった。周りを見渡し、己自身を見た時に彼はこう思ったという。

『あぁ、小さいなぁ……』

それから彼は、早朝深夜、時間を問わずに労働をこなし、謙虚な姿勢で何事にも取り組む様になった。
その結果として、周りから立派なプレイヤーとして認められ、覇王にも昇格する事が出来たのである。

(,,゚Д゚)(……いや。まだ、肝心なコトが残っていたか……)

ギコは携帯電話を取り出すと、アドレス帳の画面を開き、ある人物へと電話をかける。

(,,゚Д゚)「もしもし。あー……お願いが一つあるのですが……よろしいですか?」

数分の会話後、携帯電話を閉じるギコ。彼の双眸には、静かに燃える炎が確かに宿っていた……。



(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~

530 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:23:59 ID:UqKTWDva0
12月12日のバーボンハウス。
この日、店長は三国志大戦2の最終稼働日として、大戦コーナーにおいてあるサービスを実施していた。
そのサービスとは、1000円で1時間半、排出無しのフリープレイである。
反響はかなり大きく、開店から夜となった今現在まで台が開く事は稀といっても良いぐらいだ。
そして、大戦コーナーの雑談場ではいつもの面々が、

( ^ω^)「曹操……3になっても、どうかよろしくだお!」
('A`)「田豊……色々と世話になったな。群雄で新規に追加されている事を祈っているぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「劉備……コストが重くなっちゃうけれど、新しい戦術を生み出せそうね」
(*゚ー゚)「小喬さん。色々と未熟ですけれど、これからもお願いしますね」
( ´∀`)「諸葛亮孔明先生は偉大だモナー。3でもお願いだモナー」
( ^Д^)「袁紹……僕は君との出会いを忘れないよ! 群雄にいるであろう新しい君を見つけてみせる!」
щ(゚▽゚щ)「張遼……俺たちの時代が再び始まろうとしているぜ……!」
( ━〇∀〇)「華雄が槍になっちゃいますか……。一度、各勢力の主力騎兵を確認しておいた方が良いですね……」

3で能力変更、もしくは使用禁止にされる武将カードに対して、様々な想いを抱きながら言葉を交えていた。

531 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:26:14 ID:UqKTWDva0
そんな折、
(;*゚ー゚)(気付いたらもうこんな時間……。帰らないと、お父様が心配しそう……)
しぃは時計を見ると、申し訳なさそうに頭を下げる。
(*゚ー゚)「皆さん、すみません……。親に心配をかけるといけないので、お先に失礼させて頂きます」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫、そういう事に関しては人それぞれよ。私たちが口を挟めることじゃないわ」
(*゚ー゚)「ごめんなさい。折角の楽しい時間でしたのに……」
('A`)「気にしなくていいって! しぃちゃん! 明日、3の筐体前で待っているから!」
(*゚ー゚)「ええ。それでは、明日お会いしましょう」

再び頭を下げ、バーボンハウスを後にするしぃ。
未だに運命は、二人を引き合わせる気が無いらしい……。

533 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:28:45 ID:UqKTWDva0
しぃがバーボンハウスから去って数分後……。

( ^ω^)「お。ギコさんだお」
(,,゚Д゚)「ん……ブーン達じゃないか? 良いのか? 学生がこんな遅くまで」
( ^ω^)「友達の家で勉強しているって事にしているお」
('A`)「上記同」
ξ゚⊿゚)ξ「上記(ry 」
( ´∀`)「上(ry」
( ^Д^)「(ry」
щ(゚▽゚щ(ry
( ━〇∀〇(ry
同じ言葉を繰り返す、六人の学生。

(;,,゚Д゚)「わかったわかった。だけど、あんまり遅くならない内に帰れよ」
頭を掻きながら、仕方が無いなぁといった苦笑いを浮かべるギコ。
(,,゚Д゚)「大体、明日も授業あるんだろう?」
( ^ω^)「無問題。さぼるお」

534 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:31:03 ID:UqKTWDva0
そこへ、ギコの後ろから長身の女性が姿を現す。
川 ゚ -゚)「ほぅ……中々良い度胸だな、ブーン」
( ;^ω^)ξ;゚⊿゚)ξ「「げぇっ!」」
その時、ブーンとツンは確かに銅鑼の音を3回聞いたという。
( ;^ω^)「クーさん!」
ξ;゚⊿゚)ξ「お姉ちゃん!」
ツンは内心、生きた気がしなかった。何せ、クーに勉強会と言って家を出た数時間後、本人とゲームセンターで会うなどと思っていなかったからである。
川 ゚ -゚)「クー……友達の家で勉強すると聞いたが……」
少しばかり冷ややかな口調でツンに話しかけるクー。
ヤバイ、マズイ、本気で怒っているかも……。ツンはそれを姉の雰囲気から察した。
ξ;゚⊿゚)ξ「で、でも勉強は勉強よ! 大戦のだけれど……」
必死に取り繕うツン。例え、それが無駄な抵抗だと分かっていても……。
しかし、クーは微笑を浮かべ、
川*゚ー゚)「ふふ。まぁ、いい。今日はギコから誘いがあって来たのだからな」

( ;^ω^(;'A`)ξ;゚⊿゚)ξ;´∀`; ^Д^)щ(゚▽゚щ;); ━〇∀〇)
「「「「「「「な、なんだってーーー!?」」」」」」」

後の話だが、驚け! という声が何処からともなく聞こえたと、七人の学生は語ったという。

535 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:34:05 ID:UqKTWDva0
(*;,,゚Д゚)「……クー。誤解を招く様な発言だぞ」
川*゚ー゚)「誤解? ギコと私がどう誤解される? ……それで、どうしてここへ誘ったんだ?」
少しばかり、嬉しそうな口調でギコと言葉を交わすクー。
対するギコは困惑こそしているが、まんざらでもないような表情を浮かべていた。
だが、そんなギコの表情が瞬時に引き締まる。

(,,゚Д゚)「……最強の武神関羽を見せてやる為だ」
川 ゚ -゚)「? 一体それはどういう意味……」

突如、クーは自身の背後に凄まじい威圧感を感じた。
恐る恐る背後を振り返るクー。
そこには……、

(´●ω●`)「待っていたよ……ギコ君」

サングラスをかけた一人の男が立っていた。
男の名は、天頂。魏皇帝の称号を持つ、バーボンハウス最強のプレイヤーである。
(,,゚Д゚)「……2で、最初で最後の再戦を貴方に申し込みます。天頂」
(´●ω●`)「君も、あの時以上に強くなったと思うよ」
(,,゚Д゚)「それは天頂も同じでしょう」
(´●ω●`)「ふふ……。じゃあ、始めようか」
(,,゚Д゚)「望むところ、ですよ」
両者とも、僅かにだが口元が綻ぶ。
天頂とギコはそれぞれ、向かい合わせに配置された2台の筐体へ歩み寄ると、ICカードと300円を投入する。
ギコの三国志大戦2最終決戦の火蓋が、今まさに切って落とされようとしていた……!

537 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:37:04 ID:UqKTWDva0
(,,゚Д゚)軍 覇王 徳10
SR武神関羽 R趙雲 R姜維 SR諸葛亮

(´●ω●`)軍 魏皇帝 徳30
Rカク昭 R司馬懿 R社預 R曹仁 UC程昱

( ;^ω^)「ギコさんが……4枚八卦!? 使ってるの見たことないお……」
ξ゚⊿゚)ξ「攻守と八卦……質実入りの八卦が有利なのは間違いないけれど……。何回も八卦に対して攻守で勝ってる天頂さんだから……この勝負、分からないわ」
( ━〇∀〇)「ギコさんのデッキ自体は、馬竜氏が第3回全国大会で使用した八卦ですね……。武神関羽の枠を崩した5枚型の方が、よく使われてはいますが……」
( ´∀`)「孔明先生と司馬懿……何だか運命を感じるモナ」
щ(゚▽゚щ)「確かにな……一体、この勝負はどうなる……?」
( ^Д^)「枚数的には天頂さんの方が上ですが……」
('A`)「総武力は覚醒後の数値でも負けているな。こりゃあ、本当に目が離せねぇ」
川 ゚ -゚)(あのデッキ……まさか!?)
クーはつい先日、武神関羽の運用法についての助言をギコから受けており、一例としてこのデッキの事を教えてもらったのを思い出した。
川; ゚ -゚)「ギコ! ま、まさか、最強の武神関羽と言うのは……!」
2つの筐体を囲むように出来たギャラリーから、慌ててギコ側の筐体へ駆け寄るクー。しかし、ギコ自身は何事も無い様に、武将の配置を始めている。
(,,゚Д゚)「……そうだ。お前に言ったろう? 最強の武神関羽を見せてやる、って」
川 ;゚ -゚)「だ……だが! それでお前が普段使い慣れていないデッキで勝負するというのは……!」
(,,゚Д゚)「気にするな。……俺は覇王に昇格した時、蜀を使った。そして、天頂は魏を使用して皇帝に昇格した」
武将配置の手を止めて、クーに顔を向けるギコ。
(,,゚Д゚)「俺は……否、天頂もか。それぞれ上位の位に昇格した際の勢力で雌雄を決する。……そう、決めたんだ」
ギコの強い決意は、表情だけでなく言葉からも滲み出ていた。それが分からないクーではない。

538 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:40:53 ID:UqKTWDva0
川 ゚ -゚)「でも……!」
食らい下がるクー。自分の趣向が、ここまで他人の勝負に関わるとは思っていなかったからか。
その時だった。
( ゚∀゚)「クー姐さん。アイツはああ決めたら、決して譲らない漢だ。アイツの意志を尊重しましょうや」
ジョルジュがクーの背中から声をかける。彼も、ギコに呼ばれてバーボンハウスへと来ていたのだった。
川 ゚ -゚)「ジョルジュ……。そうだな。ギコは……そういう漢だな」
うん、うん、と自分を納得させる様にギャラリーの方へと戻っていくクー。
( ゚∀゚)「ギコ! 2最後の大勝負だ。簡単に負けたら承知しねぇぞ!」
(,,゚Д゚)「あぁ、分かってる!」
(,,゚Д゚)(俺を正しい方向へ導いてくれた天頂や皆の為に。そしてもう半分は……クー、お前の為に! 一度で最後のこの再戦……勝ってみせる!)
ギコは兵法を決定し、開戦の刻を待つ。


―――孔明よ! これが我らの最終決戦となろう!
―――仲達! 我らが主の悲願の為、この戦は勝たせてもらう!

539 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:43:13 ID:UqKTWDva0
鉄の扉が重々しく開き、戦は始まりを迎えた。
夕焼けの平原。櫓が城門前に二つあるのみで、障害物は他に何も無い。

天頂軍はカク昭、社預を自陣中央に配置し、曹仁を自分から見て左側サイドの前線に配置。
対するギコ軍は、趙雲と姜維を自城の城門前に、関羽は曹仁を迎え撃つような形で配置している。
(´●ω●`)(さて、まずは諸葛亮の伏兵を解除しないとね)
(,,゚Д゚)(司馬懿が厄介なのは至極当然だが、問題はそれよりも……)
互いの思惑が絡み合う中、天頂のカク昭、社預は進軍を始め、曹仁も伏兵捜しのような動きをしながらギコの城へと迫る。
(,,゚Д゚)(伏兵2枚って事の方が、死活問題だな)
ギコは趙雲を姜維に重ねる様にして迎撃の態勢をとりつつ、関羽を曹仁に向けて走らせる。
一方、カク昭と社預は蒼いオーラを纏いながら、少しずつではあるもののラインを上げてきている。
(,,゚Д゚)(カク昭、社預がこういう攻め方をしてくるとなると……。伏兵はカク昭、社預の近くか……?)
姜維を先行させ、天頂の出方を伺うギコ。
そして、姜維と趙雲がカード半分ほど離れたその刹那、

ジャーンジャーンジャーン
『伏兵』―AMBUSH― 「程昱」
「十面埋伏の計じゃ」

程昱が画面に表示されると同時に、姜維の兵力が六割程度まで減る。
即座にカク昭、そして社預が、手負いの姜維を討ち取らんと馬を向けてくる。
そこへ、

ジャーンジャーンジャーン
『伏兵』―AMBUSH― 「司馬懿」
「かかったな。殲滅せよ!」

司馬懿が画面に表示され、ギャラリーからは嘆きの声が上がった。
(;'A`)「姜維が落ちたら、数の上でも不利になっちまう!」
ξ;゚⊿゚)ξ「それどころか、最悪落城もあるわ……」
川 ;゚ -゚)(ギコ……!)

540 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 22:45:45 ID:UqKTWDva0
しかし、司馬懿の奇襲を受けたと思われた姜維の兵力が減ってはいない。
そこへ、

ジャーンジャーンジャーン
『伏兵』―AMBUSH― 「諸葛亮」
「読み通りだ……」
諸葛亮が戦場に姿を現す。どうやら姜維ではなく、諸葛亮が司馬懿を踏んでいたようだ。

(´●ω●`)「うーん……姜維を撃破出来ていれば上出来だったけれど……」
(,,゚Д゚)「危なかったな……中央配置はとりあえず、正解だったか……」

その後、天頂のカク昭と社預は馬を返し、司馬懿もまた自城への退却を始める。
唯一、移動速度が大幅に遅い程昱は、諸葛亮と姜維の槍撃で兵力を大幅に削られ、

程昱『堕ちてゆく……』

撤退に追い込まれる。曹仁は、常に突撃オーラを纏いつつ、ギコの城へ向かったり、退いたりを繰り返している。
対するギコは、姜維及び趙雲を自陣と敵陣の境界付近で募兵させ、諸葛亮を自城へと引き上げさせる。
そして関羽は、曹仁の牽制を突撃状態で行っていた。
( ;^ω^)「それにしても、ギコさんすごいお。魏しか扱っているの見た事ないから、槍は苦手だと思っていたお……」
ξ;゚⊿゚)ξ「槍撃精度も、一日や二日で到底あそこまで出来るものじゃないわよ……」
( ;━〇∀〇)「あの人が覇者でいたのは単に、時間が無いだけだったのかもしれないですね……」

543 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:06:18 ID:UqKTWDva0
(,,゚Д゚)(無理に攻めてこない……という事は、士気12からの攻守を絡めた多彩な攻めを狙っているか……?)
(´●ω●`)(ギコ君も枚数的には同じなのに攻めてこない。八卦を軸にして攻めてくるかな……?)

二人の雄が、相手の出方を考え得るだけ探る。
互いの部隊が乱戦にすらなることは無く、70カウントを切り、60カウントを切った。
それでも、正面きっての戦いは起こる気配すら見せない。

(,,゚Д゚)(……よし。ならば、こちらも合わせるとしよう)
(´●ω●`)(なるほどね……。だけど僕の攻守は、君の思っている以上に変幻自在だよ)

ギコは全部隊を自城に引き上げさせると、天頂もそれを見届けて全軍を引き上げさせる。
ギャラリーからは何時の間にか声が静まり、時折、唾を飲み込むような音が聞こえるだけになっていた。
そして中盤、53カウントを切ろうとしたその時、ギコと天頂の両方の城から土煙が舞い上がる。
天頂側からはカク昭。そして、ギコ側からは関羽がそれぞれ姿を現す。

544 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:14:01 ID:UqKTWDva0
『強化』―POWER UP―
『    魏武の大強   [知力時間]
    自身の武力が長時間上がる  』
天頂はカク昭の計略を発動させ、再び自城へ戻らせる。
対して、ギコは少し黙考し、自身の筐体の赤いボタンを叩く。

『強化』―POWER UP―
『       武神降臨   [知力時間]
       自身の武力が長時間上がる。
さらに自身が敵部隊を撤退させるたび武力と移動速度が上がる 』
関羽の計略を発動させると、ギコもそれを自城へと戻した。

щ(゚▽゚щ;)「カク昭の武力が+5、加えて社預の覚醒で+1の合計+6。関羽は+1。これで、総武力面でも天頂さん側が上に立ったか……」
(; ^Д^)「しかし、関羽の計略の方が効果時間はあります。……たった1カウントだけですが」

再び、戦場は静まり返る。
そして残り37カウントになろうとしたその時、天頂側の城から多数の土煙が舞う。
(,,゚Д゚)(来るか……!)
ギコも、全軍を自城より出撃させる。
士気はお互いにMAX。勝敗を分けるのは、両者の操作スキルと戦術眼……!

547 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:20:38 ID:UqKTWDva0
天頂側は司馬懿と社預をそれぞれ端に配置し、中央にカク昭、曹仁、程昱という布陣。
ギコ側は各武将をそれぞれ左から、諸葛亮、趙雲、姜維、関羽と、間隔をおいて布陣している。
両軍は少しずつラインを上げる。そして、

(´●ω●`)「ふふふ……さぁ、いざ!」

『英傑号令』―HEROIC COMMAND―
「最後の決着をつけるとするか!」
『     攻守自在   [知力時間]
  範囲内の味方の武力と移動速度を上げる』

最初に動きを見せたのは天頂の方だった。陣地の半分を通過した全武将を少し固め、司馬懿の計略を発動させる。
結果として司馬懿を除く全武将の武力が+4され、移動速度も上昇する。

(,,゚Д゚)(そう来るだろうな……)
ギコは諸葛亮と姜維をクロスさせながら後方に退け、趙雲に先陣を任せる。
しかし、移動速度の速くなった程昱が趙雲に乱戦すると、怒濤の勢いで天頂軍の騎兵が殺到する。

趙雲 『お、俺とした事が……!』

その勢いに耐えられず、撤退する趙雲。
趙雲を撃破した天頂軍は、その勢いでギコの城を攻め立てるべく進軍する。

549 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:27:14 ID:UqKTWDva0
( ;´∀`)「趙雲が落ちたモナ……。これは勝負あったモナ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「確かに……天頂さんがこれで有利なのは間違いないわね。ただ……」
( ;━〇∀〇)「ええ。何か引っかかりますね……」
( ;´∀`)(どういう事モナ?)


同じく、天頂も戸惑いを感じていた。
(´●ω●`)(何故だ? 何故、士気が充分あるのに八卦を使わなかったんだ?)
そう。八卦を使わないで退いた事に違和感を感じていたのだ。
八卦を使えば、このような状況にはならなかった筈……。
あまりにも簡単に出来過ぎたこの事態……。
(;´●ω●`)(ッ……! まさか!!)
天頂は一つの結論に至る。
それは……、

『英傑号令』―HEROIC COMMAND―
「これぞ、用兵の奥義よ……」
『    八卦の陣法   [知力時間]
    武力と移動速度を上げる  』

551 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:33:45 ID:UqKTWDva0
(;´●ω●`)(こ、これは完全に見落としていた……!)
諸葛亮が関羽一部隊に対して、号令を発動させる。
武力と移動速度を上げるというあまりにも単純な戦法。
しかし、その戦法を予期していなかった相手にとって、それは奇襲以外のなにものでもない。
そして、八卦の効果を受けた関羽がカク昭に接触した瞬間、画面が明るくなる。

『関羽』              『カク昭』
『  (,,゚Д゚)軍  』対『 (´●ω●`)軍  』

(;,,゚Д゚)ノシΩ「これぞ天啓! これを落としたら、俺の負けは確定する!」
(;´●ω●`)ノシΩ「ここでカク昭を撤退させる訳には……!」

関羽とカク昭が、互いの得物を手に打ち合うこと5回。
結果は……、

「この関羽に刃を向ける事が間違いなのだ!」

(;,,゚Д゚)「よし、何とかカク昭は退けた!」
(;´●ω●`)「まずい。まずすぎる……」

552 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:40:07 ID:UqKTWDva0
天頂は堪らずに、筐体の青いボタンを叩く。

兵法マスタァァァー! プラス外伝!
魏軍の大攻勢MASTER
『士気』『増援』

(´●ω●`)(関羽は捨て、姜維と諸葛亮を潰す!)
しかし、そんな天頂の思惑を知っていたかのように、ギコも兵法を発動させる。
(,,゚Д゚)(ならば、これでどうだ!)

兵法マスタァァァー! プラス外伝!
神速の大攻勢MASTER
『速軍』『車輪』

(;´●ω●`)(ま、まさか!? その兵法を選んでいたなんて!)

焦りの表情を浮かべつつ、天頂は赤いボタンへ手を伸ばす。

『全体強化』 ―ALL POWER UP―
『    刹那の号令   [知力時間]
 範囲内の味方の武力を短時間上げる 』

555 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:47:17 ID:UqKTWDva0
しかし、それも攻守自在の効果が切れた天頂軍には雀の涙であった。
関羽の凄まじい連突によって、諸葛亮と姜維の車輪に捕らわれた天頂軍の武将は一人、また一人と撤退に追い込まれる。

曹仁「な、何が起こった!?」
程昱「墜ちてゆく……」
司馬懿「ここは退けぃっ!」
社預「退くことも必要だ!」

全ての天頂軍武将を撤退に追い込んだ関羽。武力は既に28まで上昇しており、そのまま天頂の城門に一撃を加える。

        『攻城』
      ―TARGET STRIKE―
「格の違いを見せてやろう」

556 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:52:10 ID:UqKTWDva0
その後、関羽に続いて諸葛亮と姜維が城門攻撃に成功する。
復活したカク昭が懸命に防衛するものの、

挑発 ―PROVOCATION―
「はい。そこまで!」
『        挑発    [知力時間]
  範囲内のすべての敵が自身に向かってくる 』

姜維の挑発で、諸葛亮と関羽の攻城を許してしまう。
結果―――。

「関羽」
『武器を捨て、この関羽に降伏せよ!』

関羽が青龍偃月刀を掲げ、ギコ側の筐体に大きく「勝利」の二文字が表示される。

―――孔明、最後の勝負は……お前の勝ちか。
―――仲達……?
―――俺はもう、3で排出される事はない。……用済み、というやつかな。
―――そんな、馬鹿な……!
―――これも天の意志だろう。流石に俺も、それには逆らえぬようだ。
―――天の意志……お主がそんな言葉を口にするとは……。
―――孔明よ。お前と雌雄を決することが出来て、俺は満足だった。……さらばだ。我が生涯最大の好敵手よ……。
―――仲達……。私も、お前と雌雄を決することが出来たのを、誇りに思うぞ……。

557 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 23:57:10 ID:UqKTWDva0
(,,゚Д゚)「―――ふぅ」
ギコはその画面を見つめて、大きく息を吐いた。
( ;^ω^)「ギ、ギコさんが天頂さんに、か、勝ったお……」
(´●ω●`)「ふぅー。今回は負けたよ」
ギコの筐体へと歩み寄る天頂。その顔には悔しさではなく、歓喜の笑みを浮かべている。
(,,゚Д゚)「いやいや、貴方が同じ土俵で勝負してくれたからです。……それに、あの一騎討ちがなければ、俺の負けでしたよ」
手を振りながら笑うギコ。
その後のCPU戦も難なく終わらせると、ギコと天頂は互いに堅く握手を交わす。
(´●ω●`)「3ではこう簡単にいかないよ……」
(,,゚Д゚)「俺も同じ、ですよ」
ギコは筐体からICカードと武将カードを回収すると、ギャラリーへと向かって歩く。
( ^ω^)「ギコさん! カッコよかったお!」
('A`)「まさか天頂さんを負かすなんて……」
ξ゚⊿゚)ξ「すごい……そうとしか言いようがないわ……」
( ━〇∀〇)「関羽の連突、非常に見事でした。3になったら勝負しませんか?」
( ´∀`)「今度、八卦の使い方を教えて欲しいモナ!」
щ(゚▽゚щ)「熱い勝負だったぜZE! ギコさん!」
( ^Д^)「正しくあっぱれ! ですね!」
( ゚∀゚)「ギコ! やったじゃねぇか! 最後に皇帝に勝つなんてよ!」
賞賛の声を浴びるギコ。
一言一言に、ありがとうと返礼し、自らを最も心配していたであろう人物の許に歩み寄る。

558 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00:02:03 ID:onqVLF+H0
(,,゚Д゚)「クー……見ていてくれた、か?」
川 *;゚ -゚)「ギコ……。その何と言ったらいいのか……」
(,,゚Д゚)「自分の思っている事を言えば良いんだ。綺麗な言葉で飾る必要なんて無い」
川 *゚ -゚)「……ありがとう。関羽を……武神の名を関するに相応しい関羽にしてくれて……」
(*,,゚Д゚)「クーらしい言葉だな。ありがとう」
そう言って、クーの頭を撫でるギコ。
川 *;゚ -゚)「な~~~ッ!」
林檎のように顔を紅潮させるクー。
川 *;゚ -゚)「い、一体何のつもりだ! ギコ!」
(*,,゚Д゚)「俺なりの感謝の意だよ。それとも何だ? 何か誤解されると困るのか?」
川 *;゚ -゚)「~~~ッ!」
返す言葉が無く、困ったような、怒ったような、そしてどこか嬉しそうな表情を浮かべて、クーはギコを見つめる。
川*゚ー゚)「……ギコ。今日は、有意義だった」
(*,,゚Д゚)「俺もだ。……付き合ってくれて、ありがとう」
こうして、三国志大戦2におけるギコの戦いは終わりを迎えた。
しかし、すぐに三国志大戦3は稼働を開始し、新たな戦いが幕を開けるであろう。
だが、再び戦乱を迎えるその時まで、一時の平穏を彼女と共に過ごせる事を、ギコは祈っていた……。

559 名前:(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~ 余談[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00:07:01 ID:onqVLF+H0
ギコとの勝負を終えた後、店を閉めた店長はある場所へと向かっていた。
(´・ω・`)「……兄さん」
(`・ω・´)「来たか……弟よ」
ブランデーハウス。ここは店長の双子の兄、シャキンが経営するゲームセンターである。
(´・ω・`)「僕は……大戦2最後の相手を、貴方に申し込みたい!」
(`・ω・´)「弟よ、そう来ると思っていたぞ……。その挑戦、喜んで受けよう!」
二人はほぼ同時にサングラスをかけ、筐体の椅子へ座る。
(´●ω●`(`●ω●´)「「いざ勝負!」」

この日、数々の熱いドラマを生んできた三国志大戦2はその役目を終える。
だが三国志大戦3になっても、プレイヤー達の熱い決戦が終わる事は決して無い。
大戦を愛するプレイヤーがそこにいる限り……。


560 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00:13:55 ID:onqVLF+H0
以上で(,,゚Д゚)の再戦 ~2が終わるその日~は終わりです。
ただ……殆ど勢いで書いた為、後半の文章が雑になってしまったと感じています。
天頂の実力も、こんなものではないだろうに……。文才の無い自分が恨めしいです。
最後に、深夜にも関わらず支援を下さった皆様、本当にありがとうございます。
それでは、またの機会にお会いしましょう。

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最終更新:2007年12月14日 19:41