ヨハン早稲田キリスト教会 文書宣教部
「山を動かす」 No.1
渉外弁護士 佐々木 満男
■これは「恵みの雨」誌連載記事「あらゆる問題は解決できる」の1999年7月号の原稿です。
1.山をも動かす信仰
聖書には、イエス・キリストを信じる者に数々の恵みが与えられることが約束されています。その一つが、「山をも動かす信仰」(マルコ11章23,24節)です。これは、山のように立ちはだかる大問題を解決するために最も有効な手段のひとつです。「山をも動かす信仰」の秘訣は、神のみことばを心に疑わないで単純に信じつづけることです。
ここで、私が昨年お会いしたナイジェリアの牧師で著名なテレビ伝道者でもあるセグン・オシナガ博士(アフリカ・ハーベスト・ミニストリーズ)から聞いたお話を紹介します。
2.信じて命じつづける
ご主人に先立たれたあるケニアの夫人(Aさん)が、広い土地を相続しました。ところが、この土地の大半は小高い山によって占められていて、放牧にも耕作にも適しません。Aさんは次第に経済的に困ってきました。「この山さえなければ、穀物を植えたり、羊を飼ったりできるのに」といつも思っていました。
イエス・キリストを信じていたAさんは、あるとき、新約聖書のマルコの福音書11章23,24節を読んで、心を打たれました。「これはすごい。うちの山に向かって『平らになれ』と言って、心に疑わないで信じるならそうなるのだ」と思ったのです。
ちょうどその頃、近くにアメリカ人の宣教師が集会を開いていました。
Aさんはさっそく宣教師をたずねて質問しました。
「マルコの福音書11章23,24節はイエス・キリストが語られたみことばですか」
宣教師は「もちろん、そうです」と答えました。
Aさんはつづけて、
「それでは、ここで語られていることは本当のことですか」
と質問しました。
宣教師は「もちろん、本当のことです」と答えました。
そこでAさんは、
「それでは、うちの土地にある山に向かって『平らになれ』と言えば、そうなるのですね」
と聞きました。
そうすると宣教師は、
「とんでもない。そんなばかなことがあるはずがないでしょう。イエス・キリストはここで、本物の山について語られたのではなく、比喩として問題の山について語られたのです」
と説明しました。
Aさんは再び聞きました。
「でも、この聖句は本当にイエスさまが語られたのですね」
宣教師は「そうです。本当にイエスさまが語られたことばです」と答えました。
Aさんは家に帰るやいなや、その日から毎日山に向かって「主イエスの御名によって命じる。目の前にある山よ、平らになれ!」と叫んで命令しました。
1週間たち、10日たちましたが、何事も起こりません。Aさんは聖書のみことばを信じて、毎日命じつづけました。1カ月たち、2カ月が過ぎました。しかし、山はびくともしません。それでもあきらめずに、毎日命じつづけました。3カ月たちました。何の変化もありません。そしてついに、4カ月たちました。
3.山が動いた!
Aさんが山に命じ始めてちょうど4カ月が過ぎたときのことです。誰かがAさんの家を訪ねてきました。その人はケニア政府の建設省の役人でした。
「ケニアの道路建設のために大量のアスファルトの原料が必要です。ナイロビ大学に調査をさせたところ、お宅の山は、アスファルトを作るためのコールタールの原料のかたまりのようなものであることがわかりました。そこで政府としてはぜひお宅の山を全部買い上げたいのです」
ということでした。 Aさんは喜んで値段を聞きました。政府の役人は「100万(米)ドルではどうか」と言います。「とんでもない、そんな安い値段では売れません」とAさんは売却を拒絶。「それでは、200万ドルではどうか」、「いやだめです」と交渉して、ついに400万ドルで売却が決まったそうです。ケニアの貨幣価値から考えると、この金額はぼう大なものです。あっという間に、山は崩されて平地になりました。
4.疑わないで信じる
これは、聖書のみことばを、心に疑わないですなおに信じて実行した結果です。アメリカ人宣教師は、聖書のみことばを頭だけで信じていましたが、Aさんはそれを心から信じたのです。
主は、このAさんの純粋な信仰(神のみことばへの単純な信頼)を喜ばれて、山を平らにしただけでなく、豊かな報償金までくださったのです。
イエス・キリストは「天地は滅びるであろう。しかしわたしのことばは滅びることはない」(マタイ24章35節)と言われました。永遠に滅びることのない神のみことばを私たちはもっと信頼すべきです。
そうすれば、どれほど多くの悩みや思い煩いから解放されていくことでしょうか。どれほど多くの困難な問題が解決されていくことでしょうか。
天地万物の創造主である全知・全能・唯一・絶対の神に対して、自分のかかえてる問題がいかに深刻で、どれほど大きいかを訴えた後に、今度は目の前にある問題の山々に向かって、私たちの父なる神がいかに偉大であるかを宣言していくならば、問題の山々はその勢力を失って、後退せざるを得ないのです。
イエスは答えて言われた。「神を信じなさい。よく聞いておくがよい。だれでもこの山に、『動き出して海に入れ』と言い、その言ったことは必ず成ると、心に疑わないで信じるなら、そのとおりに成るであろう(マルコ11章22,23節)
信仰がなくては、神に喜ばれることはできない。なぜなら、神に来る者は、神のいますことと、ご自身を求める者に報いて下さることを、必ず信じるはずだからである(ヘブル11章6節)
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最終更新:2012年05月24日 18:22